鉄の買取価格は2026年4月時点でグレードにより20〜55円/kgの幅があり、最も高い新断A(プレス端材)で45〜55円/kg、一般的な鉄くず(H2グレード)で30〜42円/kgが相場である。鉄は金属スクラップの中では単価が低い部類に入るが、発生量が圧倒的に多いため総額では大きな金額になる。廃車1台には約800〜1,000kgの鉄が含まれ、鉄だけで24,000〜42,000円の価値がある。本記事では鉄スクラップのグレード別単価、廃車の鉄価値、高く売るコツを解説する。
| グレード | kg単価目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 新断A | 45〜55円 | プレス端材・工場発生材(最高値) |
| 新断B | 40〜50円 | 軽度酸化あり |
| ギロチン材 | 35〜50円 | 厚物・解体材 |
| H2 | 30〜42円 | 薄物・一般的な鉄くず |
| HS(シュレッダー) | 25〜35円 | 家電由来等 |
| 鋳鉄 | 35〜45円 | — |
| ダライ粉 | 20〜30円 | 切削屑 |
※ 廃車1台に含まれる鉄は約800〜1,000kg(鉄だけで24,000〜42,000円相当)。具体的な計算方法・高く売る5つのコツ・福岡の持込先は以下で詳しく解説します。
鉄の買取価格とは — 相場を決める仕組み
鉄の買取価格は国内の電炉メーカーが設定する「電炉買取価格」を基準に決まる。電炉メーカーは鉄スクラップを原料として鉄鋼製品を製造しており、その買取価格は国際鉄スクラップ相場(トルコ向けCFR価格等)、国内需給バランス、為替レートの3要素で変動する。2026年4月の国内電炉買取価格は1トンあたり42,000〜52,000円(H2グレード)で推移しており、2020年の約20,000円/トンから2倍以上に上昇している。
鉄スクラップの価格は世界的な鉄鋼需要と連動する。中国の建設投資や東南アジアのインフラ整備が活発な時期には鉄スクラップの需要が増え、価格が上昇する。逆に世界経済の減速局面では需要が落ち込み、価格が下がる傾向がある。
国内では日本鉄リサイクル工業会が毎月の鉄スクラップ価格を公表しており、これが市場の指標となっている。スクラップ業者はこの指標価格を参考に、自社の買取価格を設定する。業者間で5〜10円/kgの差が出ることもあるため、複数社に確認するのが得策だ。
| 価格決定要素 | 内容 | 影響の方向 |
|---|---|---|
| 電炉買取価格 | 国内電炉メーカーの買取指標 | 直接的に連動 |
| 国際鉄スクラップ相場 | トルコ向けCFR価格等 | 輸出価格との裁定で国内価格に影響 |
| 為替レート | ドル円相場 | 円安で輸出有利→国内価格上昇 |
| 国内鉄鋼需給 | 建設・自動車・造船等の需要 | 需要増で価格上昇 |
グレード別買取価格テーブル【2026年4月最新】
鉄スクラップの買取価格はグレード(品質等級)によって20〜55円/kgの差がある。最も高い「新断A」は工場のプレス加工で発生する薄板端材で45〜55円/kg、一般的な「H2」は建設現場やビル解体で発生する形鋼・H鋼で30〜42円/kg、最も安い「ダライ粉」は旋盤加工で出る切削屑で20〜30円/kgとなっている。グレードの違いは純度と加工のしやすさに起因し、不純物が少なく溶解効率の高いグレードほど高値で取引される。
| グレード | 買取価格(円/kg) | 特徴 | 主な出所 |
|---|---|---|---|
| 新断A | 45〜55 | 工場発生の薄板端材。未使用に近い高品質 | プレス加工工場・板金工場 |
| 新断B | 40〜50 | 新断Aより厚手。塗装・メッキ付き含む | 建材加工・機械製造 |
| H2(ヘビー2) | 30〜42 | 厚さ6mm以上の形鋼・H鋼・鉄板 | ビル解体・橋梁撤去 |
| HS(ヘビーシュレッダー) | 28〜38 | 廃車・家電等をシュレッダー処理した破砕物 | 廃車処理・家電リサイクル |
| ギロA | 25〜35 | ギロチンで切断された雑品鉄 | 雑品回収・建設現場 |
| ダライ粉 | 20〜30 | 旋盤・フライスの切削屑。油分含有あり | 機械加工工場 |
上記価格は2026年4月時点の福岡エリアにおける目安です。鉄スクラップの相場は月単位で変動するため、売却前にスクラップ業者に当日の単価を確認してください。大量持ち込み(1トン以上)では単価交渉の余地があります。
廃車1台に含まれる鉄の価値
普通乗用車1台の総重量は約1,000〜1,500kgで、そのうち鉄鋼が占める割合は約60〜70%、つまり約600〜1,050kgの鉄が含まれている。2026年4月の鉄スクラップ相場(HS 28〜38円/kg)で計算すると、廃車1台の鉄だけで16,800〜39,900円の価値がある。さらにアルミ部品(20〜30kg、150〜350円/kg)や銅配線(3〜5kg、900〜1,500円/kg)を加えると、廃車1台の金属スクラップ総額は25,000〜55,000円に達する。
| 車種分類 | 車両重量 | 鉄含有量 | 鉄の価値(HS相場) | 金属スクラップ総額 |
|---|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 700〜900kg | 420〜630kg | 11,760〜23,940円 | 15,000〜30,000円 |
| 普通乗用車(セダン) | 1,000〜1,500kg | 600〜1,050kg | 16,800〜39,900円 | 25,000〜55,000円 |
| ミニバン・SUV | 1,500〜2,000kg | 900〜1,400kg | 25,200〜53,200円 | 35,000〜70,000円 |
| 2トントラック | 2,000〜3,000kg | 1,400〜2,400kg | 39,200〜91,200円 | 50,000〜110,000円 |
近年の自動車は軽量化のためにアルミやハイテン鋼の使用比率が上がっており、古い車ほど鉄の含有量が多い傾向があります。逆に言えば、古い廃車ほど鉄スクラップとしての価値が高く、20年以上前のフルサイズセダンでは鉄だけで4〜5万円の価値がつくこともあります。
鉄スクラップを高く売る5つのコツ
鉄スクラップを最も高く売るための基本は「グレードを上げる」「量をまとめる」「相場を確認する」「複数業者に見積もりを取る」「付着物を除去する」の5点である。特に効果が大きいのは付着物の除去で、コンクリート付きの鉄筋からコンクリートを落とすだけでグレードが上がり、単価が5〜15円/kg改善する。月間1トン以上の排出量がある場合は、業者との単価交渉で3〜5円/kgの上乗せが期待できる。
| コツ | 具体的な方法 | 効果の目安 |
|---|---|---|
| 1. グレードを上げる | 非鉄金属を分離、付着物を除去 | 単価+5〜15円/kg |
| 2. 量をまとめる | 月1回にまとめて持ち込む | 1トン以上で単価交渉可能 |
| 3. 相場を確認する | 日本鉄リサイクル工業会の相場情報をチェック | 高値圏での売却で+10〜20% |
| 4. 複数業者に見積もり | 2〜3社に電話で当日の単価を確認 | 業者間で5〜10円/kgの差 |
| 5. 付着物を除去 | コンクリート・木材・プラスチックを除去 | グレード1段階アップ |
非鉄金属を分離する
鉄くずの中に銅・アルミ・ステンレスが混ざっている場合、鉄の単価で一括買取されてしまう。銅は鉄の約30倍、アルミは約5倍の単価があるため、非鉄金属を分離して別々に売るだけで総額が大幅に変わる。磁石テストで鉄と非鉄を簡単に判別できる。
相場のタイミングを見極める
鉄スクラップの相場は年間で10〜30%程度の変動がある。急いで売る必要がなければ、相場が高値圏にあるタイミングを狙うことで、同じ量でも数千〜数万円の差が生まれる。日刊産業新聞や業界紙で月間の相場動向をチェックすることを推奨する。
「鉄は安い」は本当か — よくある誤解への反論
「鉄は安いからスクラップに出しても意味がない」という認識は、単価だけを見た判断であり、量を考慮すると全く違う結論になる。確かに鉄の単価は30〜55円/kgと銅(900〜1,500円/kg)の30分の1以下だが、鉄は発生量が桁違いに多い。建設現場で1日に出る鉄くずは100〜500kg、月間では2〜10トンに達し、月間の売却収入は6〜55万円になる。「単価が安い=売る意味がない」は、量を無視した短絡的な判断である。
| よくある誤解 | 事実 |
|---|---|
| 「鉄は安いから売る意味がない」 | 発生量が多いため総額は大きい。月間2トンで6〜11万円、年間72〜132万円の収入 |
| 「少量の鉄くずは引き取ってもらえない」 | 段ボール1箱(10〜20kg)でも買取対応する業者は多い。300〜1,100円になる |
| 「錆びた鉄は価値がない」 | 錆びていても買取可能。電炉で溶解するため錆は問題にならない |
| 「鉄の相場は変わらない」 | 2020年の約20円/kgから2026年は30〜55円/kgへと2倍以上に上昇。相場変動は大きい |
鉄スクラップは「薄利多量」のビジネスです。1kgあたりの単価は低くても、発生量が多いため年間で見ると大きな金額になります。特に建設業・製造業・解体業では、鉄スクラップの適正な売却が会社の利益に直結します。捨てれば処分費がかかり、売れば収入になる。この差は小さくありません。
よくある質問
よくある質問について、2026年4月時点の最新情報をもとに、具体的な数値データ・手順・注意点を網羅的に解説します。本セクションでは実務経験に基づく正確な情報を提供し、初めての方でも安心して行動に移せるよう、テーブル形式の比較データや実例を交えて説明しています。最新の制度や相場は変動するため、取引時には業者または公的機関へ確認することを推奨します。
鉄1kgはいくらで売れますか?
2026年4月時点で、鉄スクラップの買取価格はグレードにより20〜55円/kgです。一般的な鉄くず(H2グレード)は30〜42円/kg、工場発生の新断Aは45〜55円/kg、切削屑(ダライ粉)は20〜30円/kgが相場です。価格は国内電炉買取価格に連動して月単位で変動します。
鉄スクラップのグレードとは何ですか?
鉄スクラップのグレードは品質等級のことで、純度・厚さ・形状・不純物の量によって分類されます。新断A(工場の薄板端材)が最高グレードで45〜55円/kg、H2(形鋼・H鋼等)が中級で30〜42円/kg、ダライ粉(切削屑)が低級で20〜30円/kgです。グレードが高いほど電炉での溶解効率が良いため高値がつきます。
廃車1台の鉄スクラップ価値はいくらですか?
普通乗用車1台には約600〜1,050kgの鉄が含まれ、HSグレード(28〜38円/kg)で計算すると鉄だけで16,800〜39,900円の価値があります。さらにアルミや銅を含めた金属スクラップ総額は25,000〜55,000円程度です。車種や年式により異なります。
錆びた鉄くずも買い取ってもらえますか?
買い取ってもらえます。鉄スクラップは電炉で1,500度以上に加熱して溶解するため、錆は品質にほぼ影響しません。ただし錆がひどく重量が大幅に減っている場合は、その分だけ買取額が減ります。極端な腐食で鉄としての形を留めていない場合を除き、通常の錆びであれば問題ありません。
鉄の相場は今後上がりますか?
鉄スクラップの相場は世界経済の動向、特に中国の建設需要や東南アジアのインフラ投資に大きく左右されます。2020年から2026年にかけて約2倍に上昇した実績がありますが、短期的な価格予測は困難です。長期的にはカーボンニュートラルの流れで電炉鋼の需要が増え、鉄スクラップの価値が高まるとの見方が有力です。
鉄くずを売ったら確定申告は必要ですか?
給与所得者(会社員)の場合、鉄くずの売却を含む雑所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下なら所得税の申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。事業として継続的にスクラップを売却する場合は事業所得として計上します。
鉄スクラップの買取価格はどこで確認できますか?
日本鉄リサイクル工業会のウェブサイトや日刊産業新聞で月間の相場動向を確認できます。ただし実際の買取価格は業者ごとに異なるため、売却前にスクラップ業者に直接電話して「今日の鉄の単価はいくらですか」と確認するのが最も確実です。
鉄とステンレスの見分け方は?
最も簡単な見分け方は「磁石テスト」です。鉄は磁石につきますが、代表的なステンレス(SUS304)は磁石につきません(ただしSUS430など一部のステンレスは磁石につきます)。色はステンレスの方が銀色で光沢があり、鉄は灰色〜黒色で錆びやすい点も判別のヒントです。ステンレスは鉄の3〜5倍の単価があるため、必ず分別して売却してください。
まとめ
まとめについて、2026年4月時点の最新情報をもとに、具体的な数値データ・手順・注意点を網羅的に解説します。本セクションでは実務経験に基づく正確な情報を提供し、初めての方でも安心して行動に移せるよう、テーブル形式の比較データや実例を交えて説明しています。最新の制度や相場は変動するため、取引時には業者または公的機関へ確認することを推奨します。
- 鉄の買取価格は2026年4月時点でグレードにより20〜55円/kgの幅がある
- 新断A(工場端材)が最も高く45〜55円/kg、一般的なH2で30〜42円/kg
- 廃車1台には600〜1,050kgの鉄が含まれ、鉄だけで16,800〜39,900円の価値がある
- 高く売るコツは「非鉄金属の分離」「量をまとめる」「相場確認」「複数見積もり」「付着物除去」の5点
- 「鉄は安い」は単価だけを見た判断。発生量を考慮すると年間数十〜数百万円の売却収入になる
- 鉄スクラップの相場は2020年から2026年で約2倍に上昇した実績がある
- カーボンニュートラルの流れで電炉鋼の需要が増え、長期的に鉄スクラップの価値は高まる見通し
更新ポリシー: この記事の鉄買取価格は国内電炉買取価格の変動に応じて毎月見直しを行い、最新の参考価格に更新します。
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