故人の車を廃車・売却する方法【2026年最新】相続手続き・名義変更・必要書類を完全解説





故人の車を廃車・売却する方法【2026年最新】相続手続き・名義変更・必要書類を完全解説

大切な方が亡くなったあと、実家に残された車をどうすればいいか、途方に暮れてしまう方は少なくありません。「名義が亡くなった父のまま」「車庫証明はどうするの」「忙しくて手続きが後回しになっている」——そんな状況でも、まだ間に合います。焦らなくて大丈夫です。相続した車の手続きには期限がなく(自賠責・任意保険・税金の問題は別途ありますが)、正しい順序で書類を揃えれば、自分で完結させることができます。この記事では2026年最新の手順を、ステップごとに丁寧に解説します。

結論:故人の車は3つの選択肢。手続きには遺産分割協議書+死亡記載戸籍が必須。期限なしだが税金・保険は早期対応推奨。
故人の車 3つの選択肢
選択肢 適する状況 必要な手続き
1. 名義変更して使用 引き続き使う家族がいる 移転登録
2. 売却(買取) 価値ある車・乗らない 名義変更後に売却(業者代行可)
3. 廃車(スクラップ) 古い・故障・乗らない 永久抹消登録
相続による廃車・名義変更 必要書類
書類 取得先 備考
故人の死亡記載戸籍謄本 本籍地役場 死亡日付の確認
相続人全員の戸籍謄本 各人の本籍地役場 相続関係証明
遺産分割協議書 相続人全員で作成 車両特定+全員実印
相続人全員の印鑑証明書 市区町村役場 3か月以内
車検証・実印・ナンバー 通常の廃車書類
簡易対応のケース(車両100万円以下)
ケース 使える書類
査定額100万円以下 遺産分割協議成立申立書(簡易書式)
軽自動車 遺産分割協議書不要・申請書のみ
相続人1人のみ 戸籍で相続関係証明・協議書不要

※ 名義変更の詳細手順・遺産分割協議書の書き方・買取と廃車の使い分けは以下で詳しく解説します。

まず知っておきたい「相続した車」の3つの選択肢

故人が所有していた車を相続した場合、取れる選択肢は大きく3つあります。(1)相続人が名義変更して引き続き使用する、(2)買取業者に売却(名義変更を省略できるケースあり)、(3)廃車にしてスクラップとして処分する。どの選択肢が最適かは車の状態・年式・相続人の数・遺産分割協議の状況によって異なります。いずれの場合も、まず「誰が車を引き継ぐか」を相続人間で合意することが出発点です。車の価値が100万円以下であれば簡易的な書類対応で進められるケースもあります。

選択肢 概要 メリット こんな場合に向いている
名義変更して使用 相続人が新所有者として登録 車をそのまま使い続けられる 車の状態が良く、引き続き使いたい方がいる
売却(買取) 買取業者に譲渡 現金化できる。手続きを業者が代行 乗らないが価値がある車。手続きを任せたい
廃車(スクラップ) 解体して永久抹消登録 維持費・保険料がかからなくなる 古い・壊れている・もう乗らない車

「名義変更(移転登録)」の手順と必要書類

故人から相続人へ車の名義を変更する手続きは「移転登録」と呼ばれ、運輸支局(普通車)または軽自動車検査協会(軽自動車)で行います。手続きに法律上の期限はありませんが、名義を変えないまま自動車税の納税通知書が届いたり、保険の手続きが滞ったりすることがあります。必要書類は「戸籍謄本(故人と相続人の関係を証明)」「遺産分割協議書または全相続人の同意書」「印鑑証明書」「車検証」等が基本。相続人が1名の場合と複数の場合で必要書類の量が変わります。

相続人が1名の場合(単独相続)

相続人が一人であれば、遺産分割協議書は不要です。故人との続柄がわかる戸籍謄本と、相続人自身の印鑑証明書・実印があれば手続きできます。

書類名 入手先 備考
自動車検査証(車検証) 車内(ダッシュボード等) 原本が必要。紛失は運輸支局で再発行(350円)
故人の戸籍謄本(除籍) 故人の本籍地の市区町村役場 死亡の記載があるもの
相続人全員の戸籍謄本 各自の本籍地の市区町村役場 続柄を証明するもの
相続人の印鑑証明書 住民登録のある市区町村役場 発行から3か月以内のもの
相続人の実印 印鑑証明書に登録済みの印鑑
車庫証明書 相続人の住所を管轄する警察署 発行から1か月以内のもの
申請書(OCRシート第1号様式) 運輸支局窓口 当日記入。手数料500円(登録印紙)
手数料納付書 運輸支局窓口 当日記入

相続人が複数の場合(遺産分割協議後)

相続人が複数いる場合は、誰が車を取得するかを全員で合意した「遺産分割協議書」が必要です。協議書には相続人全員の実印が必要になります。協議書の代わりに「遺産分割協議成立申込書」(軽自動車の場合の書類名称)を使う場合もあります。

  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印・印鑑証明書付き)
  • 相続人全員の戸籍謄本(続柄を確認するため)
  • 取得者(新所有者)の印鑑証明書・実印
  • 車庫証明書(取得者の住所管轄の警察署で取得)
  • 車検証(原本)

「廃車(永久抹消登録)」の手順と必要書類

相続した車を廃車にする場合は「永久抹消登録」の手続きを行います。この手続きは先に車を解体してからでないと行えません。解体業者(スクラップ業者)に車を引き渡すと、「移動報告番号」と「解体報告記録日」が通知されます。この2点を申請書に記入して運輸支局に提出するのが永久抹消登録の核心です。故人の車を廃車にする場合は、一度相続人への名義変更を行ってから廃車にするか、名義変更を省略して直接廃車できるケースもあります。まず運輸支局または解体業者に確認してください。

1
相続人の確定と書類準備

誰が車を相続するか(または共同名義か)を決め、戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書等を揃えます。

2
解体業者(廃車業者)へ依頼

スクラップ業者または廃車専門業者に車を引き渡します。古物商許可を持つ正規業者に依頼することが重要です。解体後に「移動報告番号」と「解体報告記録日」が通知されます。

3
リサイクル券の確認

車に付属している「自動車リサイクル券」を確認します。紛失している場合は自動車リサイクルシステム(JARS)のウェブサイトで確認できます。

4
ナンバープレートを取り外す

ナンバープレート前後2枚を取り外して運輸支局に返納します。封印がある後部プレートは封印取外し申請が必要な場合があります(業者が代行することも可能)。

5
運輸支局で永久抹消登録の手続き

解体報告記録日から15日以内(任意では遅くとも翌月末まで)に、運輸支局で申請書に必要事項を記入して手続きします。手数料は無料(印紙代不要)。

6
自動車税・重量税の還付申請

廃車すると自動車税(月割り)と自動車重量税(車検残存期間分)の還付を受けられます。重量税の還付申請は同日に行えます。

相続時の廃車・名義変更でかかる費用の目安

相続に伴う車の手続きで実際にかかる費用は、手続きの種類と書類の取得枚数によって異なります。名義変更(移転登録)では登録免許税(移転登録手数料)500円が基本ですが、車庫証明書の取得費用(2,500〜2,900円程度)や戸籍謄本の取得費用(1通450〜750円)が別途かかります。廃車(永久抹消登録)は手数料自体は無料ですが、解体費用は車の状態・サイズによって変わります。書類を自分で揃えれば行政書士費用(1.5〜3万円程度)を節約できます。

費用項目 金額の目安 支払先
移転登録手数料(名義変更) 500円(登録印紙) 運輸支局
車庫証明書取得費用 2,500〜2,900円程度 管轄警察署
印鑑証明書(1通) 300円前後 市区町村役場
戸籍謄本(1通) 450〜750円 市区町村役場
永久抹消登録手数料 無料(0円) 運輸支局
解体・廃車費用(普通車) 0〜3万円程度(状態・業者による) 廃車業者
行政書士代行費用(任意) 1.5〜3万円程度 行政書士

※車の状態が良ければ廃車費用がかからないか、逆に買取金額が発生することもあります。古物商許可を持つ正規業者に相談すると、費用面も含めて最適な方法を提案してもらえます。

名義変更をしないままだとどうなるか

故人名義の車を放置した場合、複数のリスクが生じます。最も身近な問題は「自動車税の納税通知書が故人宛に届き続ける」こと。税金は相続人が引き継ぐ義務があり、未払いが続くと延滞金が発生します。また、任意保険の名義変更も必要で、故人名義のまま保険が失効すると無保険運転になるリスクがあります。さらに、車を売却しようとしたときに名義が亡くなった方のままでは手続きができません。事故や違反の場合の名義上の責任問題もあります。早めの対応が将来の手間を減らします。

  • 自動車税の未払い・延滞金: 故人名義のままでも相続人に納税義務が引き継がれます
  • 任意保険の失効リスク: 保険会社への連絡が遅れると保険が無効になる場合があります
  • 売却・廃車が困難になる: 名義人が存在しないため書類を揃えにくくなります
  • 相続関係が複雑化する: 時間が経つほど戸籍収集が複雑になることがあります

車庫証明はどこで取得するか

名義変更に必要な「車庫証明(自動車保管場所証明書)」は、車を保管する場所(駐車場)を管轄する警察署の交通課で申請します。申請から発行まで通常3〜5業日かかります。費用は都道府県により異なりますが2,500〜2,900円程度です。相続の場合、「亡くなった方の実家の駐車場に保管する」「相続人の自宅駐車場に移す」など保管場所が変わることが多いため、新しい保管場所の住所で申請します。賃貸駐車場の場合は「保管場所使用承諾証明書」、自己所有の場合は「自認書」が必要です。

よくある質問

祖父が亡くなり車の名義がそのままです。問題はありますか?
直ちに違法とはなりませんが、自動車税の納税義務は相続人に引き継がれています。また任意保険の継続手続きが滞ると無保険リスクが生じます。名義変更の法律上の期限はありませんが、売却・廃車をする際や相続関係が複雑になる前に、早めに手続きを行うことを強くお勧めします。
配偶者が亡くなりました。名義変更はどこで手続きできますか?
普通車(3ナンバー・5ナンバー等)は運輸支局(または自動車検査登録事務所)で、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きします。福岡市周辺であれば「福岡運輸支局(福岡ナンバー管轄)」が窓口です。平日のみの受付となりますので、事前に必要書類を確認してから出向くと1回で完結できます。
車を相続したが車庫証明や印鑑証明など何が必要ですか?
基本的に必要なものは、(1)故人・相続人全員の戸籍謄本、(2)遺産分割協議書(相続人が複数の場合)、(3)新所有者の印鑑証明書・実印、(4)車庫証明書、(5)車検証(原本)、(6)申請書(窓口で入手)です。車庫証明書は管轄警察署で3〜5業日かかるため、先に申請しておくとスムーズです。
1,000万円以下の車の相続は簡易手続きで可能と聞きましたが本当ですか?
遺産分割協議書の代わりに「遺産分割協議成立申込書」を使える制度があります(自動車のみに適用)。ただし、これは遺産分割協議が成立しており、他に自動車以外の遺産がある場合でも活用できます。どちらの方式が適切かは実際の遺産状況によって異なりますので、運輸支局または行政書士に事前確認することをお勧めします。
廃車にする場合、名義変更は省略できますか?
解体業者によっては、相続人名義への移転登録を省略して直接廃車手続きを代行できるケースがあります。ただし、業者によって対応が異なります。正規の古物商許可を持つ業者であれば相続廃車の流れに慣れており、書類の不備を防ぎながらスムーズに進めることができます。まずは業者に「相続した車の廃車」と伝えて確認してください。
車検が切れている(車検切れの)車でも名義変更や廃車はできますか?
車検が切れていても名義変更・廃車の手続き自体は可能です。ただし、公道を走ることはできないため、廃車業者に引き取りを依頼する(レッカー移動または積載車で搬送)か、仮ナンバーを取得して自走する必要があります。仮ナンバーは市区町村役場で1日750円程度で申請できます。

まとめ

大切な方を失ったあとの手続きは、精神的にも体力的にも負担がかかります。しかし、車の相続手続きは正しい順序で進めれば、ほとんどの場合自分でできます。まず相続人を確定し、車をどうするか(使う・売る・廃車にする)を決める。それだけで次のステップが見えてきます。一人で抱え込まず、わからないことは運輸支局や古物商許可を持つ正規業者に相談してください。

  • 相続した車の選択肢は「名義変更して使用」「売却」「廃車」の3つ。まず相続人間で合意を
  • 名義変更(移転登録)には戸籍謄本・遺産分割協議書・印鑑証明書・車庫証明書が必要
  • 廃車(永久抹消登録)は解体業者への引き渡し後、移動報告番号を確認して運輸支局へ
  • 名義を放置すると自動車税の未払い・保険失効・売却困難などリスクが積み重なる
  • 古物商許可を持つ正規業者なら、相続廃車の書類代行・買取も含めてワンストップで対応可能

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