金属スクラップの分別方法【2026年最新】鉄・銅・アルミ・ステンレスを正確に仕分ける手順





金属スクラップを高く売るために最も重要な作業が「分別」だ。鉄・銅・アルミ・ステンレスが混在した状態で持ち込むと、最も低単価の鉄として一括査定されるケースがある。逆に金属の種類ごとに正確に分けて持ち込めば、非鉄金属(銅・アルミ等)は鉄の5〜30倍の単価になることもある。本記事では分別が重要な理由から5ステップの手順、金属別の仕分けポイント、必要な道具、よくある質問まで網羅して解説する。

金属スクラップの分別とは、鉄・銅・アルミニウム・ステンレスなど種類の異なる金属を個別に仕分ける作業である。スクラップ業者はリサイクル工場へ引き渡す際に金属の純度を重視するため、混合状態の持ち込みは買取単価が大幅に下がる要因となる。2026年4月時点の市場価格では、銅は1kgあたり約1,000〜1,200円、アルミは約110〜140円であるのに対し、鉄スクラップは約30〜50円と大きな差がある。正確な分別を行うことで買取総額が数倍に増えることも珍しくない。

結論:金属分別は磁石1個でほぼ半分が決まる鉄系(磁石付く)と非鉄系(磁石付かない)に大別→非鉄系は色+重量で4区分。基本6種の分別で買取単価が大幅アップ。
金属分別 基本6種+判別法
分別区分 判別法 買取単価帯 主な由来
1. 鉄 磁石が強く付く 10〜30円/kg 建材・自転車・家電外装
2. ステンレス 銀色光沢・磁石付かない(or弱く) 180〜220円/kg シンク・サッシ縁・調理器
3. 銅 赤茶色・磁石付かない 1,000〜1,400円/kg 給湯器銅管・電線
4. 真鍮 金色・磁石付かない 700〜850円/kg 水道蛇口・装飾金物
5. アルミ 白銀色・軽い・磁石付かない 120〜250円/kg サッシ・ホイール・缶
6. 亜鉛 青みがかった銀色・もろい 180〜220円/kg ダイカスト製品
分別の効果(持込前後の単価差)
状態 kg単価目安 差額
未分別「ミックス金属」 10〜30円/kg 基準
鉄系のみ抽出 20〜30円/kg +0〜10円
非鉄を分離(銅・真鍮・アルミ) 各品目単価 +100〜1,000円
非鉄をさらに種類別分離 純度高単価 +200〜400円
銅線の被覆を剥く 1号銅単価 +400〜700円/kg

※ 自宅でできる簡易分別の道具・ステンレスはSUS304/430見分け・大量分別に役立つ機械の選び方は以下で詳しく解説します。

分別が重要な理由 — 混合 vs 分別の単価差

スクラップ業者が混合金属を低単価で買い取る背景には、再資源化の工程がある。鉄と銅が混在していると、溶解時に不純物として品質が低下し、後工程の精製コストが増加する。そのため業者は混合品には最も低い素材(多くは鉄)の単価を適用するか、分別作業費を差し引いた価格を提示する。具体的には、銅配線が束になった状態で鉄パイプに結束されている場合、全体が鉄単価(1kg約30〜50円)で扱われるケースがある。銅を分離するだけで1kgあたり950〜1,150円の差額が生まれる計算だ。

持ち込み状態 鉄(1kgあたり) 銅(1kgあたり) アルミ(1kgあたり) ステンレス(1kgあたり)
混合状態 30〜50円(全体に鉄単価適用) 30〜50円(鉄単価) 30〜50円(鉄単価) 30〜50円(鉄単価)
種類別に分別済み 30〜50円 1,000〜1,200円 110〜140円 100〜180円
差額(1kgあたり) 0円 +950〜1,150円 +60〜90円 +50〜130円

※上表は2026年4月時点の目安価格。相場は日々変動するため、最新の買取単価は金属スクラップの相場・買取価格一覧を参照。

単純計算で、銅10kgをアルミや鉄と混合したまま持ち込むと買取額は約400円(全体40円/kg×10kg)。同じ銅10kgを分別して持ち込めば約11,000円(1,100円/kg×10kg)になる。作業時間は30分程度でも1万円以上の差が生じる可能性がある。

5ステップの分別手順

金属スクラップの分別は「磁石テスト→色の確認→重さの確認→音のテスト→種類別収納」の5ステップで効率よく行える。最初の磁石テストで鉄系と非鉄系に大きく二分でき、その後の作業が格段に楽になる。全ステップを通じて安全のため革手袋・安全靴・保護眼鏡を着用することを推奨する。切断面や錆が鋭く、素手での作業は手の傷や感染リスクがある。専門的な判断が必要な場合は最寄りのスクラップ業者に持ち込んで確認を依頼するのも一つの方法だ。

1

磁石テスト — 鉄系と非鉄系を分ける

ネオジム磁石(強力磁石)を金属に近づけ、引き付けられるかどうかを確認する。強く引き付けられる場合は鉄・鋼・鋳鉄などの鉄系金属。まったく反応しない場合は銅・アルミ・ステンレス304・真鍮などの非鉄金属に分類できる。ステンレスの一部(SUS430系)は弱い磁性を持つため、次のステップで色確認が必要になる。

2

色の確認 — 銅・アルミ・真鍮を区別する

非鉄金属は色によって種類を絞り込める。赤みがかった橙色は銅、銀白色で軽いのはアルミ、黄金色はアルミ合金または真鍮、鈍い銀色で重いのはステンレスや鉛の可能性がある。ただし塗装や酸化被膜で本来の色が隠れているケースがあるため、断面や削り面の色も確認すること。

3

重さの確認 — 比重で金属を識別する

同じ体積でも金属の種類によって重さが大きく異なる。アルミは非常に軽く(比重2.7)、同サイズの鉄(比重7.87)の約3分の1の重さしかない。銅(比重8.96)や鉛(比重11.3)は手にずしりとした重みを感じる。軽すぎるが磁石に反応しない場合はアルミ、赤みがあって重い場合は銅と判断できる。

4

音のテスト — 叩いて響きを確認する

金属を木槌や別の金属で軽く叩いたときの音で種類を絞り込める。アルミは「カン」という高くて軽い音、鉄は「キン」という金属音、鋳鉄は「ゴン」という低く鈍い音、銅は「ポン」という柔らかめの音が特徴。ステンレスは鉄に近い高い音だが、比較すると澄んだ響きが長く続く傾向がある。

5

種類別に収納 — コンテナや袋で分類管理する

識別した金属を種類ごとに別のコンテナや袋に入れる。鉄・銅・アルミ・ステンレスの4種を最低限分けるのが基本。さらに銅は被覆電線(電線)と裸銅に分けると単価が上がる。被覆電線は銅線の周囲にビニール被覆がある状態で、1kgあたり300〜600円程度。裸銅(被覆なし)は1kg約1,000〜1,200円で買取される。

金属別の仕分けポイント

金属スクラップの仕分けで特に間違えやすいのは、メッキや塗装が施された金属、複合部品(異種金属の接合)、ステンレスと鉄の混同の3パターンである。亜鉛メッキ鋼(ガルバリウム鋼板等)は表面が銀白色だが磁石に付くため鉄として扱う。アルマイト処理されたアルミは表面が暗灰色でも軽さからアルミと判別できる。真鍮メッキの鉄部品は黄金色に見えるが磁石テストで鉄と判明する。以下のテーブルで各金属の主な仕分けポイントをまとめた。

金属種類 外観の特徴 磁石への反応 比重(g/cm3) よくある形状・出所 注意点
鉄・鋼 灰色〜銀色。錆びると赤茶色 強く反応 7.87 建材・パイプ・ボルト・自動車フレーム 亜鉛メッキ・錫メッキ品も鉄扱い
鋳鉄 暗灰色、表面が粗い 強く反応 7.2 エンジンブロック・マンホール蓋・鍋 鉄より単価が低い場合あり
赤みがかった橙色。酸化すると緑青 反応なし 8.96 電線・配管・モーターコイル・端子 被覆電線と裸銅で単価が大きく異なる
真鍮 黄金色(銅+亜鉛の合金) 反応なし 8.5 水道バルブ・楽器・装飾金具 銅より単価が低い。分けて持ち込む
アルミ 銀白色、軽い 反応なし 2.7 サッシ・アルミ缶・エンジン部品・ホイール アルミ合金はホイール等で高単価になる場合も
ステンレス(SUS304) 鈍い銀色、光沢あり 反応なし〜弱反応 7.93 厨房器具・配管・シンク・建材 SUS430は弱く磁石に反応する場合あり
亜鉛(ダイカスト) 青みがかった灰色 反応なし 7.13 ドアノブ・玩具部品・自動車部品 アルミと混同しやすいが重い
青みがかった灰色、表面が白く曇る 反応なし 11.3 バッテリー・建材・ウェイト 有害物質含有のため取扱い注意

分別に必要な道具

金属スクラップの分別を安全かつ効率よく行うには、適切な道具を揃えることが重要だ。最低限必要なのは「強力磁石・革手袋・保護眼鏡・コンテナ(金属種類ごと)」の4点で、合計費用は3,000〜5,000円程度で準備できる。磁石はホームセンターで入手できるネオジム磁石(直径20〜30mm)が最適で、100円ショップの磁石では弱磁性のステンレスとの判別が難しい。多量のスクラップを扱う場合はグラインダーで切断面を出して色確認する方法も有効だ。

道具 用途 目安費用 入手場所 優先度
ネオジム磁石(直径20〜30mm) 鉄系・非鉄系の判別(磁石テスト) 300〜1,000円 ホームセンター・EC 必須
革手袋(厚手) 切断面・錆による手の保護 500〜2,000円 ホームセンター 必須
保護眼鏡 金属粉・錆の飛散から目を守る 500〜1,500円 ホームセンター 必須
金属製コンテナ(種類別) 分別後の金属を種類ごとに保管 1,000〜3,000円×個数 ホームセンター 推奨
台秤(デジタル秤) 重さテストと持込前の重量確認 3,000〜10,000円 ホームセンター・EC 推奨
ハンマー(木槌) 叩いた音で金属種類を確認する音テスト 500〜1,500円 ホームセンター 任意
グラインダー(ディスクグラインダー) 塗装・メッキを削って素地の色を確認 3,000〜15,000円 ホームセンター 大量処理時に推奨
安全靴 重い金属の落下による足の保護 3,000〜8,000円 ホームセンター・作業服店 大量作業時に必須

分別後の持ち込みで気をつけること

分別が完了したスクラップをスクラップ業者に持ち込む際は、種類ごとに分けた状態を維持し、業者の計量場で混ざらないよう注意する必要がある。持ち込み前に事前電話で受入可否を確認すること、特にバッテリーや蛍光灯など特別な廃棄物が含まれる場合は法的な処理手続きが別途必要になる。個人の持ち込みでも買取対応している業者は多いが、身分証明書(運転免許証等)の提示と買取台帳への記帳が古物営業法上の義務となっている。詳しくは個人のスクラップ持ち込みガイドを参照してほしい。

分別の精度が上がるほど、業者も査定の手間が省けるため好感を持って対応してもらいやすい。常連になると、現行相場より若干高めの単価で取引してもらえるケースもある。金属の見分け方の詳細解説も合わせて参照すると、分別スキルをさらに高められる。

よくある質問

鉄とステンレスを見分けるにはどうすればいいですか?

最も確実な方法はネオジム磁石テストだ。鉄(軟鋼・鋳鉄)は磁石に強く付くが、ステンレスSUS304は磁石に反応しない。ただしステンレスSUS430は弱い磁性を持つため磁石でも付くことがある。その場合は色・重さで判断する。ステンレスは鉄より光沢があり、錆びにくいため長期間使用された部品でも表面が比較的きれいだ。切断面を見ると鉄は灰色でざらつき、ステンレスは銀色で均一な光沢がある。

アルミと亜鉛(ダイカスト)の区別はどうすれば分かりますか?

どちらも磁石に反応せず、初心者が混同しやすい組み合わせだ。最大の違いは重さで、アルミ(比重2.7)は非常に軽く、亜鉛(比重7.13)は同体積比でアルミの約2.6倍の重さがある。手に持って「軽い」と感じればアルミ、「意外と重い」と感じれば亜鉛の可能性が高い。色も若干異なり、アルミは銀白色、亜鉛は青みがかった灰色だ。ドアノブや玩具部品などの精密鋳造品は亜鉛ダイカストが多い。

被覆電線(電線)は剥がして持ち込んだほうがいいですか?

剥がせる場合は剥がして持ち込むほうが単価が上がる。被覆電線(被覆付き)は1kgあたり300〜600円程度だが、裸銅(被覆なし)は1,000〜1,200円程度で取引される。ただし被覆剥きには時間がかかるため、細い電線(0.5mm以下)は時間対効果が低くなることが多い。太い電線(直径5mm以上の単芯線など)は剥がすのが容易で効果が大きい。業者によっては被覆電線でも高単価で買い取る場合があるため、事前に確認することを勧める。

家電製品(エアコン・洗濯機など)は分解して金属を分別すべきですか?

家電製品は家電リサイクル法の対象品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)と対象外で取り扱いが異なる。対象4品目は原則として家電量販店や製造業者に引き渡す必要があり、無許可での解体・スクラップへの転用は違法になる場合がある。対象外の小型家電はスクラップ業者への持ち込みが可能だが、フロン類を含む機器(エアコン・冷蔵庫)は事前のフロン回収が義務付けられている。不明な場合はスクラップ業者に事前確認することを強く推奨する。

銅と真鍮はどう見分けますか?単価に差がありますか?

色が最大の判断材料だ。銅は赤みのある橙色(いわゆる「銅色」)、真鍮は黄色みが強い黄金色をしている。真鍮は銅(Cu)と亜鉛(Zn)の合金で、亜鉛の割合が高いほど黄色味が強くなる。単価は銅のほうが高く、2026年4月時点では銅1kgあたり1,000〜1,200円、真鍮は600〜900円程度の差がある。混在して持ち込むと真鍮単価で買い取られることがあるため、必ず分けて持ち込むのが正解だ。

まとめ

金属スクラップの分別は、磁石テスト・色確認・重さ確認・音テスト・種類別収納の5ステップで進める。適切な分別を行うことで、混合状態の持ち込みと比べて買取総額が数倍になるケースも十分にある。特に銅とアルミは鉄との単価差が大きく、分別の効果が最も高い金属だ。

必要な道具はネオジム磁石・革手袋・保護眼鏡・コンテナの4点で、合計3,000〜5,000円で揃えられる。安全な作業環境を整えた上で分別を行い、種類別に収納してスクラップ業者に持ち込もう。

スクラップ買取のトップページでは、各金属の最新相場や持ち込み方法を随時更新している。分からないことがあれば、古物マイスターのお問い合わせフォームからご相談いただければ、スクラップ分別に関するアドバイスをお伝えする。

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