古物商許可は個人(個人事業主含む)でも法人(株式会社・合同会社・一般社団法人等)でも取得可能で、古物営業法第3条は申請主体を限定していません。申請手数料は19,000円で個人・法人共通ですが、法人申請のみ「定款の写し」と「登記事項証明書」が追加で必要で、さらに取締役(役員)全員分の身分証明書・誓約書・履歴書を揃える点が個人申請と決定的に異なります。本ページは古物営業法と警察庁の手引、福岡県警察の運用、当社が法人で運営している実務目線で、個人と法人の選び方を整理しました。
結論:「自分一人で営業/屋号で小規模スタート」なら個人申請、「複数人雇用/節税/信用構築/将来事業承継を見据える」なら法人申請が現実的です。個人事業主でも個人申請の枠で取得可能。個人→法人化する場合は許可を再申請(新規)するのが原則で、個人許可を法人に承継することはできません。法人申請は書類点数が多いため取得まで個人申請より2〜3週間長くなるのが業界一般です。
※ 本ページは2026年5月時点の古物営業法(e-Gov)・警察庁の手引・福岡県警察公開情報に基づきます(最終確認2026-05-23)。法人登記・定款関連は法務省、税務面は国税庁、消費者保護は消費者庁の資料を参照。編集元は運営者情報。
個人 vs 法人 — 申請の全体像と法的位置づけ
古物営業法第3条は「古物営業を営もうとする者」と規定し、申請主体を個人・法人どちらにも限定していません。実務では個人申請(自然人・個人事業主含む)と法人申請(株式会社・合同会社・一般社団法人等)の2区分で運用され、申請手数料は19,000円で共通。許可番号も同じ12桁形式で発行されます。違いは「申請書様式」と「添付書類の点数」に表れ、法人申請は取締役(役員)全員の身分関係書類に加えて定款の写し・登記事項証明書が必要で点数は個人の約2〜3倍。許可取得後の古物台帳の書き方・古物商の13品目分類・URL届出制度等の運営義務は個人も法人も同一です(詳細は古物商許可申請)。
| 項目 | 個人申請 | 法人申請 |
|---|---|---|
| 申請主体 | 自然人・個人事業主 | 株式会社・合同会社・一般社団法人等 |
| 申請手数料 | 19,000円 | 19,000円(同額) |
| 申請書様式 | 別記様式第1号(個人用) | 別記様式第1号(法人用) |
| 身分証明書の必要範囲 | 申請者本人のみ | 取締役・監査役・役員全員 |
| 定款の写し | 不要 | 必要 |
| 登記事項証明書 | 不要 | 必要 |
| 標準処理期間 | 40日前後 | 50〜60日前後 |
| 許可番号の発行形式 | 12桁(同形式) | 12桁(同形式) |
| 許可後の運営義務 | 古物営業法上同一 | 古物営業法上同一 |
「どちらが取りやすいか」では個人申請の方が書類点数が少なく処理期間も2〜3週間短いのが業界一般。ただし事業規模・節税・信用構築・事業承継を加味すると法人申請が中長期的に有利になるケースが多く、当社(運営者情報)も法人形態で許可取得しています。
個人申請の特徴と必要書類 — 個人事業主含む
個人申請は「自然人1名」を申請主体とする形態で、サラリーマン副業・個人事業主・専業主婦・学生等いずれも申請可能。古物営業法第4条の欠格事由(破産・暴力団関係・禁錮以上の刑等)に該当しなければ取得できます。個人事業主は「個人」枠で申請するのが原則で、屋号での法人申請はできません。書類点数は法人より少なく、申請書・身分証明書(市町村発行)・住民票・登記されていないことの証明書(法務局発行)・誓約書・略歴書等が中心です。
| 書類名 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 古物商許可申請書(別記様式第1号 個人用) | 警察署 or 警察HP | 営業所・取扱品目を記載 |
| 住民票(本籍記載・マイナンバー記載なし) | 市区町村 | 3か月以内発行・本人分のみ |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村 | 3か月以内・破産者でない証明 |
| 登記されていないことの証明書 | 法務局 | 3か月以内・成年被後見人でない証明 |
| 誓約書(個人用) | 警察署 or 警察HP様式 | 欠格事由非該当の宣誓 |
| 略歴書(最近5年分) | 申請者作成 | 職歴・住所歴 |
| 営業所の使用承諾書(賃貸の場合) | 家主から取得 | 自宅・自己所有不要 |
| URL使用権限疎明資料(ネット取引の場合) | ドメイン管理画面等 | URL届出制度参照 |
| 申請手数料 | 収入証紙 | 19,000円(福岡県は証紙購入) |
個人申請の最大のメリットは書類点数の少なさ。本人1名分の身分証明書・住民票で済み取得まで標準40日前後、古物商許可申請の流れも法人より簡素です。個人事業主は屋号を申請書の「営業所の名称」欄に記載し申請主体は自然人本人で、国税庁への開業届と古物商許可申請書は別書類。開業届を出していなくても個人申請は可能です。賃貸物件は使用承諾書、古物商とヤフオク等のネット取引はURL使用権限疎明資料も追加提出。福岡県内の窓口は福岡県警察HP・古物商 申請先一覧を参照。
法人申請の特徴と追加書類 — 定款・登記事項証明書
法人申請は「株式会社・合同会社・一般社団法人・NPO法人」等の法人格を持つ団体が申請主体。古物営業法は法人格の種別を限定しておらず、個人より広い事業展開を想定した形態です。個人申請の書類に加えて「定款の写し」と「登記事項証明書」が必要で、さらに取締役・監査役・役員全員分の身分証明書・住民票・登記されていないことの証明書・誓約書・略歴書を揃える必要があります。書類点数は役員数が増えるほど増加し、3名役員なら個人申請の約3倍の書類量になります。
| 書類名 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 古物商許可申請書(別記様式第1号 法人用) | 警察署 or 警察HP | 役員名・営業所・取扱品目を記載 |
| 定款の写し | 法人保管原本のコピー | 事業目的に「古物営業」記載が望ましい |
| 登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 法務局 | 3か月以内発行 |
| 役員全員の住民票(本籍記載・マイナンバーなし) | 各役員の市区町村 | 取締役・監査役全員分 |
| 役員全員の身分証明書 | 各役員本籍地市区町村 | 3か月以内・全員分 |
| 役員全員の登記されていないことの証明書 | 法務局 | 3か月以内・全員分 |
| 役員全員の誓約書(法人役員用) | 警察署 or 警察HP様式 | 役員ごとに記名押印 |
| 役員全員の略歴書(最近5年分) | 役員ごと作成 | 職歴・住所歴 |
| 営業所の使用承諾書(賃貸の場合) | 家主から取得 | — |
| URL使用権限疎明資料(ネット取引の場合) | ドメイン管理画面等 | URL届出制度参照 |
| 申請手数料 | 収入証紙 | 19,000円(個人と同額) |
定款の事業目的欄に古物営業の記載があるのが望ましいとされ、記載がない場合は事業目的変更登記(法務省の法務局・登録免許税3万円)が事前に必要なケースもあります。福岡県警察等では「古物営業は付随的事業として行う」旨の上申書で受理される場合もあり、事前相談で確認が安全です。登記事項証明書は3か月以内発行の原本提出が原則(窓口600円)。法人申請の処理期間は標準50〜60日と個人より長く、書類補正でさらに2〜3週間延びるのが業界一般。古物商の13品目分類の選び方は個人・法人で違いはありません。
メリット・デメリット比較 — 税務・信用・運営面
個人と法人の選択は許可取得の手間だけでなく税務・信用・運営面の差で決まります。個人は申請が簡素で開業コストが低い反面、所得税の累進課税が重く取引先の信用度が劣る。法人は申請書類が多く法人登記・税務申告等のコストがかかる反面、法人税の比例税率・経費計上の幅・信用構築・事業承継等の長期メリットがあります。国税庁の課税方式は個人事業(所得税)と法人(法人税)で大きく異なります。
| 観点 | 個人申請のメリット/デメリット | 法人申請のメリット/デメリット |
|---|---|---|
| 申請手続き | 書類点数が少なく取得早い(〇) | 書類点数が多く取得遅い(△) |
| 開業コスト | 19,000円のみ(〇) | 法人設立+19,000円(△) |
| 税負担 | 所得税の累進課税 5〜45%(△) | 法人税の比例税率 約23%(〇) |
| 経費計上 | 事業関連経費のみ(△) | 役員報酬・家族雇用等で幅広い(〇) |
| 取引先の信用 | 個人事業主は法人より劣る場合あり(△) | 法人格で信用が高い(〇) |
| 融資・与信 | 個人保証中心(△) | 事業性評価での与信獲得しやすい(〇) |
| 事業承継 | 個人事業の承継は新規申請相当(△) | 株式譲渡で承継可能(〇) |
| 許可の承継 | 本人廃業時に許可消滅 | 法人解散時に許可消滅 |
| 社会保険 | 国保・国民年金 | 健康保険・厚生年金(強制加入) |
| 赤字繰越 | 青色申告で3年 | 10年(中小法人) |
個人を選ぶケースは「副業・小規模スタート」「個人事業主の延長で営業所も自宅」「年間取引額が少ない」場合。法人を選ぶケースは「複数人雇用」「年商1,000万円超を見込む」「自治体・大手取引の信用構築が必要」「事業承継を見据えたい」場合です。国税庁の課税ラインを考えると所得700〜800万円が損益分岐点とされる業界一般で、税理士試算を推奨します。当社(運営者情報)は福岡の廃車業者の選び方のとおり、自治体・解体業者・運送業者との取引時に法人格の信用が業務効率に直結するため法人形態を選択しています。
取締役・役員の身分証明書要件 — 全員必要
法人申請で個人と最も異なるのが「役員全員」の身分関係書類です。古物営業法第4条の欠格事由は法人の役員全員に適用され、1人でも欠格事由に該当すると法人として許可不可。対象は取締役・代表取締役・監査役で、合同会社の業務執行社員、一般社団法人の理事も同様。取締役全員の身分証明書(市町村発行)・住民票・登記されていないことの証明書(法務局発行)・誓約書・略歴書を揃える必要があり、これが法人申請の手間と費用の大半を占めます。
| 書類 | 取得先 | 取得方法・費用 |
|---|---|---|
| 住民票(本籍記載・マイナンバーなし) | 各役員の住民登録地市区町村 | 窓口300円前後・郵送可 |
| 身分証明書 | 各役員の本籍地市区町村 | 窓口300円前後・郵送可・破産者でない証明 |
| 登記されていないことの証明書 | 法務局(東京法務局後見登録課) | 窓口300円・全国どこの法務局からも申請可 |
| 誓約書(法人役員用) | 警察署 or 警察HPの様式 | 役員ごとに記名押印 |
| 略歴書(最近5年分) | 役員ごとに作成 | 職歴・住所歴を時系列で記載 |
注意点として、身分証明書は本籍地の市区町村でしか取得できないため、本籍と現住所が違う役員は郵送請求が必要(1〜2週間)。福岡県警察を含む多くの警察署は有効期限「発行から3か月以内」を厳格運用しており、古い書類は再取得を求められます。役員交代時は変更届出書を法人20日以内に提出し新役員の書類一式を添付。怠ると10万円以下の罰金(古物営業法第35条)。警察庁の手引でも役員変更時の届出が強調されています。
個人事業主のケース — 屋号と古物商許可
個人事業主は古物商許可上「個人申請」の枠に含まれ、屋号で法人申請することはできません。屋号は国税庁に提出する開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)で登録する商号で、法人格を伴わないため古物営業法上は「自然人本人」が申請主体になります。許可申請書の「営業所の名称」欄に屋号を記載する形が業界一般。許可番号は本人の氏名と紐付けられ、屋号変更時は変更届出が必要です。
| 項目 | 個人(自然人) | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|---|
| 古物商申請区分 | 個人申請 | 個人申請 | 法人申請 |
| 申請主体 | 本人 | 本人(屋号は別記) | 法人格 |
| 開業届の要否 | 不要 | 提出済み(国税庁) | 法人設立登記 |
| 確定申告 | 所得税(白色 or 青色) | 所得税(白色 or 青色) | 法人税 |
| 許可名義 | 本人氏名 | 本人氏名(屋号併記可) | 法人名 |
| 従業員雇用 | 可能 | 可能 | 可能(社保強制) |
| 許可承継 | 本人廃業時に消滅 | 本人廃業時に消滅 | 株式譲渡で承継可 |
個人事業主のメリットは、開業届を済ませた状態で取得すれば青色申告特別控除(最大65万円)等の税務優遇を受けながら古物営業ができる点。デメリットは法人と違って事業承継が新規申請相当になり、家族や第三者への引き継ぎ時に許可を取り直す必要があります。古物商の13品目分類の選択は個人事業主でも法人と同じルールが適用されます。屋号変更時は変更届出書(14日以内・無料・処理2〜4週間)で対応し、URL届出制度と組み合わせてサイトURLや古物商とヤフオクの店舗IDも一緒に届出するのが業界一般です。
個人→法人への名義変更と再申請
個人で取得した古物商許可を法人化に伴って法人名義に変更することは原則できません。古物営業法上、個人と法人は別主体として扱われるため、法人化(法人成り)した場合は法人として新規に許可申請するのが原則です。個人許可は個人事業の廃止時に廃業届出を出して返納し、並行して法人設立後に法人申請を行う流れが業界一般です。
| 順序 | 手続き | 窓口 | 所要期間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 法人設立登記 | 法務局 | 1〜2週間 |
| 2 | 定款の認証・事業目的に古物営業を記載 | 公証役場 | 1〜2週間 |
| 3 | 法人として古物商許可を新規申請 | 営業所所在地管轄警察署 | 50〜60日 |
| 4 | 法人許可が下りたら個人許可の廃業届出 | 個人許可の管轄警察署 | 14日以内 |
| 5 | 個人事業の廃業届出 | 国税庁 | 事業廃止から1か月以内 |
| 合計 | — | — | 2〜3か月 |
事業の途切れを避ける運用として、法人許可が下りるまで個人許可を継続し、法人許可取得後すぐに個人廃業届出を出す並行運用が業界一般。これで営業空白期間を作らずに法人化できます。注意点として法人化時に古物商の許可番号は変わります(個人番号は廃業で失効、法人として新たな12桁番号を発行)。サイト・名刺・店舗内表示の許可番号は新番号への変更が必要で、怠ると古物営業法第12条の表示義務違反。訪問買取の見分け方のとおり、許可番号の表示は消費者の信頼確認にも使われる重要事項です。詳細手続きは古物商許可申請を参照。
廃業届出・解散時の手続き
個人廃業・法人解散時は「廃業届出書」を管轄警察署に提出し、許可証を返納します。古物営業法第7条第3項で個人は14日以内・法人は20日以内と規定。届出は無料ですが、古物台帳は廃業後も帳簿保存義務(最終取引から3年間)が継続します(同法第18条第3項)。法人解散の場合は登記簿上の解散登記後に届出するのが一般的です。
| 区分 | 提出書類 | 期限 | 付随義務 |
|---|---|---|---|
| 個人廃業 | 廃業届出書・許可証原本 | 事業廃止から14日以内 | 古物台帳の3年保存 |
| 法人解散 | 廃業届出書・許可証原本・解散登記 | 事業廃止から20日以内 | 古物台帳の3年保存 |
| 許可証紛失時 | 紛失届出書(再交付申請) | 判明から速やかに | — |
| 代表者死亡時(個人) | 相続人による廃業届出 | 30日以内が業界一般 | 許可は承継不可 |
| 代表者死亡時(法人) | 役員変更届出 | 20日以内 | 許可は継続 |
個人事業者が死亡した場合、古物商許可は相続承継できず、相続人が古物営業を継続するには新規申請が必要です。法人の場合は役員変更届出で済み、許可は法人に紐付くため継続できる点が法人形態の大きなメリット。買取のクーリングオフや古物台帳の書き方に基づく顧客関連書類の保存も廃業後継続するため、廃業時はファイル一式の引き継ぎ手順を整えるのが業界一般です。
福岡県警の申請窓口と運用
福岡県内の古物商許可申請は営業所所在地を管轄する警察署 生活安全課(防犯係)が窓口。福岡県警察HPで申請書様式・添付書類一覧・手数料が公開されています。個人申請は40日前後・法人申請は50〜60日前後が標準処理期間で、書類補正が入るとそれぞれ2〜3週間延びるのが業界一般。事前相談予約を推奨する警察署が多く、特に法人申請は事前相談で書類点検を受けると補正リスクを大幅に減らせます。
| 警察署 | 管轄エリア | 窓口 |
|---|---|---|
| 福岡中央警察署 | 福岡市中央区・東区一部 | 生活安全課 防犯係 |
| 博多警察署 | 福岡市博多区 | 生活安全課 防犯係 |
| 早良警察署 | 福岡市早良区 | 生活安全課 防犯係 |
| 南警察署 | 福岡市南区・春日市・那珂川市 | 生活安全課 防犯係 |
| 西警察署 | 福岡市西区・糸島市 | 生活安全課 防犯係 |
| 久留米警察署 | 久留米市・うきは市 | 生活安全課 防犯係 |
| 小倉北警察署 | 北九州市小倉北区 | 生活安全課 防犯係 |
| 八幡西警察署 | 北九州市八幡西区 | 生活安全課 防犯係 |
福岡県は収入証紙(19,000円分・収入印紙ではない)での手数料納付が原則。福岡県証紙売捌所(県庁・各市役所・指定金融機関等)で購入し申請書に貼付します。東京都・大阪府等では電子申請の試行も進んでいますが、福岡県は2026年5月時点で原則対面・郵送運用(古物商 申請先一覧)。福岡県警の運用特徴として、定款の事業目的記載がない場合の上申書受理・営業所の自宅兼用時の使用承諾書緩和等、柔軟運用が見られる一方、身分証明書の有効期限(3か月)は厳格に運用。事前相談予約と書類点検を受けるのが業界一般です。
当社が法人で運営している理由 → /about/
当社(運営者情報)は福岡市中央区を本拠地とする法人形態で古物商許可を取得し、車両・バイク・農機具の買取・廃車・スクラップを運営。法人で取得した理由は3つあり、①取引先(自治体・解体業者・運送業者・解体工場)との信用構築、②役員退任・追加時に許可を継続できる、③将来の事業承継と人員拡大を見据えた長期運営を重視したためです。書類点数の多さや処理期間の長さよりも、法人形態の長期メリットが大きいと判断しました。
取引現場では「法人格があるか」を最初に確認されることが多く、自治体入札・大手解体業者・運送業者との継続取引では法人登記簿・法人税申告書類の提示を求められるケースが頻発します(福岡の廃車業者の選び方)。運営方針は古物台帳の書き方のとおり全件電子台帳記録、買取のクーリングオフ対応、訪問買取の見分け方に基づく適正運営。バイク買取業者の比較・トラクター買取相場・福岡の廃車買取の現場対応も法人としての継続運営方針の中で行っています(詳細は運営者情報)。
取材ノート — 当社対応の実例
1)当社が法人で運営している理由
当社(運営者情報)が個人ではなく法人形態で古物商許可を取得した最大の理由は、取引先(自治体・解体業者・運送業者・大手車両買取業者)との信用構築です。法人登記簿・法人税申告書類の提示を求められる場面が頻発し、特に自治体の廃車・スクラップ案件の入札では「法人格保有」が応募要件に明示されているケースもあります。書類点数(個人の約3倍)と処理期間(50〜60日)の負担は確かにありましたが、取得後の事業展開で法人格の信用が業務効率に直結するため長期視点で判断しました。役員追加・退任時も許可は法人に紐付くため継続でき、事業承継も株式譲渡で対応可能です。
2)個人事業主の古物商運用例 — 副業・専業のいずれも可
当社の取引先には個人事業主として古物商を取得した事業者も多く、副業から専業化・農業の傍ら農機具売買・趣味延長の骨董品取扱等、形態は様々です。個人事業主は19,000円のみで取得でき、国税庁に開業届を出していれば青色申告(最大65万円特別控除)の税務優遇も受けられます。年商1,000万円超になると所得税の累進課税が法人税率を上回り、取引先信用面でも限界が出てくるため、所得700〜800万円が法人化検討の目安とされる業界一般。観察される範囲では、農機具・骨董品買取等の小規模は個人事業主のまま、車両・廃車・スクラップを多量取扱する事業者は法人化、という棲み分けが顕著です。
3)個人→法人化時の変更届出 — 名義変更不可・新規申請が原則
取引先から最も多い質問は「個人で取った許可を法人化したら名義変更で済みますか?」。答えは「名義変更不可、法人として新規申請が必要」。古物営業法上、個人と法人は別主体として扱われ、許可は個人名義(自然人)か法人名義(法人格)に紐付くため移転できません。実務上は「法人許可が下りるまで個人許可を継続運営、取得後に個人廃業届出」の運用で営業空白を作らずに法人化するのが業界一般。許可番号は新法人で新たに発行されるため、サイト・名刺・店舗内表示の許可番号変更も表示義務(古物営業法第12条)の対象として必須です。
4)古物商として帳簿管理を継続する実務 → /about/
許可取得後の日常運営で個人・法人問わず最も時間を割いているのが古物台帳の管理です。当社が扱う自動車(4類)・自動二輪及び原付(5類)・機械工具(9類)は古物商の13品目分類のとおり1万円未満でも全件記録が義務付けられた品目で、車台番号・所有者氏名住所・取引日時・金額・本人確認方法を毎件電子台帳に記録しています。古物台帳の書き方のとおりPDF・電子帳簿が認められますが、営業所内PCでいつでも閲覧できる状態が原則で、警察の立入検査時には即時提示が求められます。法人形態だと役員交代・登記事項変更時にも届出が必要で、株主総会議事録・登記事項証明書の保管・更新も帳簿管理と並行して継続。詳しい運営方針は運営者情報に整理しています。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 古物商は個人と法人どちらで取得すべきですか?
- 事業規模で選びます。副業・小規模スタートなら個人、複数人雇用・節税・信用構築・事業承継を見据えるなら法人が業界一般。所得700〜800万円が損益分岐点とされ税理士試算を推奨。当社は法人で運営(運営者情報)。
- Q2. 個人申請と法人申請で手数料は違いますか?
- 同額の19,000円です(古物営業法第5条第2項・施行令)。福岡県は収入証紙で納付(収入印紙ではない点に注意)。
- Q3. 個人事業主は「個人」と「法人」どちらで申請しますか?
- 個人申請です。個人事業主は法人格を持たないため申請主体は自然人本人で、屋号は申請書の「営業所の名称」欄に記載。国税庁への開業届とは別書類です。
- Q4. 法人申請で追加で必要な書類は何ですか?
- 定款の写し・登記事項証明書(履歴事項全部証明書)・役員全員分の住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書・略歴書。法務省の法務局で取得します。
- Q5. 取締役全員の身分証明書は本当に必要ですか?
- 必要です。古物営業法第4条の欠格事由は役員全員に適用され、1人でも該当すると法人として許可不可。代表取締役・取締役・監査役・合同会社の業務執行社員すべてが対象です。
- Q6. 個人で取った許可を法人化後に名義変更できますか?
- できません。個人と法人は別主体のため法人として新規申請が必要。実務では法人許可が下りるまで個人許可を継続し、取得後に個人廃業届出を出す並行運用が業界一般です。
- Q7. 法人申請の処理期間はどのくらいですか?
- 標準50〜60日(個人の約40日より2〜3週間長い)。書類補正が入ると更に2〜3週間延びるのが業界一般。事前相談で書類点検を受けると補正リスクを大幅に減らせます。
- Q8. 定款に古物営業の記載がない場合どうしますか?
- 事業目的変更登記(法務省の法務局・登録免許税3万円)を事前に行うのが原則。福岡県警察等では「古物営業は付随的事業」とする上申書で受理されるケースもあり、事前相談で確認が安全です。
- Q9. 役員が変わった場合の手続きは?
- 変更届出書を14日以内(法人は20日以内)に提出し、新役員の住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書・略歴書を添付。怠ると10万円以下の罰金(古物営業法第35条)。
- Q10. 個人事業主が法人化したら古物商はどうなりますか?
- 法人化後に法人として新規許可申請が必要です。個人許可は廃業届出で返納。並行運営で営業空白期間を作らずに切り替えるのが業界一般。許可番号も新しく発行されます。
- Q11. 法人解散時の古物商許可はどうなりますか?
- 許可は消滅します。解散登記後に廃業届出書を20日以内に提出し許可証を返納。古物台帳は最終取引から3年間の保存義務が継続(古物営業法第18条第3項)。
- Q12. 個人で取った許可は相続できますか?
- できません。古物商許可は一身専属的で相続承継不可。相続人が古物営業を継続する場合は新規申請が必要。法人形態の場合は役員変更届出で許可が継続するのが大きな違いです。
- Q13. 当社のように自動車・バイク・農機を扱う法人申請の書類点数はどのくらいですか?
- 個人申請の約3倍が目安。当社(運営者情報)の取得時は役員2名で申請書一式+定款+登記事項証明書+役員2名分の身分関係書類5種(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書・略歴書)で計15〜20点でした。古物商の13品目分類の選択(4類・5類・9類)は個人と同じです。
- Q14. 福岡県内で個人申請と法人申請の窓口は違いますか?
- 同じです。営業所所在地管轄の警察署 生活安全課が窓口。福岡県警察HPで申請書様式が公開され、福岡中央・博多・小倉北・久留米警察署等が窓口。古物商 申請先一覧も参照してください。
まとめ — 個人と法人どちらを選ぶかの判断基準
古物商許可は個人(個人事業主含む)でも法人でも取得可能で、申請手数料19,000円は共通。違いは書類点数と取得期間、運営後の税務・信用・承継面です。個人申請は書類が少なく取得早い(標準40日)反面、所得税の累進課税・信用・承継の制約があります。法人申請は書類点数が個人の約3倍、定款・登記事項証明書・役員全員の身分関係書類で処理期間50〜60日と長い反面、法人税の比例税率・経費計上の幅・信用構築・株式譲渡による事業承継等の長期メリットがあります。
個人と法人の選択基準:
- 事業規模:副業・小規模スタート → 個人/専業・複数人雇用 → 法人
- 所得水準:所得700〜800万円が業界一般の損益分岐点
- 取引先:個人顧客中心 → 個人OK/自治体・大手取引 → 法人推奨
- 事業承継:一代限り → 個人/世代を跨ぐ → 法人(株式譲渡で承継可)
- 取得期間:急ぐ → 個人(40日)/余裕あり → 法人(50〜60日)
個人→法人化する場合は「法人として新規申請」が原則で、名義変更は不可。古物商許可申請の流れに従い、定款の事業目的記載・役員全員の身分関係書類の準備・事前相談予約の3ステップを丁寧に進めるのが補正リスクを抑える近道です。当社(運営者情報)は法人形態を選択し、車両・バイク・農機具の買取・廃車を継続運営しています。