トラックの名義変更は乗用車と手続きの流れは似ていますが、大型車・事業用ナンバー車・法人所有車では必要書類が増え、手続きが複雑になります。この記事では2026年最新情報をもとに、普通トラック・大型トラックの名義変更に必要な書類(個人・法人別)、かかる費用、手順、大型特有の注意点を具体的に解説します。これから名義変更を行う方が迷わず手続きを進められるよう、実務的な情報を網羅しました。
トラックの名義変更とは
トラックの名義変更とは、車検証(自動車検査証)に記載された「所有者」または「使用者」を変更する手続きで、正式名称は「移転登録」という。道路運送車両法に基づき、所有者変更があった場合は15日以内に手続きを行う義務がある(同法第12条)。名義変更を怠ると最高50万円の罰則(同法第109条)が科される可能性があるほか、自動車税の納税通知書が旧所有者に送付され続けるトラブルの原因になる。トラックは乗用車と異なり、事業用ナンバー(緑ナンバー・営業ナンバー)の場合は国土交通省への運行管理関係書類も必要になるため、乗用車より手続きが複雑になる。
| 区分 | 共通必要書類 | 事業用 追加 |
|---|---|---|
| 新所有者 | 印鑑証明・実印・車庫証明・住民票(住所変更時) | 事業用自動車等連絡書(運輸局交付) |
| 旧所有者 | 印鑑証明・実印・委任状・譲渡証明書 | 同上 |
| 車両関係 | 自動車検査証(車検証)・自賠責保険証明書 | 同上+緑ナンバーの場合は事業用車両届出 |
| OCR申請書 | 第1号様式(窓口記入) | 同上 |
| 手数料納付書 | 500円(印紙) | 同上 |
| 車種 | 窓口 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 普通トラック(2t〜10t) | 福岡運輸支局(東区箱崎ふ頭4-2-1) | 1〜2時間 |
| 大型トラック | 同上 | 同上 |
| 軽トラック | 軽自動車検査協会 福岡主塚事務所 | 30分〜1時間 |
| 事業用(緑ナンバー) | 福岡運輸支局+運輸局交付ど連絡書 | 2〜4時間 |
| 受付時間 | 平日 8:45〜11:45 / 13:00〜16:00 | — |
※ 自家用→事業用の変更手続き・事業用自動車等連絡書の取得方法・架装変更を伴う場合の追加書類は以下で詳しく解説します。
名義変更(移転登録)と「使用の本拠の位置」の変更が同時に発生する場合(例:他府県から購入した場合)はナンバープレートの変更も必要になり、ナンバー変更費用が別途かかります。事前にどのケースに該当するか確認しておくことが重要です。
| 手続きの種類 | 内容 | 主なケース |
|---|---|---|
| 移転登録(名義変更) | 所有者を前の名義人から新しい名義人に変更 | 売買・贈与・相続など |
| 変更登録 | 所有者の住所・氏名等の変更 | 引越し・社名変更・婚姻等 |
| ナンバー変更(希望・変更) | 管轄が変わる場合や希望番号への変更 | 県外から購入・引越し |
| 事業用自動車等連絡書の交付 | 緑ナンバー(事業用)トラックの場合に追加で必要 | 運送業者間での売買等 |
必要書類(個人・法人別)
トラックの名義変更に必要な書類は、個人と法人で異なる。個人の場合は実印・印鑑証明書・車検証・自動車税申告書が基本セットとなり、旧所有者と新所有者それぞれの書類が必要だ。法人の場合は個人の実印に代えて法人の代表者印(登記されている印鑑)を使用し、個人の印鑑証明書に代えて「法人の印鑑証明書(法務局発行)」が必要となる。さらに緑ナンバー(事業用)のトラックの場合は、国土交通省(運輸支局)が発行する「事業用自動車等連絡書」の手配が加わる。書類の不備は手続き当日のやり直しにつながるため、事前チェックが重要だ。
個人が名義変更する場合の必要書類
| 書類名 | 誰の書類か | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 車に付帯 | 車内保管 | 有効期限内のもの |
| 旧所有者の印鑑証明書 | 旧所有者 | 市区町村役所・マイナポータル | 発行から3か月以内 |
| 旧所有者の実印が押された委任状 | 旧所有者 | 自作(国交省書式) | 代理人が手続きする場合 |
| 新所有者の印鑑証明書 | 新所有者 | 市区町村役所・マイナポータル | 発行から3か月以内 |
| 新所有者の実印(または委任状) | 新所有者 | 本人持参 or 委任状に押印 | 本人申請 or 代理申請 |
| 自動車税申告書(第3号様式) | 申請者記入 | 運輸支局窓口 | 当日記入可 |
| 申請書(OCRシート第1号様式) | 申請者記入 | 運輸支局窓口・国交省HP | 当日記入可 |
| 手数料納付書 | 申請者記入 | 運輸支局窓口 | 登録印紙を購入して貼付 |
法人が名義変更する場合の必要書類
| 書類名 | 誰の書類か | 取得先 | 個人との違い |
|---|---|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 車に付帯 | 車内保管 | 同じ |
| 旧所有者(法人)の印鑑証明書 | 旧所有者(法人) | 法務局 | 法人用は法務局で取得 |
| 旧所有者の代表者印(法人実印)が押された委任状 | 旧所有者(法人) | 法人が作成 | 個人の実印→法人の代表者印 |
| 新所有者(法人)の印鑑証明書 | 新所有者(法人) | 法務局 | 法人用は法務局で取得 |
| 新所有者の代表者印(法人実印)or 委任状 | 新所有者(法人) | 法人が作成 | 代表者が来る or 委任状 |
| 自動車税申告書(第3号様式) | 申請者記入 | 運輸支局窓口 | 法人名・法人番号を記入 |
| 申請書(OCRシート第1号様式) | 申請者記入 | 運輸支局窓口 | 同じ |
事業用(緑ナンバー)トラックの名義変更には、上記書類に加えて「事業用自動車等連絡書」が必要です。この書類は国土交通省(運輸支局の輸送担当窓口)から交付を受けるもので、事前申請が必要です。手続きが2ステップになるため、時間に余裕を持って準備してください。
名義変更にかかる費用
トラックの名義変更にかかる費用の内訳は、「登録手数料」「自動車税申告」「ナンバープレート代(変更の場合)」の3種が主な公的費用となる。2026年時点の登録手数料は500円(登録識別情報等通知書発行の場合は350円)で、乗用車・トラックで区別はない。ナンバープレートが変わる場合(他府県からの購入や使用の本拠変更)は大型ナンバープレート代として3,000〜5,000円程度が別途必要になる。代行業者(行政書士等)に依頼する場合は代行手数料として1〜3万円が追加される。自分で手続きを行う場合、公的費用のみで完了するため費用を抑えられる。
| 費用項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 移転登録手数料(登録印紙) | 500円 | 運輸支局の印紙売場で購入 |
| ナンバープレート代(変更不要の場合) | 0円 | 同一管轄内の名義変更はナンバー変更不要 |
| ナンバープレート代(変更ありの場合) | 大型:約3,800〜5,000円 | 前後2枚。サイズ・希望番号の有無で変動 |
| 印鑑証明書取得費用 | 300〜450円/通 | 役所・コンビニで取得。旧所有者・新所有者各1通 |
| 法人印鑑証明書(法務局) | 600円/通 | 法人の場合に必要 |
| 行政書士代行費用(依頼する場合) | 1〜3万円 | 書類作成・陸運局手続きの代行費 |
| 自動車取得税・環境性能割 | 取得価額に応じて変動 | 50万円以下の取得は非課税(自家用の場合) |
同じ運輸支局管轄内での名義変更であればナンバープレートの変更は不要です。他府県から購入した場合でも、「使用の本拠の位置」が変わらない(同一府県内)であればナンバー変更が不要なケースがあります。事前に管轄運輸支局に確認すると費用の見通しが立てやすくなります。
名義変更の手順(5ステップ)
トラックの名義変更手続きは最寄りの運輸支局(陸運局)で行う。手続き自体は平日のみ受付(多くの支局で8時45分〜16時)で、書類が揃っていれば当日1〜2時間程度で完了する。緑ナンバー(事業用)の場合は先に輸送担当窓口で連絡書を取得する必要があるため、2段階の手続きが必要になる。書類不備が最も多いミスのため、持参前に必ず書類チェックリストで確認することを推奨する。書類は記入ミスも多いため、運輸支局の窓口に見本が掲示されていることを活用したい。
| ステップ | 内容 | 場所・担当 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1. 書類の準備・確認 | 必要書類を全て揃え、有効期限・印鑑・記入漏れを確認 | 事前(自宅・役所・法務局) | 1〜3日(書類取得含む) |
| 2. 事業用連絡書の取得(緑ナンバーのみ) | 輸送担当窓口で事業用自動車等連絡書の交付を受ける | 運輸支局の輸送担当窓口 | 30分〜1時間 |
| 3. 申請書類の記入・印紙購入 | 申請書・自動車税申告書を記入。登録手数料の印紙を購入 | 運輸支局の窓口・印紙売場 | 20〜30分 |
| 4. 登録窓口に申請・審査 | 書類一式を登録窓口に提出。担当者が書類確認・審査を行う | 運輸支局の登録窓口 | 30分〜1時間(混雑により変動) |
| 5. 新車検証の受取・ナンバー変更(必要な場合) | 新しい車検証を受け取る。ナンバー変更が必要な場合は交換作業も | 運輸支局の交付窓口・ナンバー取付け | 30分〜1時間 |
大型トラック・緑ナンバーの特有の注意点
大型トラック(車両総重量8トン超)および事業用(緑ナンバー)トラックには、普通トラックの名義変更にはない追加手続きが存在する。最も重要なのが「事業用自動車等連絡書」の取得で、運送業の許可を持つ事業者間でのみ緑ナンバーのまま名義変更できる。運送業許可のない個人が緑ナンバートラックを購入・名義変更する場合は、白ナンバー(自家用)への変更(事業用廃止届)が必要になる。また車両総重量8トン超のトラックは「特殊車両」に該当する場合があり、道路管理者への特殊車両通行許可申請が別途必要なケースがある。
| 注意点 | 内容 | 対応策 |
|---|---|---|
| 事業用自動車等連絡書の必要性 | 緑ナンバーのまま名義変更するには運輸担当窓口での連絡書取得が先 | 登録窓口に行く前に輸送担当窓口へ |
| 運送業許可のない個人への名義変更 | 緑ナンバーのまま個人所有者へ移転は不可 | 白ナンバーへ変更手続き(事業用廃止届)が必要 |
| 特殊車両通行許可 | 車両総重量・軸重・寸法が基準超の大型車は道路管理者への許可申請が必要 | 国土交通省の特殊車両通行許可申請窓口へ |
| 車検の有効期限確認 | 大型トラックの車検は1年。購入時に残存期間を確認 | 名義変更と同時に車検状況も確認 |
| フォークリフト等構内専用車 | 構内専用はナンバー取得不要の場合あり。公道使用の場合は要確認 | 用途によって手続きが変わるため事前確認 |
緑ナンバー(事業用)は有償での貨物輸送を行う運送業者が使用するナンバーです。運送業の許可(貨物自動車運送事業法に基づく一般貨物自動車運送事業の許可)を持たない個人・法人が緑ナンバーのトラックを取得・使用することはできません。購入前に必ず確認してください。
よくある質問
トラックの名義変更について実際に多く寄せられる疑問を、2026年4月時点の制度・実務情報に基づいて回答します。手続き当日の書類不備による出直しが最も多いトラブルのため、事前の書類チェックを徹底してください。不明点は最寄りの運輸支局(自動車登録窓口)に電話で確認すると確実です。
トラックの名義変更は自分でできますか?代行は必要ですか?
書類が揃っていれば自分で手続きできます。申請書・自動車税申告書は運輸支局窓口で当日記入可能です。ただし緑ナンバー(事業用)の場合は輸送担当窓口→登録窓口の2ステップが必要になり複雑なため、初めての方は行政書士に代行依頼(1〜3万円)する方がスムーズなケースが多いです。
名義変更しないとどうなりますか?
道路運送車両法第12条により所有者変更から15日以内に手続きする義務があります。怠ると最高50万円の罰則(同法第109条)が科される可能性があります。また自動車税の納税通知書が旧所有者に送付され、税金トラブルや保険・事故時の責任問題が発生するリスクがあります。
名義変更と同時に車検を通すことはできますか?
はい、同じ日に名義変更(移転登録)と車検(継続検査)を一緒に行うことは可能です。運輸支局では登録・検査を同じ施設内で行える場合が多く、順番に手続きを進めます。事前に運輸支局に確認して必要書類を全て揃えてから行くとスムーズです。
他県のトラックを購入した場合、ナンバーは変わりますか?
使用の本拠の位置(主に車を使う場所)が変わる場合はナンバープレートの変更が必要です。他県から購入した場合でも、使用の本拠が購入前と同じ管轄内であればナンバー変更不要です。大型トラックのナンバープレート代は前後2枚で3,800〜5,000円程度です。
ローンが残っているトラックの名義変更はできますか?
ローン残債がある場合、所有者がローン会社(信販会社・銀行)になっているケースが多く、所有者と使用者が異なる状態です。この場合は所有者(ローン会社)の承諾と書類が必要になります。事前にローン会社に連絡して名義変更の可否・必要書類を確認してください。
法人から個人への名義変更はどう手続きしますか?
法人から個人への移転登録では、旧所有者(法人)の印鑑証明書(法務局発行)と代表者印が押された委任状、新所有者(個人)の印鑑証明書と実印の押印が必要です。手続きの流れは通常の移転登録と同じで、運輸支局の登録窓口で行います。
名義変更せずに廃車にすることはできますか?
旧所有者名義のまま廃車(永久抹消登録・一時抹消登録)を行うことは可能ですが、旧所有者の書類(印鑑証明書・委任状等)が必要です。旧所有者が協力的であれば名義変更と廃車を同時に行うことも可能です。廃車の場合は先に廃車業者に引取り依頼して解体証明書(移動報告番号)を取得してから運輸支局で手続きします。
まとめ
トラックの名義変更(移転登録)は書類が揃えば当日1〜2時間で完了できる手続きです。個人か法人か、白ナンバーか緑ナンバーかによって必要書類が変わります。大型トラック・緑ナンバー車は事業用自動車等連絡書の取得が先に必要なため、手続きが2段階になる点を事前に把握してください。書類の不備による出直しが最も多いトラブルのため、持参前にチェックリストで確認することが重要です。不明な点は最寄りの運輸支局の登録窓口または輸送担当窓口に電話で確認すると、無駄足を防げます。
- 名義変更(移転登録)は所有者変更から15日以内に運輸支局で手続きする義務がある(道路運送車両法第12条)
- 個人:実印・印鑑証明書が必要。法人:代表者印・法務局発行の印鑑証明書が必要
- 緑ナンバー(事業用)は輸送担当窓口で事業用連絡書を先に取得する2段階手続きが必要
- 費用:登録手数料500円+ナンバー変更の場合3,800〜5,000円+代行依頼する場合1〜3万円
- 書類が揃えば当日1〜2時間で完了。書類不備による出直しが最多トラブル
- 運送業許可のない個人が緑ナンバー車を取得する場合は白ナンバーへの変更が必要
更新ポリシー: この記事の手続き・費用に関する情報は、道路運送車両法・関連省令の改正時に速やかに見直しを行います。手続きの詳細は最寄りの運輸支局でご確認ください。
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