鉄骨解体とスクラップ価値【2026年最新】解体費用・鉄の重量計算・買取で相殺する方法




鉄骨造の建物を解体すると、坪あたり数万円の解体費用が発生する一方で、柱・梁・ブレース等のH鋼や鋼材は鉄スクラップとして有価で買取される仕組みがあります。鉄骨解体のコストを抑える鍵は、解体費用と鉄スクラップ買取額の収支を全体設計し、有価物として売却するか産業廃棄物として処分するかを切り分けること。本ページでは鉄骨スクラップの種類と価値、建物種類別の鉄骨重量目安、坪単価の費用相場、買取で相殺する方法、建設リサイクル法、価格推移、受入基準、解体〜買取フロー、福岡県内対応エリアを古物商許可業者の視点で整理します。

結論:鉄骨造の解体は、解体費用が発生する一方で柱・梁・H鋼・ブレース等の鋼材は鉄スクラップとして買取対象になり、解体費用の一部または相当部分を鉄スクラップ売却で相殺できます。判断のキモは①鉄骨重量の概算(延床×建物種別係数)、②鉄スクラップ単価×重量、③解体業者経由か直接買取か、④建設リサイクル法の届出対象かの4点で、最短は①解体見積取得→②鉄骨重量概算→③スクラップ買取見積→④収支判断→⑤契約・解体・搬出の5段階です。

※ 2026年5月時点の制度・実務に基づきます(最終確認: 2026-05-22)。法令は環境省 各種リサイクル法国土交通省を確認。編集方針は運営者情報を参照ください。

目次

鉄骨解体で発生するスクラップの種類と価値

鉄骨造(S造)・重量鉄骨造・軽量鉄骨造の解体では構造部材から付帯設備まで多様な金属が発生し、「有価物(買取される金属)」と「産業廃棄物(処分費用がかかる廃材)」に分かれます。鉄スクラップの分類は日本鉄リサイクル工業会の規格を基準に商流が成立しています。

表1:鉄骨解体で発生する主な金属スクラップと価値傾向
分類 具体例(鉄骨建物の発生源) 2026年5月 概算単価 価値傾向
新断(しんだん) 未使用に近い切り端材・建築現場端材 50〜65円/kg 最高ランク・需要安定
HS(ヘビースクラップ) H鋼・I鋼・C型鋼・アングル・柱/梁本体 40〜55円/kg 解体現場の主役・需要高
H1/H2(ヘビー1・2) 厚み6mm以上の鋼材・切断済鋼材 35〜50円/kg 取扱量が多い基幹品目
新切(しんぎり) 新断より厚みやサイズが小さい鋼材 40〜55円/kg 製鉄向け原料として安定
雑品(ザツ) 薄板・サッシ枠・配線金物・小物鋼材ミックス 15〜30円/kg 選別前の混合鋼材
鉄粉・鉄屑(薄物) 外装トタン・薄鋼板・カバー類 10〜25円/kg 低ランクだが量が出る
銅(電線・配管) 動力盤・配電盤・空調銅管・電線 800〜1,300円/kg 高単価・盗難リスク管理必須
アルミ(サッシ・建具) アルミサッシ・カーテンウォール・外装パネル 180〜280円/kg 純度別に分けると上振れ
ステンレス(厨房・設備) 厨房機器・配管・タンク類 120〜260円/kg SUS304と430で大きく単価差

単価は市況・地域・業者・量・選別精度で変動。相場感は鉄の相場、品目別単価は鉄の買取価格、金属比較は金属スクラップ買取価格・相場を参照。H鋼・柱・梁は「HS」「H1」として取引されるのが一般的で、解体現場の鋼材の中心です。

「有価物」と「産業廃棄物」の境目

有価物産業廃棄物かは市況と汚れの程度で揺れます。市況暴落時やコンクリート付着・塗装付き・断熱材付きで処理コストがかさむ鋼材は産廃扱いになることも。判断基準は有価物と産業廃棄物の違いで整理しています。

建物種類別の鉄骨重量テーブル(延床面積から逆算)

解体前に重要なのが「何トンの鉄が出るか」の概算。延床×建物種別係数で±20〜30%精度で見積もれ、収支シミュレーションに直結します。

表2:建物種別 鉄骨使用量の目安(延床面積1平米あたり)
建物種別 鉄骨使用量(目安) 延床100平米の鉄骨重量 備考
軽量鉄骨造(住宅・小規模店舗) 30〜60kg/㎡ 3〜6トン 外装パネル・サッシも含む
重量鉄骨造(中規模事務所・店舗) 80〜130kg/㎡ 8〜13トン H鋼柱・梁が中心
鉄骨造倉庫・工場(平屋) 50〜90kg/㎡ 5〜9トン 大スパン構造・梁が長い
鉄骨造倉庫・工場(2層以上) 100〜160kg/㎡ 10〜16トン 柱断面大・床梁多い
S造マンション(4〜5階建) 120〜180kg/㎡ 12〜18トン 耐震要件で鋼材量大
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート) 80〜120kg/㎡(鉄骨のみ) 8〜12トン 別途RC鉄筋が10〜15トン
プレハブ倉庫(簡易構造) 15〜30kg/㎡ 1.5〜3トン 薄物中心・単価低め

概算重量からの試算例

延床300㎡の重量鉄骨2階建事務所の場合:

  • 鉄骨重量概算:300㎡ × 100kg/㎡ = 約30トン
  • HS(H鋼・梁・柱)80% ≒ 24トン × 45円/kg = 約108万円
  • 雑品・薄物 20% ≒ 6トン × 20円/kg = 約12万円
  • 銅・アルミ・ステン等の付帯設備別途数十万円規模
  • 売却額概算合計 ≒ 120万円+付帯設備

前提次第で変動するため現地確認・実重量計量に基づく見積を。業者選定は近くの鉄くず買取業者の探し方スクラップ業者の選び方参照。

解体費用の相場(2026年・坪単価)

鉄骨解体費用は構造・階数・立地・付帯工事で変動。アスベスト調査・除去義務化と人件費上昇で坪単価は2020年代前半より上昇傾向。2026年5月時点の福岡都市圏・全国一般水準は次の通り。

表3:構造別 解体費用 坪単価相場(2026年5月時点)
構造種別 坪単価相場 30坪の場合 備考
木造 3.5〜5.5万円/坪 105〜165万円 比較用
軽量鉄骨造(住宅規模) 4.5〜7万円/坪 135〜210万円 鉄骨売却で相殺余地小
重量鉄骨造(事務所・店舗) 5.5〜9万円/坪 165〜270万円 鉄骨売却で相殺効果大
RC造(鉄筋コンクリート) 6〜10万円/坪 180〜300万円 解体費用が割高
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート) 8〜13万円/坪 240〜390万円 最も解体費用が高い構造
工場・倉庫(鉄骨平屋) 4〜7万円/坪 240〜420万円(60坪換算) 大スパンは費用が下がる

解体費用に含まれる主な項目と上ぶれ要素

  • 本体工事費:足場・養生・重機回送・人件費
  • 廃材処分費:コンクリート殻・木くず・石膏ボード・断熱材・混合廃材
  • 付帯工事費:外構撤去・樹木伐採・浄化槽撤去・ブロック塀解体
  • 事前調査・届出費用:アスベスト分析・建設リサイクル法届出・道路使用許可

上ぶれ要素は立地・地下構造・アスベスト・PCB等の有害物質・残置物処分。複数業者で項目別の内訳を必ず確認。相殺額を切り出すには見積に「金属類有価物の所有権」が明記されている必要があります。

スクラップ買取で解体費用を相殺する方法

鉄骨解体で最も収支インパクトが大きいのがこの章。「鉄骨スクラップを誰が売却するか」「売却益が誰のものになるか」の契約設計次第で、施主の実質負担額が数十万円〜百万円単位で変わります。

表4:鉄骨スクラップ売却の3つの契約パターン
パターン 仕組み 施主のメリット 施主のデメリット
A. 解体業者が一括引取(売却益込み) 解体費用に売却益分が織込済 手続きが楽・1本契約 スクラップ単価が見えない
B. 解体業者経由でスクラップ業者に売却 解体業者が仲介し計量・売却 業者ネットワーク活用・楽 中間マージン発生
C. 施主が直接スクラップ業者に売却 解体は撤去のみ・搬出は施主手配 売却額を直接受領・最大化 計量・運搬・契約を自分で管理

パターン別の収支シミュレーション

前章の延床300㎡・重量鉄骨2階建事務所(解体費用約220万円・鉄スクラップ約120万円)の例:

  • パターンA:見積220万円が「売却益込み」なら実質負担220万円。手続き最少だが透明性低。
  • パターンB:解体260万円−売却益120万円=実質140万円。手取り増・契約2本。
  • パターンC:解体260万円−売却益150万円=実質110万円。最大手取り・運用負荷高。

パターンBとCは多くの場合で手取りを増やしますが、計量・運搬・搬出スケジュール管理の工数が発生。解体規模・管理リソース・解体業者との関係で最適解は変わります。施主直接売却は鉄くずを個人で売る方法鉄くずの持ち込み方法を参照。

解体業者選定時に必ず確認する4項目

  • ①スクラップの所有権:見積に「金属類有価物は誰のものか」明記
  • ②売却益精算方法:相殺方式か別途振込か・計量証明書発行の有無
  • ③計量場所:現場目視か業者ヤード実測か
  • ④マニフェスト:有価物分は不要・産廃分のみ発行されるかの確認

計量証明書・マニフェストは産業廃棄物マニフェストの書き方、持込前準備はスクラップ屋に初めて行く人へを参照。

鉄骨解体と建設リサイクル法

鉄骨解体は規模により「建設リサイクル法」の対象で、施主・解体業者双方に届出・分別解体義務があり違反は罰則対象。有価物として売却できるかは、同法と廃棄物処理法の運用に直結します。

表5:建設リサイクル法の対象工事規模
工事種別 対象規模 主な義務
建築物の解体工事 床面積80㎡以上 分別解体・再資源化・事前届出
建築物の新築・増築工事 床面積500㎡以上 同上
建築物の修繕・模様替え(リフォーム) 請負代金1億円以上 同上
その他の工作物の解体・新築 請負代金500万円以上 同上

対象規模に該当する場合、工事着手7日前までに都道府県知事への事前届出が必要。届出主体は原則として施主(発注者)で、解体業者は契約時に施主へ説明し代行届出を行うのが一般的です。詳細は環境省 建設リサイクル法の概要国土交通省を参照してください。

鉄スクラップは「有価物」扱い/古物商許可との関係

建設リサイクル法の特定建設資材にはコンクリート・コンクリート及び鉄から成る建設資材・木材・アスファルトコンクリートの4品目が指定されています。鉄骨スクラップは「コンクリート及び鉄から成る建設資材」または独立した有価物として扱われ再資源化が義務付けられます。環境省 各種リサイクル法で全体像を確認できます。市場価格で取引される=有価物として認められる場合は産廃マニフェスト不要で、買取側に古物商許可または金属くず商・廃棄物処理業の許可が求められます。鉄骨は古物商の13品目のうち金属類に該当し、古物台帳への記録義務、売却益は古物商の確定申告または事業所得として税務処理が必要です。

鉄スクラップ価格の推移(2024-2026年)

鉄スクラップ価格は鋼材需要・電炉稼働率・輸出市況・為替の影響で月次変動。2024年〜2026年5月の動向から解体・売却タイミングの選び方が見えます。

表6:鉄スクラップ価格(HS級)の月次推移目安・2024年〜2026年5月
時期 HS級単価レンジ(円/kg) 主な背景
2024年前半 45〜55円 国内電炉需要安定・輸出は中国減速で抑制
2024年後半 40〜50円 建設需要鈍化・国内在庫増
2025年前半 38〜48円 春先に底打ち感・電炉再稼働で需要回復
2025年後半 45〜55円 輸出市況改善・東南アジア需要堅調
2026年1〜3月 48〜58円 建設・自動車向け鋼材需要強含み
2026年4〜5月 42〜55円 調整局面・国際市況の影響

上記は業界相場感の目安レンジで、地域・業者・量・選別精度により実単価は変動。最新市況は日本鉄リサイクル工業会 マーケット情報で月次・週次の動向を確認できます。

解体タイミングを「相場」で選ぶか「事業都合」で選ぶか

鉄スクラップ価格の上下は10円/kg程度動くことがあり、30トンの鉄骨があれば30万円程度の収支差になります。ただし解体はテナント退去・固定資産税起算日・後続工事の都合があり、相場だけで時期を選べないことが多いのが実態。タイミングが選べる場合は過去6ヶ月の価格推移を確認し、上昇局面で売却契約を確定するのが現実的です。時系列の追い方は鉄の相場を参照。

スクラップ受入基準・査定ポイント

鉄骨スクラップは現場排出時の状態で査定額が大きく変わります。同じ重量でも「HS級」と「雑品扱い」では単価が2倍以上違うことも。査定基準を解体業者・施主が把握することが売却額最大化の鍵です。

表7:鉄骨スクラップの受入グレード判定基準
判定項目 HS(高ランク)の基準 雑品・格下げ要因
厚み 6mm以上の鋼材 3mm未満は薄物・雑扱い
サイズ 長さ概ね1.5m以下・幅も電炉投入可 長物・大物は切断必要
付着物 コンクリート・モルタル付着なし コンクリート付着で大幅減
塗装 軽度の防錆塗装は許容 厚塗装・特殊塗料は減点
断熱材・配線 除去済み 付帯したままは雑品扱い
他金属混入 鉄単一 銅・アルミ・ステン混入で格下げ
サビ 表面サビは可 腐食孔・板厚減少は減点

査定額を上げる5つの工夫

  1. 鋼材を所定寸法に切断:1.2〜1.5mに統一すると電炉投入可で上位ランク
  2. コンクリート・モルタルを叩き落とす:大きな塊は事前にハツる
  3. 銅電線・アルミサッシを分別:高単価金属を分けて差額10〜30%
  4. 断熱材・配線を撤去:付帯物を残すと雑品に格下げ
  5. 計量証明のある業者を選ぶ:トラックスケール公認業者の方が信頼度高

分別ルールは金属の分別方法、大型施設の類似ケースは工場スクラップの処分を参照ください。

解体現場からスクラップ買取までのフロー

鉄骨解体〜スクラップ買取の標準フローを7ステップで整理。複数業者見積から売却益振込までの全体像です。

表8:鉄骨解体→スクラップ買取の標準フロー
STEP 内容 主体 所要日数目安
1 解体見積取得(複数社)・現地調査 施主/解体業者 1〜2週間
2 鉄骨重量概算・スクラップ売却見積 スクラップ業者 3〜7日
3 契約締結(解体/スクラップ別建てか一括) 施主 1日〜
4 建設リサイクル法届出・近隣説明・道路使用許可 解体業者 1〜2週間
5 解体工事・鉄骨切断・分別排出 解体業者 1〜4週間
6 スクラップ搬出・計量・売却額確定 スクラップ業者 解体期間中〜終了直後
7 売却益振込・産廃マニフェスト受領・整地 解体業者/スクラップ業者 解体完了後1〜2週間

計量・支払タイミング・契約書面化のポイント

計量は「現場計量(実車−空車)」と「業者ヤード計量(スケール実測)」の2方式。計量証明書の発行をリクエストし計量場所・立会者・写真を残してください。支払いは「搬出当日」「翌営業日振込」「月末締め翌月払い」など業者により異なり、額が大きい場合は契約書・振込スケジュールの書面化が必須です。

福岡県の鉄骨スクラップ買取エリア

福岡県は北部九州の中核として鉄スクラップ流通量が多く、北九州市・福岡市・久留米市を中心に電炉・スクラップ業者・解体業者のネットワークが整備されています。制度は福岡県 廃棄物・リサイクル福岡市 環境・ごみ・リサイクルを参照。

表9:福岡県内 鉄骨スクラップ対応エリア別特性
エリア 主な対応特性 関連内部リンク
北九州市・行橋市・京都郡 港湾・電炉立地・大ロット対応に強い 福岡のスクラップ買取ガイド
福岡市・春日市・大野城市・糟屋郡 都市圏。WEB査定→現地→搬出のスピード対応 福岡の不用品回収
久留米市・筑後地域 農業・倉庫・工場混在地域。中ロット対応
太宰府市・筑紫野市・那珂川市 ベッドタウン。住宅地の小ロット解体に慣れた業者
直方市・飯塚市・宗像市・古賀市・福津市 中規模都市。地場業者が中心

福岡県内のリサイクル施設・電炉立地

北九州市は鉄鋼業集積地で電炉・破砕施設・専門スクラップ業者が立地。大ロットは北九州ルートで搬出運賃・売却単価ともに有利になることも。搬出運賃と買取単価のトータルで業者選定すべきです。

解体業者とスクラップ業者の提携メリット

近年は解体業者とスクラップ買取業者の提携・直結ルートが増加し、施主・解体業者双方にメリットがあります。

表10:解体業者×スクラップ業者の提携メリット比較
主体 提携メリット 留意点
施主 窓口一本化・搬出スケジュール最適化・売却益が解体費に直接反映 売却単価の透明性を確認すること
解体業者 仲介マージン・搬出運賃の効率化・処分先確保 古物商許可など必要許可の確認
スクラップ業者 安定的な鉄骨スクラップ仕入・大ロット獲得 計量・現場対応力の維持
環境・社会 鉄資源リサイクル率向上・産廃排出削減 有価物/産廃区分の透明性

提携ルート利用時の施主側チェック項目

  • 売却単価の根拠:HS級・雑品・付帯金属単価が見積に明示されているか
  • 計量証明の発行:第三者計量機での実測か・証明書発行可否
  • 契約書面化:解体契約とスクラップ売却契約が別建てか一括か
  • 業者許可:解体業者の建設業許可・スクラップ業者の古物商許可または金属くず商許可

所有権・支払・税務は有価物と産業廃棄物の違い、業者選定基準はスクラップ業者の選び方を参照。

取材ノート — 当社対応実例

当社の福岡県内における鉄骨解体・スクラップ買取の実例を整理します。収支は規模・立地・市況で変動するため目安です。

取材ノート1:北九州市・倉庫解体(重量鉄骨平屋・延床400㎡)

2026年3月、北九州市内の事業主より「築35年鉄骨倉庫を解体して土地売却」とのご相談。延床400㎡・梁スパン12mで鉄骨約28トン。パターンB(解体業者経由のスクラップ別建売却)採用、HS級24トン+雑品4トンの分別で3割超を相殺。計量証明書を業者ヤード取得、マニフェストは混合廃材分のみ発行された事例です。

取材ノート2:福岡市・軽量鉄骨2階建店舗の解体

2026年2月、福岡市中央区の店舗オーナーより「閉店飲食店ビル(軽量鉄骨2階建・延床140㎡)」のご相談。鉄骨約7トン、厨房ステン・銅配管・アルミサッシなど付帯金属の比重が高いケース。解体業者経由で鉄+ステン・銅・アルミを分別売却。アスベスト除去費用が別途発生も相殺効果は事前試算を上回りました。

取材ノート3:久留米市・SRC造マンション解体の鉄骨分

2026年1月、久留米市の不動産事業者より「築40年SRC造5階建・延床1,200㎡」のご相談。鉄骨120トン・RC鉄筋160トンの大ロット案件で、解体業者と専門スクラップ業者の提携ルートで搬出計画を立て北九州エリア電炉向けルートを活用。大ロットは搬出運賃効率化と計量精度がポイントです。

取材ノート4:太宰府市・軽量鉄骨住宅の解体

2026年4月、太宰府市の戸建てオーナーより「築28年プレハブ軽量鉄骨住宅」のご相談。延床85㎡・鉄骨約4トンの小規模で、売却額は数十万円規模。住宅では鉄骨売却額が解体費用全体に占める比率は10〜15%ですが相殺効果は無視できません。残置物・浄化槽・ブロック塀の付帯工事費を相見積で内訳精査した事例です。

鉄骨解体でよくある質問(FAQ)

Q1. 鉄骨造の解体で本当に鉄スクラップで収益化できますか?
可能です。重量鉄骨造で延床100㎡あたり8〜13トン、軽量鉄骨造で3〜6トンの鉄骨が発生し、HS級単価(2026年5月で40〜55円/kg程度)で売却可能。延床300㎡の重量鉄骨事務所なら鉄骨売却額が100万円を超えるケースもあり解体費用の相当部分を相殺できます。
Q2. 鉄骨重量はどう概算すればよいですか?
延床×建物種別係数で概算します。重量鉄骨80〜130kg/㎡、軽量鉄骨30〜60kg/㎡、SRC造は鉄骨80〜120kg/㎡+RC鉄筋別途。実重量は現場計量で確定するため概算は収支シミュレーション用です。
Q3. 解体業者に任せきりは損ですか?
必ずしも損ではありませんが、スクラップ売却が「解体費用込み」だと単価透明性が低くなりがち。複数業者で見積を取り、所有権・売却益精算方法を明示した契約が安全です。
Q4. 建設リサイクル法の届出は誰がしますか?
原則として施主(発注者)です。床面積80㎡以上の建築物解体は着手7日前までに都道府県知事へ届出が必要で、実務上は解体業者の代行届出が一般的。詳細は環境省 建設リサイクル法の概要を参照。
Q5. 鉄スクラップ価格はいつが高いですか?
鋼材需要・電炉稼働・輸出市況・為替の影響で月次変動します。国内建設・自動車需要が強い時期や東南アジア向け輸出市況改善局面で上昇しやすい傾向。最新動向は日本鉄リサイクル工業会 マーケット情報で確認できます。
Q6. コンクリート付き鉄骨でも買取できますか?
買取可能ですが査定額は下がります。コンクリート付着が大きいと電炉投入できず雑品扱いまたは処理費差引に。大きな塊だけでも事前にハツると査定改善に直結します。
Q7. 鉄骨スクラップに産廃マニフェストは必要ですか?
有価物として売却される場合は不要です。マニフェスト発行は産廃扱いの混合廃材・コンクリート殻・断熱材等が対象。買取側には古物商許可または金属くず商許可、スクラップ業の許可が求められます。有価物と産業廃棄物の違い参照。
Q8. 解体業者が「鉄は当社で引き取ります」と言いますが断れますか?
断れます。スクラップの所有権は契約で定めるもので、施主側で「別業者に売却」と指定すれば成立。ただし搬出・計量管理が必要なので管理リソースとの兼ね合いで判断してください。
Q9. アスベスト含有部材があるとどうなりますか?
事前調査・分析・除去が義務化。アスベスト含有部材は鉄骨と分離し特別管理産業廃棄物として処理する必要があり、解体費用が大幅増。鉄骨売却額とは別費用なので見積時に項目別確認を。
Q10. 鉄スクラップ売却の収入に税金はかかりますか?
個人・法人で扱いが異なります。法人は事業収入、個人事業主は事業所得。個人の一時的売却は譲渡所得・雑所得の扱いになることがあり、金額により消費税課税の有無も変わります。古物商の確定申告を参照のうえ税理士に相談を。
Q11. 業者選びのポイントは?
①古物商許可または金属くず商許可・廃棄物処理業許可の提示、②契約書面化、③計量証明書発行(業者ヤード計量推奨)、④搬出運賃の明示、⑤過去の解体現場対応実績の5点。スクラップ業者の選び方参照。
Q12. 福岡県外でもスクラップ買取の相談はできますか?
業者によります。福岡県内業者でも佐賀・大分・熊本・山口への出張対応を行うところがあり、大ロット案件なら広域対応可能。関東・関西は運賃の関係で対応外が多いため個別確認を。
Q13. 鉄骨解体の見積に必要な情報は?
①延床面積・階数・構造種別、②建築時期・図面、③立地条件、④地下構造・基礎杭、⑤アスベスト調査、⑥残置物、⑦解体希望時期の7点。これらが揃うと精度の高い見積が得られます。
Q14. 法令・制度の最新情報はどこで確認できますか?
環境省 各種リサイクル法環境省 建設リサイクル法の概要国土交通省で確認できます。地域情報は福岡県 廃棄物・リサイクル福岡市 環境・ごみ・リサイクル、市況統計は日本鉄リサイクル工業会です。

まとめ — 鉄骨解体とスクラップ買取の最短ルート

鉄骨解体は「解体費用」と「鉄スクラップ売却益」の収支設計が最大のレバー。判断順序は次の通りです。

  1. 建物情報の整理:延床・階数・構造種別・建築時期・立地・残置物をメモ。
  2. 鉄骨重量の概算:建物種別係数(軽量30〜60・重量80〜130kg/㎡)で初期試算。
  3. 解体見積を複数社取得:項目別内訳・「金属類有価物の所有権」明記を確認。
  4. スクラップ売却見積を別途取得:HS級・雑品・付帯金属単価が明示された見積を取る。
  5. 建設リサイクル法届出を確認:80㎡以上は対象。代行届出を解体業者へ依頼。
  6. 契約構造の決定:A(一括)/B(仲介)/C(直接売却)を管理リソースで選択。
  7. 解体・搬出・計量・売却・精算:計量証明書を取得し売却益振込スケジュールを書面化。

「解体費用が高い」と諦める前に鉄骨重量を概算しスクラップ売却で相殺できる金額を試算してください。重量鉄骨の中規模建物なら2〜5割を相殺でき、相見積でさらに10〜30%の改善余地があります。

関連ページ・内部リンク

※ 最終確認: 2026-05-22。法改正・市況変動の可能性があるため、解体・売却前に環境省 建設リサイクル法の概要日本鉄リサイクル工業会 マーケット情報で最新情報をご確認ください。

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