金属の見分け方|磁石・色・重さで判別

手元の金属が銅なのか真鍮なのか、ステンレスか鉄か分からない——そんなときは「磁石 → 色 → 重さ → 削り(火花)」の順に確かめれば、専門機材なしでほとんど判別できます。まず磁石で鉄かどうかを切り、次に色で銅・真鍮・アルミに大きく分け、迷ったら同じ大きさで持ち比べて重さで確定する——この順番でたどるのがコツです。金属は種類ごとに価値の目安が大きく違うため(銅系は高め・鉄はベース)、素材を正しく見分けられると処分や売却の判断がしやすくなります。ただし合金の細かな種別や、メッキ・複合素材は見た目では確定できないことも多く、最終的に正確なのは買取業者による現地での計量と専門的な判別です。

まず全体像:磁石×色×重さの判別フローチャート

金属の見分けは、バラバラの知識を並べるより「上から順にたどれば必ず答えが出る」流れにするのが近道です。手順は4ステップ。①磁石で鉄かどうかを切り、②色で銅・真鍮・アルミに大きく分け、③迷ったら同じ大きさで重さを比べ、④それでも確信が持てなければ削って火花や削り粉で確認します。家庭の不用品レベルなら、磁石と目視と手の感覚だけでおおよそ判別できます。まずは下の4ステップ表と、磁石×色×重さを組み合わせた早見表で全体像をつかんでください。

金属判別の基本4ステップ
STEP やること 分かること
1 磁石を当てる 強く付く=鉄系 / 付かない・わずか=非鉄かSUS304へ
2 色を見る 銀色=ステンレス/アルミ / 赤茶=銅 / 黄金=真鍮・砲金
3 同じ大きさで持ち比べる 軽い=アルミ / ずっしり=ステンレス・銅・真鍮系
4 角を少し削る/叩く 火花が出る=鉄・ステンレス / 出ない=非鉄(削り粉の色で判別)

この記事は「これは何の金属か」を見分けること(判別)に特化しています。混ざった素材を実際に分けて売れる形にする分別の手順は、金属の分別方法(磁石と色で分ける手順)で別途解説しています。

磁石×色×重さの判別早見表(このページ独自のまとめ)
磁石 同サイズの重さ 最も可能性が高い金属
強く付く 銀色 標準 鉄(普通鋼)/ステンレスSUS430
付かない 銀色・マット 明らかに軽い アルミ
付かない 銀色・光沢 ずっしり重い ステンレスSUS304
付かない 赤茶(10円玉色) 最も重い部類
付かない 明るい黄金 ずっしり 真鍮(黄銅)
付かない くすんだ黄金〜赤金 真鍮よりやや重い 砲金(青銅)

「磁石の反応」「色」「重さ」の3つが決まれば、家庭で扱う金属はほぼ絞り込めます。以下、各ステップを詳しく見ていきます。

STEP1|磁石:最初に「鉄かどうか」を切る

金属判別は、まず磁石で「鉄系か・そうでないか」を切るのが最短です。強く付けば鉄(普通鋼)か磁性ステンレスSUS430、付かない・ほとんど付かないなら銅・真鍮・砲金・アルミ・SUS304など非鉄側と考えます。注意点は、ステンレスに「磁石に付く種類(SUS430)」と「付かない種類(SUS304)」があること。銀色で強く付くなら鉄かSUS430、銀色で付かないならSUS304かアルミです。ここはプロでも一瞬迷う分岐なので、迷ったらSTEP3の重さで確定します(SUS304はアルミの約3倍の重さ)。

磁石の反応と考えられる金属
磁石の反応 考えられる金属
強く付く 鉄(普通鋼)、ステンレスSUS430
付かない/ほぼ付かない ステンレスSUS304、銅、真鍮、砲金、アルミ、鉛

できれば強めのネオジム磁石を使うと反応が分かりやすくなります。フェライト磁石でも鉄の判別は十分可能です。

STEP2|色:銀・赤茶・黄金の3グループに分ける

磁石に付かなかったら、次は色で大きく3グループに分けます。銀色系はステンレスかアルミ、赤茶色(10円玉の色)は銅、黄金色は真鍮か砲金です。さらに錆の色も手がかりになり、鉄は赤茶のサビ、銅は青緑(緑青)のサビ、ステンレスはほとんど錆びません。表面が汚れて色が分かりにくいときは、目立たない角を紙やすりで軽くこすると地の色が出ます。ただし表面がメッキされていると地色と違って見えるため、色だけで断定せず重さや削りと合わせて判断してください。

色で見分けるときのコツ
金属 見た目のコツ
銀色・光沢あり ステンレス 鏡のように映り込み、錆びにくい
銀白色・マット アルミ 白っぽくつや控えめ。とにかく軽い
赤茶色(10円玉色) 使い込むと緑青(青緑のサビ)が出る
明るい黄金色 真鍮 金色に近い。ドアノブ・水栓金具に多い
くすんだ黄金〜赤金 砲金(青銅) 真鍮よりやや暗く渋い金色。バルブ類に多い

STEP3|重さ:迷ったら同じ大きさで持ち比べる

色や磁石で迷ったときの決め手が重さ(比重)です。同じ大きさなら、比重が大きいほど手に持ったときにずっしりします。とくに「銀色で磁石に付かない」がアルミかSUS304かで迷う場面では、これが一発で効きます。アルミは比重約2.7、ステンレスは約8.0で、その差は約3倍——手に持てば体感でほぼ区別できます。銅(約8.9)は身近な金属では最も重い部類で、同サイズの鉄(約7.9)より明らかに重く感じます。厳密に量りたいときは、水に沈めて体積を測り、重さ÷体積で比重を出す方法もあります。

主な金属の比重の目安と体感
金属 比重の目安 体感
アルミ 約2.7 明らかに軽い
約7.9 標準的な重さ
ステンレス 約7.9〜8.0 鉄とほぼ同じ
真鍮 約8.5 ずっしり
砲金(青銅) 約8.7 真鍮よりわずかに重い
約8.9 最も重い部類

STEP4|削り・火花・音で最終確認

色や重さでも確信が持てないときは、角を少し削って火花と削り粉を見ます。鉄・ステンレスは火花が飛び(鉄は赤い火花が枝分かれ、ステンレスは火花が少なく直線的)、銅・真鍮・アルミは火花が出ません。削り粉の色でも分かれ、黄色なら真鍮、赤茶なら銅、銀白で軽ければアルミです。加えて、叩いたときの音も補助的な手がかりになり、真鍮は澄んだ高い音、鉛のように柔らかい金属は鈍い音になりやすいと言われます。ただし音や火花は経験による差が大きいので、あくまで補助として使い、削り作業では保護メガネと手袋を着け、周囲の可燃物に注意してください。

  • 火花が飛ぶ … 鉄・ステンレス(鉄は赤い火花が多く枝分かれ/ステンレスは少なく直線的)
  • 火花が出ない・削り粉が黄色 … 真鍮(削り口が黄色っぽい)
  • 火花が出ない・削り粉が赤茶 … 銅
  • 火花が出ない・削り粉が銀白で軽い … アルミ

プロも迷う「真鍮・砲金・銅」の見分け方

見分けで最も間違えやすく、しかも価値差が大きいのが銅系の3種——銅・真鍮・砲金です。色が近く、いずれも黄〜赤系に見えるため混同しやすいのですが、単価の傾向は銅が高め、真鍮・砲金は中位です。見分けの軸は色・重さ・硬さの3点。色が赤寄りで明らかに重ければ銅、明るい黄金で柔らかめなら真鍮、黄金だが少し暗く硬くずっしりなら砲金と覚えると現場で迷いにくくなります。とくにバルブや水道部品のような厚みのある鋳物の金具は砲金であることが多い、という着眼点が役立ちます。

銅・真鍮・砲金の見分けポイント
項目 真鍮(黄銅) 砲金(青銅)
成分 銅ほぼ100% 銅+亜鉛 銅+錫・鉛など
赤茶(10円玉) 明るい黄金 くすんだ黄金〜赤金
重さ(同サイズ) 最も重い やや軽い 真鍮よりやや重い
硬さ 柔らかい 柔らかめ 硬い
よくある製品 電線・配管・端子 水栓・ドアノブ・楽器 バルブ・船舶部品・軸受

製品の形から逆引きで見分ける

「どんな製品か」から素材を推測できると、判別がさらに速くなります。電線・ケーブルの芯は銅、水道の蛇口・水栓金具は真鍮や砲金、サッシ・脚立・ホイールはアルミ、流し台・調理器具・手すりはステンレス、鉄板・アングル材・古い工具は鉄、というのが典型的な傾向です。もちろん例外もあるので、逆引きはあたりを付けるための入口として使い、最終判断は磁石・色・重さで確かめてください。とくに複合部品(モーターや配線を含むもの)は複数の金属が混ざっているため、逆引きだけで一括りにしないことが大切です。

製品から素材を逆引きする目安
こんな製品なら 多い素材
電線・ケーブルの芯 銅(被覆を剥くと赤茶)
水道の蛇口・水栓金具 真鍮・砲金
サッシ・脚立・ホイール アルミ
流し台・調理器具・手すり ステンレス
鉄板・アングル材・古い工具
バルブ・船舶金具・歯車 砲金

メッキ・複合素材は見た目で確定しにくい

見分けで一番つまずきやすいのがメッキと複合素材です。たとえば鉄やプラスチックにクロムメッキやニッケルメッキがかかっていると、地の金属と違う色に見え、色だけでは素材を取り違えます。真鍮に金色メッキ、アルミに着色といったケースもあります。判別のコツは、目立たない角を軽く削って「地の色」を出すこと、そして重さと磁石を必ず併用すること。メッキは表面だけなので、削れば下地の金属が現れます。また、モーター・基板・配線・複合部品は内部で複数の金属が組み合わされているため、外観だけで一つの素材と決めつけないのが安全です。こうした判断が難しいものは、無理に分解せず、そのままの状態で買取業者に見てもらうほうが結果的に確実です。

素材が分からない・確信が持てないときは

磁石・色・重さで大半は絞り込めますが、「銅か真鍮か最後まで確信が持てない」「メッキで地色が読めない」「複数の金属が混ざっていて分けられない」といった場面は必ず出てきます。無理に削ったり分解したりせず、そのままの状態でスクラップを扱う専門業者に見てもらうほうが、結局は確実で損もしにくい進め方です。業者側は磁石や比重だけでなく、必要に応じて成分を確認する機器で素材を特定し、混合物も分別・計量したうえで評価します。判別に迷った時点で自分だけで結論を出そうとしないことが、かえって適正な評価への近道になります。

種類が分からない金属や素材が混ざった製品は、無理に分けずそのままの状態で持ち込むのが基本です。素材が読み切れないものほど、混合物としてまとめて計量するか、分別して素材ごとの単価を付けるかで扱いが分かれ、業者間で金額差が出やすくなります。同じ状態のまま2〜3社に見てもらい、単価だけでなく「どこまで分別して計量してくれるか」を並べて比べると判断しやすくなります。おおよその相場を先に知りたい場合は福岡のスクラップ相場一覧を、ステンレスの単価が気になる場合はステンレスの買取価格の目安もあわせてご覧ください。

見分けた後の「価値の目安」(kg単価)

素材が分かると、おおよその価値の順番も見えてきます。高い順に銅 → 砲金・真鍮 → ステンレス → アルミ → 鉄(ベース)というのが一般的な傾向です。kg単価の目安は、銅が約1,900〜2,100円、真鍮が約1,050〜1,200円、アルミが約150〜500円、ステンレス(SUS)が約150〜190円、鉄が約40〜55円(いずれも円/kg・2026年時点の目安で、買取保証ではありません)。非鉄はLME(ロンドン金属取引所)相場、鉄は国内鋼材相場に日々連動して変動するため、確定額は現地での計量と当日の相場で決まります。数値はあくまで判断の目安として扱ってください。

素材別 kg単価の目安(2026年時点・円/kg・買取保証ではない)
金属 kg単価の目安 価値の傾向
約1,900〜2,100円 高い
真鍮(黄銅) 約1,050〜1,200円 やや高い
砲金(青銅) 真鍮と近い〜やや上 やや高い
ステンレス(SUS) 約150〜190円
アルミ 約150〜500円 中〜やや低
約40〜55円 ベース

相場は毎日動くため、ここでは具体的な確定額を断定しません。正確な金額は現地計量と当日相場で確定します。金額差が気になる量を持っている場合は、同じ品目・同じ状態で複数社の単価を比べるのが確実です。

よくある質問

Q. 磁石に付かないのに銀色です。アルミですか、ステンレスですか?
A. 同じ大きさで持ち比べてください。明らかに軽ければアルミ(比重約2.7)、ずっしり重ければステンレス(比重約8.0)です。重さが約3倍違うので、手に持てばほぼ区別できます。
Q. ステンレスなのに磁石に付きます。なぜですか?
A. ステンレスにはSUS430のように磁石に付く種類があります。銀色で強く付く場合は鉄かSUS430です。両者は火花の出方(鉄は赤い火花が多く枝分かれ)や錆びにくさで見分けます。
Q. 真鍮と金(ゴールド)を間違えることはありますか?
A. 色は似ますが、金は非常に重く(比重19以上)柔らかく、変色しません。真鍮は使ううちにくすみ、緑がかったサビが出ることがあります。重さと変色の有無で区別できます。ただし金の真贋は専門の鑑定が必要です。
Q. 道具が磁石しかなくても見分けられますか?
A. はい。磁石(鉄かどうか)+色(赤茶=銅/黄金=真鍮系/銀=ステンレス・アルミ)+手の感覚(軽い=アルミ)の3つで、家庭の不用品なら大半は判別できます。
Q. 見分けと分別(分けて売る)は何が違いますか?
A. 見分けは「これが何の金属か」を判別すること、分別は混ざった素材を種類ごとに分けて売れる形にすることです。分ける手順は金属の分別方法で解説しています。
Q. 自分で見分けられないものはどうすればいいですか?
A. 無理に削ったり分解したりせず、そのままの状態でスクラップを扱う業者に見てもらうのが確実です。素材が混ざった製品(モーター・配線・複合部品など)は、業者側で分別・計量したうえで評価するのが一般的で、自分で分解するより結果的に損をしにくくなります。

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