古物商の「行商」は、自己の営業所以外の場所(顧客の住居・催事場・露店・出張先・ホテル等)で古物を売買することを指す古物営業法上の営業形態。古物商許可申請書の「行商する/しない」欄でチェックしないと、出張買取・催事買取・訪問買取は実施できません。営業所外取引では、古物商本人は古物商許可証、従業者は行商従業者証の携行が必要。本ページは古物営業法・警察庁・福岡県警察・経済産業省等の公的情報と業界一般動向にもとづき、行商の定義・届出・携行物・取引シーン別運用・変更届・罰則・福岡県内窓口を中立に整理しました。
結論:行商は「営業所の外で古物を売買する営業形態」であり、許可申請書の『行商する』欄チェック+営業所外取引時の身分証携行(本人=許可証/従業者=行商従業者証)の2点が必須です。出張買取・催事買取・露店買取・訪問買取はすべて行商扱い。チェックなし・携行なしは古物営業法違反のリスクで、変更届で後から追加することも可能です。
※ 本ページは2026年6月時点の関係法令・公的情報・業界一般動向にもとづきます。具体的な手続様式・運用は所轄の公安委員会の最新案内が優先します。
古物商の行商の全体像
古物商の「行商」は、営業所の外で古物を売買する営業形態のこと。古物営業法上、古物商は原則として自己の営業所で古物を取り扱うことが想定されていますが、現実には出張買取・催事買取・骨董市の出店・顧客宅での訪問買取・他県のオークション会場への出向など、営業所外で取引する場面が多くあります。これらをまとめた営業形態が「行商」で、許可申請時に「行商する」にチェックして初めて適法に実施可能になります。
制度の趣旨は盗品流通防止。営業所の外で取引すると、誰が古物商か、誰がその古物商の従業者か、対外的に確認しづらくなります。そこで古物商本人は古物商許可証、従業者は行商従業者証を必ず携行し、相手方や警察官から請求があれば提示する義務が課されます。警察庁は同制度を盗品売買・盗品処分の予防策の柱として運用しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 自己の営業所以外の場所で古物を売買する営業形態 |
| 根拠法 | 古物営業法・同施行規則・関係通達 |
| 許可申請時の手続 | 許可申請書の「行商する/しない」欄に「行商する」とチェック |
| 許可単位 | 古物商許可は都道府県公安委員会単位で1件取得すれば全国で行商可 |
| 携行物(本人) | 古物商許可証(行商時の身分証として) |
| 携行物(従業者) | 行商従業者証 |
| 取引記録 | 古物台帳に取引日・品目・金額・相手方情報を記載(3年間保管) |
| 該当シーン | 出張買取/催事買取/骨董市・露店/訪問買取/顧客宅引取り |
| 変更届 | 「行商しない」→「行商する」は変更届で追加可 |
| 違反時 | 古物営業法違反として行政指導・許可取消・罰則の対象 |
古物商は都道府県公安委員会単位で1件取得すれば全国で行商可能な制度設計のため、福岡県で取得した許可で東京の催事・大阪の骨董市にも出向できます。出張先で別途許可を取り直す必要はなく、身分証携行+取引記録の保管が運用の基本動作です。許可要件・申請先・必要書類の全体像は古物商の申請先一覧、許可申請に関わるホームページ届出はURL届出を参照。
行商とは(古物営業法上の定義)
古物営業法上、「行商」とは古物商が自己の営業所(届出済の店舗・事務所)以外の場所で古物の売買その他の営業を行うことと整理されます。「営業所」とは許可申請時に届け出た拠点で、自宅兼営業所として申請するケースも含めて登録された住所での取引は通常営業に該当します。逆に言えば、登録住所以外の場所での取引はすべて行商として扱われるのが基本理解です。
判定の境目は「取引が成立した場所」。電話やメールで打合せをしても、金銭の授受と品物の引渡しが営業所外で行われた場合は行商扱い。逆に、現地で見積を出しても最終的に営業所に持ち帰って買取契約・代金支払が完結するなら通常営業の延長と整理されることがあります。境目があいまいなため、「現地買取の可能性が少しでもあるなら行商する欄にチェックしておく」のが事業者の実務的判断です。
行商と通信販売・ネット販売の関係
ネットオークション・フリマアプリ・自社ECサイトでの取引は原則として営業所での取引に位置づけられ、非対面で品物を発送・受領する取引は厳密な意味での行商には該当しません。ただしホームページを使う場合のURL届出は別途必要で、URL届出の対象になります。ネットだけで取引する場合でも顧客宅へ品物を取りに行くなら行商扱いになるため、業務形態に応じて「行商する」欄を含めるか検討します。
許可申請書の「行商する/しない」欄
古物商の許可申請書には「行商する/しない」のチェック欄があり、ここでチェックが入っていないと許可後に営業所外取引ができない運用です。提出書類の体裁は各都道府県公安委員会で共通の様式に統一されていますが、表記揺れや行番号は若干異なります。福岡県警察を含め「特段の理由がなければ『行商する』にチェック」を案内する窓口が多く、後から取引形態が広がる可能性に備えるのが定着パターン。
| チェック | 適法にできる取引 | 適法にできない取引 |
|---|---|---|
| 「行商する」を選択 | 営業所内取引/出張買取/催事買取/骨董市出店/訪問買取/顧客宅引取り/他県へのオークション参加 | (基本的に制限なし) |
| 「行商しない」を選択 | 営業所内取引のみ(持込中心・自社ECで自社発送のみ等) | 出張買取・催事買取・露店・骨董市・訪問買取はすべて不可 |
| 無記入・チェック漏れ | 営業所内取引のみで運用するのが安全 | 営業所外取引は実施せず、変更届で追加してから実施 |
申請時に迷ったら「行商する」にチェックしておくのが基本動作。チェックしても義務ではなく権利のため、行商を実際にやらなくても許可上の不利益はありません。逆に、「行商しない」で取得した後に出張買取をやりたくなったら変更届の提出が必要で時間と労力がかかります。申請補正・差し戻しの手間を避ける意味でも、最初から含めるのが現実的です。
営業所外取引で必要な携行物
行商で営業所の外に出るとき、常に身分を証明できる書類を携行する必要があります。これは取引相手が「この人は本当に古物商か」を確認できるようにする趣旨と、警察官の職務質問時に身分を明らかにする趣旨の2点があります。携行物は古物商本人か従業者かで変わります。
| 立場 | 携行物 | 交付・発行主体 |
|---|---|---|
| 古物商本人(個人許可の本人/法人許可の代表者) | 古物商許可証(公安委員会から交付されたもの) | 公安委員会(許可時に交付) |
| 従業者(法人の従業員/個人事業の家族・スタッフ) | 行商従業者証 | 古物商本人が作成・交付(様式は警察庁通達に準拠) |
| 同行者(取引に関与しない運転・運搬要員) | 原則不要(ただし業務関与時は従業者扱いで行商従業者証が必要) | — |
古物商許可証は公安委員会が発行する公的書類ですが、行商従業者証は古物商本人が作成して従業者に交付する運用です。様式は顔写真・氏名・生年月日・古物商の氏名(屋号)・許可年月日・許可番号・許可した公安委員会名を記載した名刺〜カードサイズが標準。警察庁の運用例として、PVCラミネートで個人別に作成し、社員証と一体で運用する事業者も多いです。
携行を怠ると、相手方からの提示請求に応じられず取引信用を損ねるだけでなく、警察官の職務質問で身分証明ができないと盗品流通の疑いを招くリスクがあります。古物営業法に基づく取締りでは、催事会場・骨董市・出張買取の現場での提示確認が行われる場合があり、運用上必須の備品と理解されています。
行商従業者証と古物商許可証の違い
行商現場で携行する2種類の書類—古物商許可証と行商従業者証—は、誰が誰に対して交付するか・誰が携行するか・記載事項が大きく異なります。混同すると「許可証のコピーを従業者に持たせる」などの誤運用につながるため、表で整理します。
| 項目 | 古物商許可証 | 行商従業者証 |
|---|---|---|
| 交付主体 | 公安委員会 | 古物商本人(法人代表者)が作成 |
| 携行する人 | 古物商本人(個人許可の本人/法人許可の代表者) | 従業者(法人の従業員/個人事業のスタッフ等) |
| 記載事項(業界一般) | 許可番号・氏名(屋号)・許可年月日・許可した公安委員会名 | 許可番号・氏名(屋号)・許可した公安委員会名・従業者氏名・生年月日・顔写真 |
| 原本/コピー | 原本(コピー不可) | 原本(事業者作成) |
| 用途 | 営業所の許可標識掲示/本人の行商時携行 | 従業者が営業所外取引時に携行 |
| 再発行・更新 | 紛失時は公安委員会へ再交付申請 | 古物商本人が随時再作成 |
注意点は「古物商許可証のコピーを従業者に持たせるのはNG」ということ。許可証はあくまで本人の身分証であり、コピーは他人がなりすますリスクの観点で運用上認められません。従業者が現場に出るときは行商従業者証を必ず作成・携行し、本人と従業者が同行する場合でもそれぞれが自分の身分証を持つのが基本動作です。古物商台帳の運用ルールは古物台帳の書き方を参照。
行商に該当する4つの取引シーン
営業所外取引としてとくに頻度が高いのは出張買取・催事買取(デパート催事/骨董市/フリーマーケット)・露店買取・訪問買取の4類型。それぞれ運用ポイントが異なるため、シーン別に整理します。
| シーン | 典型例 | 運用ポイント |
|---|---|---|
| 出張買取 | 顧客宅・事業所への訪問査定→現地買取 | 事前予約・本人確認・取引記録・身分証携行 |
| 催事買取 | デパート催事・ホテル会場での骨董・ブランド品買取 | 会場運営者の許諾・身分証携行・古物台帳の現場記載 |
| 露店買取(骨董市・蚤の市) | 骨董市・古市・蚤の市での出店買取 | 市運営者の許諾・許可標識または身分証提示 |
| 訪問買取(特定商取引法対象) | 顧客宅への突然訪問または事前依頼での買取 | 特商法のクーリングオフ告知・身分証携行・契約書面交付 |
| オークション会場での取引 | 古物市場・古物商間の業者間オークション参加 | 古物市場主の許可確認・身分証携行・参加記録 |
| 顧客指定場所での引取り | 遺品整理現場・遺族住居での査定引取り | 本人確認・遺族関係の確認・取引記録 |
| 形態 | 場所の特徴 | 当日の動線 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 出張買取 | 顧客の住居・事業所 | 事前予約→訪問→査定→取引記録→現金または振込精算 | キャンセル時の往復負担/訪問時間の指定 |
| 催事買取 | 会場(デパート・ホテル・公民館) | 会場設営→受付→査定→現場精算→撤収 | 会場運営者の許諾・防犯動線 |
| 露店買取 | 骨董市・蚤の市の屋外区画 | 区画設営→査定→現場精算→撤収 | 天候リスク・防犯・市運営者ルール |
| 訪問買取 | 顧客の住居(特商法対象) | 事前同意→訪問→査定→クーリングオフ告知→契約書面交付→引取り | 特商法のクーリングオフ告知・8日間の解除権 |
4類型に共通するのは「身分証携行・取引記録・本人確認」の基本動作。さらに訪問買取については特定商取引法のクーリングオフ規制が重ねて適用されるため、古物営業法だけでなく特商法上の告知義務・書面交付義務にも対応が必要です。詳細は買取とクーリングオフ、訪問買取の見分け方は訪問買取の見分け方を参照。
出張買取の運用と注意点
出張買取は顧客宅・事業所への訪問→現場査定→現場精算を一連で行う最もポピュラーな行商。事業者側のメリットは商圏拡大・大量品の現地確認・遺品整理ニーズへの対応。顧客側のメリットは運搬負担なし・自宅で完結。両者にメリットがある反面、消費者トラブル(押し買い等)が社会問題化している領域でもあるため、運用は丁寧に行う必要があります。
出張買取の標準的な動線は(1)電話・Webでの事前予約、(2)訪問時間・取扱品目の確認、(3)身分証携行で訪問、(4)査定額提示、(5)同意の確認、(6)古物台帳記載・本人確認、(7)契約書面交付、(8)代金精算、(9)引取りの9ステップ。事前予約なしの突然訪問は特商法上のリスクが高いため、業界一般では事前同意ありの予約制が主流です。
古物台帳への記載と本人確認
出張買取でも古物営業法上の本人確認義務・古物台帳記載義務は営業所内取引と同じ。運転免許証・マイナンバーカード・パスポート等の公的身分証で本人確認を行い、取引年月日・品目・特徴・数量・金額・相手方氏名住所を古物台帳に記載します。3年間の保管義務もあり、紙台帳・電子台帳いずれでも運用可。記載要件は古物台帳の書き方を参照。
催事買取・骨董市・露店での運用
催事買取はデパート・ホテル・公民館等の会場を借りて期間限定で買取受付する形態。複数の古物商が集まる骨董市・蚤の市での出店買取も含めて、営業所外で短期間に多数の取引が発生するのが特徴。短期間ゆえに取引記録の現場運用がカギになります。
催事買取の運用ポイントは(1)会場運営者からの出店許諾、(2)受付動線の設計、(3)査定→現場精算→台帳記載の連結、(4)身分証携行と提示、(5)防犯動線(高額品の現金管理)。会場により「古物商営業の届出書」や「催事届出」を会場運営者に提出するルールがある場合があり、事前確認が必須。
骨董市・蚤の市の露店買取は屋外・短時間・現金中心のため、天候リスク・防犯・現金管理の運用負荷が高め。市運営者の出店ルールに従い、古物商標識または許可証提示を求められるケースが定着しています。骨董品の取扱区分は古物商の13品目分類を参照。
訪問買取とクーリングオフの関係
訪問買取は古物営業法上の行商の一形態ですが、特定商取引法でも別途規制対象としてクーリングオフ制度が適用される領域。「押し買い」と呼ばれる消費者トラブル増加を受けて、2013年の特商法改正で顧客側に強い解除権が付与されています。
訪問買取の運用は古物営業法(本人確認・台帳記載)+特定商取引法(クーリングオフ告知・契約書面交付・8日間解除権)の二重の規制を遵守。具体的には(1)訪問の事前同意、(2)契約書面の交付、(3)クーリングオフ告知の記載、(4)8日間は引取り・転売を控える運用が標準。クーリングオフ告知のないまま品物を引取って即転売すると消費者から取消請求が来ても返還不能になりリスクが高いため、8日間の保管が業界一般動向。詳細は買取とクーリングオフを参照。
「行商する/しない」を後から変更する手続き
許可取得時に「行商しない」でチェックしてしまった場合でも、変更届で後から「行商する」に変更可能。同様に、行商を停止して営業所のみに絞る場合の変更届も同じ枠組みで提出します。実務上、出張買取の問合せが増えてから慌てて追加するケースが多い手続です。
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| 古物商変更届出書(公安委員会指定様式) | 変更事項の届出本体 |
| 古物商許可証(提示用) | 許可保有者の本人確認 |
| 変更事項を裏付ける書類(必要に応じ) | 業務拡大計画・新規取引予定の説明 |
| 申請者の本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカード等 |
| 法人の場合:登記事項証明書 | 法人実在確認(既届出済なら省略可の場合あり) |
変更届は変更があった日から14日以内(登記事項に係るものは20日以内)の提出が基本(業界一般理解)。所轄の公安委員会窓口(警察署生活安全課)に提出し、原則として手数料は不要。変更届の窓口手続は古物商の申請先一覧、許可名義の変更は古物商の名義変更を参照。
無届で営業所外取引した場合のリスク
「行商する」のチェックなしで出張買取・催事買取・訪問買取を実施したり、身分証(古物商許可証・行商従業者証)を携行せずに営業所外で取引すると、古物営業法違反として行政指導・許可取消・罰則の対象になり得ます。さらに、無届の営業所外取引は盗品流通の予防が機能しないリスクとして警察庁・各都道府県警察が継続的に取締対象として位置づけています。
| 違反パターン | 想定されるリスク |
|---|---|
| 「行商しない」のまま出張買取を実施 | 古物営業法違反(営業範囲逸脱)として行政指導・許可取消 |
| 行商従業者証を携行せず従業者が営業所外取引 | 携行義務違反として罰則・行政処分 |
| 古物商許可証のコピーを従業者に持たせる | 許可証の不適切運用として指摘・是正指導 |
| 催事会場で古物台帳を現場で記載していない | 取引記録義務違反として行政指導・罰則 |
| 変更届を出さずに営業形態を拡大 | 変更届未提出として指導・処分 |
| 盗品の疑いある品物の取引 | 古物営業法違反+場合により刑事事件化 |
違反が見つかった場合、まずは口頭での是正指導が一般的ですが、悪質性・反復性が認められると営業停止命令・許可取消処分に至るリスクも。許可取消になると取消から5年間は再取得不可という重大な不利益を被ります。無許可営業の罰則の詳細は古物商の無許可営業の罰則を参照。
福岡県内の届出窓口と運用
福岡県内で古物商許可申請・行商有無の変更届を提出する場合、窓口は営業所の所在地を管轄する警察署生活安全課(防犯係)。申請受付・補正対応・許可証交付は警察署単位で運用され、福岡県警察が公式に案内しています。
| エリア | 主な所轄警察署(業界一般) |
|---|---|
| 福岡市中央区・博多区 | 中央警察署・博多警察署 生活安全課(防犯係) |
| 福岡市東区・西区・南区 | 東警察署・西警察署・南警察署 生活安全課 |
| 北九州市 | 小倉北警察署・八幡西警察署・若松警察署 等の生活安全課 |
| 久留米市 | 久留米警察署 生活安全課 |
| 糸島市・宗像市・福津市 | 糸島警察署・宗像警察署 等の生活安全課 |
| 筑後地区(八女・大牟田) | 八女警察署・大牟田警察署 等の生活安全課 |
申請から許可までは標準処理期間40日(土日祝を除く)を見込むのが業界一般。「行商する」のチェック有無は申請書記載のみで完結し、別途の手数料・追加書類は不要なのが運用標準です。福岡県内で他県をまたいで出張買取を行う場合も、福岡県公安委員会の許可1件で全国で行商可能です。営業所自宅運用の詳細は古物商営業所の自宅運用、管理者要件は古物商の管理者を参照。
取材ノート — 当社対応事例
取材ノート1:福岡市内 出張買取の身分証携行運用事例
2026年3月、福岡市中央区の個人事業主から「自宅営業所+出張買取で始めたいが、行商の届出は別途必要か」のご相談。許可申請書の「行商する」欄にチェック済みであることを確認し、追加届出は不要であることをお伝え。出張時に携行する身分証として、本人は古物商許可証、家族スタッフが同行する場合は行商従業者証を別途作成する運用を案内。許可番号・氏名・写真入りカード様式での運用例を共有しました。
取材ノート2:北九州市 催事買取(百貨店催事)の届出整理事例
2026年2月、北九州市八幡西区の中小ブランド品買取業者から「百貨店催事で1週間の出張買取を行うが、催事先での届出は必要か」のご相談。古物商許可は福岡県公安委員会1件で全国行商可能のため催事先での追加許可は不要と整理。一方、催事会場運営者の出店ルールに従った会場側書類と、古物台帳の現場記載運用(タブレット型の電子台帳)を組合せる体制を案内しました。
取材ノート3:久留米市 訪問買取とクーリングオフ告知の運用事例
2026年4月、久留米市内の遺品整理併設の買取業者から「訪問買取でクーリングオフ告知書面を毎回交付しているが、行商届出と二重対応か」のご相談。古物営業法上の行商届出(許可申請書チェック)と、特定商取引法上のクーリングオフ告知書面交付は別の制度で両方とも必要であることを整理。書面の同時交付・8日間の品物保管運用を確認しました。買取とクーリングオフの参照案内も実施。
取材ノート4:当社の行商運用と身分証携行の運用
当社は運営者情報で公示の通り福岡県公安委員会の古物商営業許可(許可番号は運営者情報に明示)を受け、古物営業法に基づく行商運用を整備。出張買取・スクラップ現場対応・遺品整理現場対応のいずれでも本人は古物商許可証、従業者は行商従業者証を携行し、福岡県警察の防犯指導方針に沿った運用としています。古物台帳は電子台帳で運用し、現場で取引記録を即時保存しています。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 古物商の「行商する」にチェックしないとどうなりますか?
- 営業所外での取引(出張買取・催事買取・訪問買取・骨董市出店等)が適法に実施できない運用です。後から変更届で追加することは可能ですが、提出までは営業所内取引に限定するのが安全。詳細は許可申請書の「行商する/しない」欄を参照。
- Q2. 行商従業者証は誰が交付しますか?
- 古物商本人(法人代表者)が作成して従業者に交付します。公安委員会から発行されるものではありません。様式は警察庁通達に準拠し、許可番号・許可した公安委員会名・従業者氏名・生年月日・顔写真を記載するのが標準。詳細は行商従業者証と古物商許可証の違いを参照。
- Q3. 古物商許可証のコピーを従業者に持たせれば行商従業者証は不要ですか?
- 不可です。古物商許可証は本人の身分証のため、コピーで従業者が携行することは認められません。従業者は別途行商従業者証の作成が必要です。
- Q4. 露店買取(骨董市・蚤の市)は行商に当たりますか?
- 当たります。営業所以外の場所での取引はすべて行商扱い。露店の場合は市運営者のルールに従い、許可標識または身分証提示を求められるケースが定着しています。詳細は催事買取・骨董市・露店での運用を参照。
- Q5. デパート催事・骨董市での買取は届出が必要ですか?
- 古物商許可は1件で全国行商可能なため、催事先での追加の古物商届出は不要。ただし会場運営者の出店届出・催事届出は別途必要なケースが多く、事前確認が実務上必須です。
- Q6. 出張買取で訪問先住所は古物台帳に書くべきですか?
- 古物台帳には取引相手の氏名・住所・職業・年齢・確認方法を記載します。訪問先住所は通常、相手方の住所と同一になるため、本人確認書類で確認した住所を記載するのが基本動作。詳細は古物台帳の書き方を参照。
- Q7. ネットだけで古物を扱う場合は行商届出は必要ですか?
- 非対面で品物を発送・受領する取引は厳密には行商に該当しないことが多い。ただしホームページのURL届出は別途必要で、顧客宅へ品物を取りに行く場合は行商扱いになります。詳細はURL届出を参照。
- Q8. 訪問買取とクーリングオフはどう関係しますか?
- 訪問買取は特定商取引法上のクーリングオフ対象。古物営業法の行商届出に加え、クーリングオフ告知書面の交付と8日間の解除権が顧客に発生します。両法令の重畳適用に注意が必要。詳細は買取とクーリングオフを参照。
- Q9. 「行商しない」で取得した後に「行商する」へ変更するには?
- 古物商変更届出書を所轄警察署生活安全課に提出します。原則として手数料不要で、変更があった日から14日以内が目安。詳細は「行商する/しない」を後から変更する手続きを参照。
- Q10. 行商従業者証を持たずに営業所外で取引したらどんな罰則がありますか?
- 携行義務違反として古物営業法に基づく行政指導・罰則の対象になり得ます。反復性・悪質性が認められると営業停止命令・許可取消処分に至るリスクも。詳細は無届で営業所外取引した場合のリスクを参照。
- Q11. 副業で古物商を取る場合でも行商を届け出るべきですか?
- 副業でも事業形態の自由度を確保するため「行商する」にチェックしておくのが基本動作。後から変更届を出す手間を考えると最初から含めるのが現実的です。法人と個人の区分は古物商の法人と個人を参照。
- Q12. 福岡県で行商届出する場合の窓口はどこですか?
- 営業所所在地を管轄する警察署生活安全課(防犯係)。福岡市内なら中央警察署・博多警察署・東警察署等、北九州市内なら小倉北警察署・八幡西警察署等。詳細は福岡県内の届出窓口と運用を参照。
- Q13. 福岡県の許可で他県の催事や出張買取に行けますか?
- 行けます。古物商許可は都道府県公安委員会単位で1件取得すれば全国で行商可能な制度設計。福岡県公安委員会の許可で東京の催事・大阪の骨董市にも出向可能。詳細は古物商の行商の全体像を参照。
- Q14. 行商の届出は更新が必要ですか?
- 古物商許可自体に更新制度はなく終身有効のため、行商の届出も自動的に有効が継続します。ただし営業実態や住所・代表者等に変更があった場合は変更届が必要。許可制度の概要は古物商の申請先一覧を参照。
まとめ — 古物商の行商を適法に運用する基本動作
古物商の行商は「営業所外での古物売買」を指し、適法に運用するための基本動作は次の5点です。
- 許可申請時に「行商する」にチェック(迷ったらチェックする運用が安全)
- 営業所外取引時の身分証携行(本人は古物商許可証/従業者は行商従業者証)
- 古物台帳の現場記載(取引相手の本人確認+取引内容の記録)
- シーン別運用の遵守(出張買取・催事買取・露店・訪問買取それぞれのルール)
- 変更があれば変更届(行商の有無・代表者・営業所住所等の変更時)
シーン別の最短ルートは以下。
- 個人事業の出張買取スタート:許可申請時に「行商する」チェック→自分用の古物商許可証携行→古物台帳の電子化
- 法人で催事買取を新規展開:従業者全員分の行商従業者証作成→会場運営者の出店ルール確認→現場台帳運用
- 骨董市・蚤の市の露店出店:市運営者のルール確認→許可証または身分証提示→現金管理動線
- 遺品整理併設の訪問買取:特商法のクーリングオフ告知書面整備→8日間の保管運用→現場台帳記載
- 後から行商を追加:所轄警察署生活安全課で変更届→提出から営業所外取引解禁
どの形態でも古物営業法・特定商取引法の遵守・本人確認・取引記録・身分証携行が大原則。出張買取・催事買取・訪問買取は社会的に注目される領域でもあり、透明性の高い運用が事業者の信用構築の柱になります。古物商関連の手続き・実務は古物商の13品目分類・古物台帳の書き方・古物商の申請先一覧を参照。