金属の見分け方【磁石テスト+6つの方法】鉄・銅・アルミ・ステンレス・真鍮を素人でも判別





金属の見分け方で最も手軽かつ信頼性が高い方法は磁石テストである。磁石に強く引き付けられる金属は鉄・鋼・鋳鉄などの鉄系金属、磁石が付かない金属は銅・アルミニウム・真鍮・ステンレス304・鉛・亜鉛などの非鉄金属に大別される。スクラップ業者では鉄系と非鉄系を厳密に分別することで買取単価が大きく変わり、混合状態で持ち込むと最も安い鉄単価で買い取られるリスクがある。本記事では磁石テストを軸に色・重さ・音・火花など6つの判別法を解説し、各金属の特徴と分別のコツをまとめる。

結論:磁石テスト+色+重量+音+切断面の5観点で素人でも大半判別可能。鉄/ステン/銅/真鍌/アルミ/亜錉の6大区分は磁石1個で半分の判別が決まります。
金属判別 5観点マトリクス(6大区分)
金属 磁石 重量感 音(叩いた時) 切断面
○強く付く 銀灰色(赤錢びる) 重い 邈った音 銀色・粉が出やすい
ステンレス(SUS304) ×付かない 銀色(光沢強) 重い 済んだ高音 銀色・滑らか
ステンレス(SUS430) △弱く付く 銀色 重い 中音 銀色
×付かない 赤茶色(緑青び) 重い 低音 赤橙色
真鍌 ×付かない 金色〜黄銅 中重 中音 金色
アルミ ×付かない 白銀色(白く酸化) 軽い 軽い高音 銀色・柔らかい
亜錉 ×付かない 青みがかった銀色 中重 邈った音 結晶質・もろい
身近な製品の金属判別早見表
製品 主な金属 確認ポイント
給湯器銅管 赤茶色・磁石付かない
サッシ枚 アルミ 軽い・磁石付かない
水道蛇口 真鍌(メッキ) 表面磨くと金色
シンク ステン(SUS430が多い) 磁石が弱く付く
電線(被覆銅線) 被覆を剥くと赤橙色
建材アングル 磁石強く付く・赤錢

※ ステンレスのSUS304とSUS430の区別法・チタンと鉄の見分け方・買取時に高額判定される金属の特徴は以下で詳しく解説します。

磁石テストとは — スクラップ分別の基本中の基本

磁石テストは100円ショップで入手できるネオジム磁石(直径20mm程度)を金属に近づけるだけで鉄系・非鉄系を即座に判別できる最も簡便な方法である。強く引き付けられれば「鉄・鋼・鋳鉄」、弱く反応する場合は「ステンレス430系・工具鋼の一部」、まったく反応しない場合は「銅・アルミ・ステンレス304・真鍮・鉛・亜鉛・チタン」などの非鉄金属に分類される。スクラップ業者の計量場でも最初に行う検査がこの磁石テストであり、約1秒で鉄系・非鉄系の振り分けが完了する。

磁石テストの精度を上げるには、ネオジム磁石(強力磁石)を使用することが重要だ。一般的なフェライト磁石では非鉄金属や弱磁性のステンレスの判別が難しい場合がある。磁石を金属に接触させるのではなく、5〜10mmほど離した状態で引力を感じるかどうかを確認する方法が正確だ。

磁石テストの注意点

磁石テスト単体では判別が難しいケースがある。ステンレスSUS304は通常非磁性だが、プレス加工や曲げ加工を受けた部位は弱い磁性を帯びることがある。また真鍮メッキが施された鉄製品は表面が黄金色でも磁石に付く。これらの例外は後述する色・重さテストと組み合わせることで正確に判別できる。

金属別の特徴テーブル — 色・重さ・磁性で一覧比較

金属の種類は色・重さ(比重)・磁性・音の4要素を組み合わせることで高精度に判別できる。比重は単位体積あたりの重さで、同じ大きさでも金属によって重さが大きく異なる。例えば鉛(比重11.3)は同サイズのアルミ(比重2.7)の約4倍の重さとなり、持っただけで区別できる。以下のテーブルは主要な金属8種類の特徴を比較したものである。

金属 色・外観 比重(g/cm3) 磁性 叩いたときの音 主な用途
鉄(軟鋼) 灰色・銀色、錆びると赤茶色 7.87 強い(磁石に付く) 高い金属音 建材・自動車部品・機械
鋳鉄 暗灰色、表面が粗い 7.2 強い(磁石に付く) 低く鈍い音 鍋・エンジンブロック・マンホール
赤褐色、酸化すると緑青 8.96 なし 低く鈍い音 電線・銅管・配電盤
アルミニウム 銀白色、軽い 2.70 なし 軽い乾いた音 サッシ・缶・自動車部品
ステンレス(SUS304) 銀白色・光沢あり 7.93 なし(SUS430はあり) 澄んだ高い音 キッチン用品・設備機器
真鍮(黄銅) 黄金色・金色 8.50 なし 澄んだ鈴のような音 蛇口・楽器・バルブ
灰青色・鈍い光沢 11.35 なし 非常に鈍い音(吸音性高) バッテリー・防振材・釣り具
亜鉛(ダイキャスト) 灰色・白さびが出る 7.13 なし やや鈍い音 ダイキャスト・メッキ下地

色・重さ・磁性による判別フロー — 6ステップで特定

金属の判別は「磁石テスト→色確認→重さ確認→音確認→削り跡確認→火花確認」の6ステップで体系的に行うことで、ほぼすべての主要金属を特定できる。最初の磁石テストで鉄系と非鉄系に分け、次に色と重さで候補を絞り込み、最後に音や削り跡で確定するという流れだ。この手順を習慣にすることで、混入による買取損失を防ぎ、適正なスクラップ単価での売却が実現する。

ステップ1: 磁石テスト

ネオジム磁石を近づけて引力を確認する。強く付く→鉄系(鉄・鋼・鋳鉄)確定。弱く付く→ステンレス430系の可能性。付かない→非鉄系(銅・アルミ・ステンレス304・真鍮・鉛など)へ進む。

ステップ2: 色の確認

非鉄系の場合、色で候補を絞る。赤褐色→銅。黄金色→真鍮。銀白色で軽い→アルミ。銀白色で重い→ステンレスまたは鉛。灰青色で非常に重い→鉛。

ステップ3: 重さ(比重)の確認

同じサイズの鉄と比較して重さを感じ取る。アルミは鉄の約1/3の重さで明らかに軽い。鉛は鉄と似た大きさでも重く感じる。銅はアルミより重く鉛より軽い。

ステップ4: 叩いた音の確認

金属を硬い棒で軽く叩く。澄んだ高い音→真鍮・ステンレス。低く鈍い音→銅・鋳鉄。吸い込むような鈍い音→鉛。軽い乾いた音→アルミ。

ステップ5: 削り跡の色確認

金属ヤスリやサンドペーパーで表面をわずかに削ると内部の色が出る。赤みがある金属光沢→銅。黄色みがある→真鍮。白銀色で軽い→アルミ。白銀色で重い→ステンレスまたは鉛。

ステップ6: 火花テスト(グラインダーが必要)

グラインダーを当てたときの火花で鉄系の詳細を判別できる。長く明るい火花→普通鋼。放射状の火花→高炭素鋼または工具鋼。非鉄金属はほとんど火花が出ない。なお火花テストは火災に注意して屋外または防火エリアで行うこと。

判別ステップ 方法 必要なもの 所要時間
磁石テスト ネオジム磁石を近づける ネオジム磁石(100円均一可) 約1秒
色確認 目視で色を確認 目視のみ 約3秒
重さ確認 持って重さを比較 比較対象があると精度アップ 約3秒
音確認 金属棒で軽く叩く 金属棒・ハンマー 約5秒
削り跡 ヤスリで表面を削る 金属ヤスリ・サンドペーパー 約30秒
火花テスト グラインダーを当てる グラインダー(屋外) 約10秒

スクラップ売却時の分別のコツ — 損しないための実践ポイント

スクラップを高く売るための分別作業は、磁石テストによる鉄系・非鉄系の分離が最優先である。非鉄金属(銅・アルミ・ステンレス・真鍮)は鉄スクラップの5〜30倍の買取単価となるため、混入が1kgあるだけで数百円から数千円の損失につながる。2026年4月時点の一般的な買取単価は、鉄スクラップが30〜50円/kgに対し、銅が900〜1,100円/kg、アルミが100〜150円/kg、真鍮が600〜800円/kgと非常に大きな差がある。

分別時の具体的な注意点

電線(銅線)は被覆を剥がすと買取単価が上がる。被覆付きの電線は「被覆銅線」として単価が下がり、被覆を除去した「裸銅線」は高値で売れる。ただし剥がし作業に時間がかかる場合は、業者に状態のまま持ち込んで査定してもらうのが効率的だ。

アルミサッシにはガラスやゴムパッキンが付いていることが多い。これらの異物が混入していると買取単価が下がるため、外せる付属品は取り除いてから持ち込む。ステンレスは鉄スクラップ袋に混入させないことが最重要で、見た目が銀色で似ているため注意が必要だ。

真鍮(蛇口・バルブ類)は水道用品として一般家庭でも多く発生するスクラップだ。黄金色の金属は真鍮の可能性が高く、磁石テストで付かなければ単体でまとめておくと高値が付く。鉄に金メッキや真鍮メッキが施されている場合は磁石に付くため、簡単に区別できる。

分別のポイント

「袋・コンテナを金属の種類別に用意する」ことが最も効率的な分別方法だ。鉄系1袋・銅1袋・アルミ1袋・ステンレス1袋・真鍮1袋と分けておき、発生のたびに投入する習慣をつけると、持ち込み前の追加作業が不要になる。

金属種類 買取単価目安(2026年4月) 混入リスク 分別のコツ
鉄スクラップ 30〜50円/kg ステンレス・亜鉛の混入に注意 磁石テストで確実に分離
銅(裸銅線) 900〜1,100円/kg 被覆銅線との混在で単価低下 被覆を剥がしてまとめる
銅(被覆線) 400〜600円/kg 鉄コードとの混在 磁石で鉄コードを除外
アルミ(ダイカスト) 80〜120円/kg 亜鉛ダイキャストとの混在 重さで鑑別(亜鉛はやや重い)
ステンレス(SUS304) 130〜180円/kg 鉄くずへの混入で損失 磁石テストで鉄と確実に分離
真鍮 600〜800円/kg 黄銅メッキ鉄との混在 磁石テストで鉄メッキ品を除外

よくある質問

金属の見分け方に関して最も多い質問は「磁石が付かない銀色の金属がステンレスかアルミかわからない」というものだ。答えは重さで判別でき、アルミはステンレスの約3分の1の重さしかない。その他「錆びた金属は何か」「メッキされた金属の見分け方」など、実際に持ち込み前に迷いやすいポイントをQ&A形式でまとめた。分別に迷ったら混ぜずに別の袋に入れて持ち込むのが最も安全な方法である。

磁石が付かない銀色の金属はステンレスかアルミかどうやって見分けますか?

重さで見分けるのが最も簡単です。アルミニウムの比重は2.70で非常に軽く、同じサイズの鉄と比べると約1/3の重さです。ステンレスの比重は7.93で鉄とほぼ同等の重さがあります。手に持って「軽い」と感じればアルミ、「鉄並みに重い」と感じればステンレスと判別できます。確認に迷う場合はヤスリで削った削り粉の色も参考になります。アルミは白銀色の細かい粉が出ます。

磁石に弱く付く金属はステンレスですか?

弱い磁性があればSUS430系(フェライト系ステンレス)の可能性が高いです。SUS304は通常非磁性ですが、プレス加工や曲げ加工を受けた部位が弱い磁性を帯びることがあります。SUS430は厨房用品・建材・自動車排気系に多く使われており、買取単価はSUS304の約半分以下となります。スクラップ業者では磁性の強さでSUS304とSUS430を分けて計量することが多いため、正確な分別が高い買取価格につながります。

真鍮と銅はどうやって見分けますか?

色が最も確実な判別方法です。銅は赤みがかった赤褐色(ピンク系)で、真鍮(黄銅)は黄色みがかった金色です。両方とも磁石に付きません。銅は酸化すると緑青(青緑色)が出ることがありますが、真鍮は白黄色の酸化皮膜が形成されます。削り跡の色で確認する場合、銅は赤みある光沢、真鍮は黄みがある光沢となります。なお真鍮は銅と亜鉛の合金で比重は8.5程度と銅(8.96)に近い重さです。

鉛はどうやって見分けますか? 危険ではないですか?

鉛の特徴は「非常に重い(比重11.35)」「灰青色の鈍い光沢」「爪で傷がつくほど柔らかい」「叩いても音が出ない(吸音性が高い)」の4点です。鉛は直接触れても即座に危険なわけではありませんが、長時間の接触や粉塵の吸入は避け、作業後は必ず手を洗ってください。鉛スクラップはバッテリーの極板・漁具のシンカー・防振材などから発生します。スクラップ業者では非鉄金属として買い取り対象となります(買取単価の目安: 50〜90円/kg)。

チタンはどうやって見分けますか?

チタンは磁石に付かず、アルミより少し重い(比重4.51)金属です。銀白色で表面に独特の薄い酸化膜があります。チタンの特徴は「軽い割に丈夫」「腐食しない」「触れると体温に近い温かみを感じる」という点です。眼鏡フレーム・医療用インプラント・スポーツ用品・航空部品に多く使われます。チタンスクラップは需要が高く、状態が良ければ高値で買い取られます。スクラップ業者に「チタンの可能性がある」と伝えて蛍光X線分析(XRF)で成分確認してもらうのが確実です。

スクラップを持ち込む前に自分で分別しないといけませんか?

分別なしでも持ち込みは可能ですが、未分別の場合は最も安い鉄スクラップ単価で一括計量されるリスクがあります。磁石テストで鉄系と非鉄系を分けるだけでも買取金額が大きく変わる可能性があります。銅・アルミ・ステンレス・真鍮が混入している場合は必ず分別してから持ち込むことをおすすめします。分別方法がわからない場合は持ち込み前に業者に相談すると分別の助言を受けられます。

まとめ — 磁石テストから始めて損のない分別を

金属の見分け方は「磁石テスト→色→重さ→音」の4ステップで、専門知識がなくても主要6金属(鉄・銅・アルミ・ステンレス・真鍮・鉛)を判別できる。スクラップ売却では非鉄金属を鉄に混入させないことが買取単価を最大化する最重要ポイントであり、磁石1本あれば鉄系と非鉄系の分別は即座に完了する。分別精度を上げるほど買取単価は上がるため、本記事の判別フローを持ち込み前に確認することを推奨する。

磁石に付かない金属(銅・アルミ・ステンレス・真鍮・鉛)は鉄スクラップの5〜30倍の買取単価となる。100円ショップのネオジム磁石1個で年間数千円から数万円の損失を防げる計算になる。スクラップが発生したら、まず磁石テストで仕分けをする習慣を身につけよう。

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