古物商許可の申請先は、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)です。許可を出すのは都道府県公安委員会ですが、申請書は公安委員会へ直接持ち込むのではなく、管轄警察署の窓口を経由して提出します。福岡県内なら、営業所のある区・市町を受け持つ警察署が申請先。手数料は19,000円、許可までの標準処理期間は40日間です(出典:福岡県警察)。この記事では、福岡で開業する人がどの署に行けばよいか、何を持って行けばよいかを、申請窓口に特化して整理します。
「メルカリやヤフオクで仕入れ転売を始めたい」「リサイクルショップを開きたい」――そう思って調べ始めると、まず引っかかるのが「申請先はどこなのか」という一点です。県庁なのか、警察なのか、公安委員会なのか。ここを取り違えると無駄足になります。結論から言えば、行く先は『営業所を管轄する警察署』、相手は『生活安全課(防犯係)』。この一点さえ押さえれば、申請先で迷うことはありません。
申請先は「公安委員会」、でも行くのは「警察署」
古物営業法は「公安委員会の許可を受けなければならない」(第3条)と定めるため、「県庁や公安委員会に行くのか」と考える人が多いですが、実際に書類を出すのは営業所を管轄する警察署です。福岡県警察も「営業所の所在地を管轄する警察署の防犯係が窓口です」と明記しています。公安委員会は許可・不許可を判断する機関で、申請書は警察署を経由して届く、という関係です。
| 役割 | どこか | あなたがすること |
|---|---|---|
| 申請書を出す窓口 | 営業所の管轄警察署 生活安全課(防犯係) | 電話で予約し、書類を持参する |
| 許可を出す機関 | 福岡県公安委員会 | 直接行く必要はない(警察署経由) |
「福岡県公安委員会あての申請書を、管轄警察署の窓口に出す」とイメージすると正確です。窓口の課名は署によって「生活安全課」「防犯係」「保安係」などと表記が分かれますが、電話で「古物商許可の担当」と伝えれば通じます。
福岡県内:自分の管轄警察署を特定する
申請先は営業所の住所で決まります。自宅やテナントの「最寄り署」ではなく、営業所の所在地を受け持つ署が窓口です(最寄り=管轄とは限りません)。福岡県内には福岡中央・博多・東・南・早良・西・城南など多数の警察署があり、同じ福岡市内でも区によって管轄署が分かれます。次の3ステップで確実に特定できます。
- 福岡県警の「警察署一覧」で当たりをつける
福岡県警察の公式サイトに署の一覧と管轄区域の案内があります。営業所のある市区町村から該当署を探します。 - 営業所の住所(町名・丁目)まで照合する
市区が同じでも、町名・丁目で管轄署が分かれることがあります。番地まで合わせて確認してください。 - その署の生活安全課(防犯係)へ電話で予約する
「古物商許可を申請したい」と伝え、提出日時を予約します(後述の理由で予約はほぼ必須です)。
※福岡市は7区あり、区=管轄署が1対1とは限りません。たとえば中央区・博多区・東区などはそれぞれ別の署が受け持ちます。住所での確認を省かないでください。
営業所が複数・他県にもあるとき(一括申請)
2020年4月の法改正で、営業所が何か所あっても申請は1回にまとめられるようになりました。福岡県警察も提出先を「主たる営業所・古物市場を管轄する警察署」と案内しています。複数県にまたがる場合でも、主たる営業所を管轄する公安委員会の許可ひとつで全国の営業所をカバーできます。どこを「主たる営業所」にするかは自分で決められます。
| あなたの状況 | 申請先 | 他の営業所は |
|---|---|---|
| 営業所が1か所 | その営業所の管轄警察署 | ― |
| 同じ県内に複数 | 主たる営業所の管轄警察署に一括申請 | 申請書に併記する |
| 複数の都道府県にまたがる | 主たる営業所の管轄警察署に一括申請 | 他県分も同時に申請できる |
かつては営業所のある都道府県ごとに許可が必要でしたが、現在は主たる営業所を管轄する公安委員会の許可ひとつで全国に展開できます。福岡を拠点にしつつ他県へ広げる予定があるなら、この一括申請の枠組みを前提に「主たる営業所」を決めておくと手続きが一度で済みます。
申請に必要なもの(個人・法人)
福岡県警察の様式では、許可申請書(別記様式第1号)・誓約書(個人用/法人役員用/管理者用)・略歴書・添付書類一覧表などが案内されています。これに加え、本籍地の市区町村が発行する書類などが個別に必要です。窓口に行く前に欠けがないか確認してください。1点でも不足すると受理されず、出直しになります。
| 書類 | 個人で申請 | 法人で申請 |
|---|---|---|
| 許可申請書(別記様式第1号) | 本人 | 法人として |
| 住民票の写し(本籍記載・マイナンバー記載なし) | 本人+管理者 | 役員全員+管理者 |
| 身分証明書(本籍地の市区町村が発行) | 本人+管理者 | 役員全員+管理者 |
| 略歴書(最近5年分) | 本人+管理者 | 役員全員+管理者 |
| 誓約書 | 本人+管理者 | 役員全員+管理者 |
| 定款・登記事項証明書 | 不要 | 必要 |
| URLの使用権限を疎明する資料 | ネット取引(自社サイト等)をする場合のみ | |
※ここでの「身分証明書」は運転免許証ではなく、本籍地の市区町村が発行する公的書類(成年被後見人等でない旨の証明)です。免許証と混同しやすいので注意してください。
※必要書類や様式の細部は署・状況で異なることがあります。予約の電話で「自分のケースで必要な書類」を必ず確認してください。最新の様式と添付書類一覧は福岡県警察のページで配布されています。
手数料と許可までの期間
手数料は19,000円(古物営業法施行令で全国一律に定められた額)で、申請時に窓口で納めます。許可までの標準処理期間は40日間――これは福岡県警察が「申請を受け付けてから処分(許可・不許可)をするまでに要すべき標準的な期間は40日間」と公表している日数で、土日祝を含みません。不許可や取下げでも手数料は返ってきません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 19,000円(全国一律・申請時に窓口で納付) |
| 返還 | 不許可・取下げでも返金されない |
| 標準処理期間 | 土日祝を除き約40日(書類不備があると延びる/出典:福岡県警察) |
| 更新 | 不要(取り消されない限り有効) |
なぜ「予約してから行く」必要があるのか
古物商の申請は、飛び込みでは受理されないことがほとんどです。担当者の不在、書類1点の不足で出直しになるためで、事前に電話相談すれば自分のケースに必要な書類を教えてもらえます。福岡県内の各署とも、まず生活安全課(防犯係)への電話予約から始めるのが二度手間を防ぐ現実的な流れです。
- 担当者(生活安全課)が不在だと、その場で受理してもらえないことがある。
- 書類が1点でも欠けると受理されず、揃え直して再訪問になる。
- 事前に電話で相談すれば、自分のケースで必要な書類を確認できる=二度手間を防げる。
段取りよく進める現実的な流れは次の通りです。
- 事前相談(電話) ― 管轄署を特定し、必要書類とアポイントを取る。
- 本申請(来署) ― 書類一式と手数料19,000円を持参して提出する。
- 許可証の受け取り ― 約40日後、連絡を受けて引き取る。
営業開始日が決まっているなら、遅くとも開業の2〜3か月前には事前相談に動くのが安全です。住民票・身分証明書・登記事項証明書の取り寄せにも日数がかかるためです。
許可を取った後に課される義務
申請先と並んで知っておきたいのが、許可後に課される義務です。これを知らずに申請して戸惑う人が多い論点で、特にネット取引をする場合は許可証番号などをサイトに表示する義務が生じます。先に把握しておくと、申請時の相談もスムーズです。
- 取引相手の確認義務 ― 古物を買い取る際、相手の住所・氏名・職業・年齢などの確認が必要。
- ネット取引の表示義務 ― 自社サイトで取引する場合、「許可した公安委員会名・許可証番号・氏名(名称)」をサイトに掲載する義務がある。
- 変更時の届出 ― 営業所・管理者・氏名などが変わったら、定められた期限内に届出が必要。
よくある質問
- Q. 公安委員会に直接行ってはいけないの?
- A. 公安委員会に申請窓口はありません。申請は営業所を管轄する警察署を経由して行い、生活安全課(防犯係)が受付窓口です。
- Q. 福岡市内に住んでいますが、最寄りの警察署で申請できますか?
- A. 距離ではなく、営業所の住所を管轄する署が申請先です。福岡市は区によって管轄署が分かれるため、営業所の住所で管轄を確認してください。
- Q. 住んでいる場所と店の場所が違う。どちらの管轄?
- A. 申請先を決めるのは「営業所(店舗・事務所)」の住所です。自宅の管轄ではありません。自宅を営業所にする場合は、自宅を管轄する署になります。
- Q. 手数料はカードで払える?返ってくる?
- A. 原則として窓口で現金納付(19,000円)です。不許可や取下げでも返金されません。
- Q. どのくらい前から準備すればいい?
- A. 許可まで約40日かかるうえ、住民票・身分証明書などの取り寄せにも日数が要ります。開業の2〜3か月前から動くのが安全です。
出典・参考(公式情報)
※手数料・期間・必要書類は法令と福岡県警察の運用に基づく一般的な内容です(◯2026年6月時点)。細部は申請先の警察署で必ずご確認ください。