自動車税の還付|早見表・計算式・いつ戻る・軽は対象外

廃車にしたとき戻る「自動車税(種別割)」の還付は、抹消登録した月の翌月から3月までの分を月割で返してもらえる制度です。計算は年税額 ÷ 12 ×(抹消の翌月〜3月の月数)、振込まではおおむね2か月半。ただし軽自動車税には還付制度そのものがありません。さらに「下取り・買取」で渡すと書類は名義変更になり、あなたには1円も戻りません。ここでは「いくら・いつ・誰に」を、排気量別の早見表と申請の流れまで一気に確認できます。

結論:戻るのは普通車・小型車だけ。抹消登録(廃車)の翌月から3月までの月割分が、申請後おおむね2か月半で本人口座に振り込まれます。

1. あなたはいくら戻る? ― 排気量×抹消月の早見表

還付額は「年税額」と「抹消(廃車)した月」の2つだけで決まります。自動車税(種別割)は都道府県税で、4月1日時点の所有者に1年度分(4月〜翌3月)が課税されるため、年度途中で抹消すると使わなかった月数分が戻ります(出典:総務省・各都道府県主税局)。下表で自分の車に近い行を見れば、戻り額の概算が3秒でつかめます。額は2019年10月以降の新税率・普通車の例です。

排気量(年税額)別・抹消月ごとの還付額の目安(100円未満切り捨て前の概算)
排気量(年税額) 7月に抹消
(8〜3月=8か月)
10月に抹消
(11〜3月=5か月)
1月に抹消
(2〜3月=2か月)
1.0L以下(25,000円) 約16,600円 約10,400円 約4,100円
1.5〜2.0L(36,000円) 約24,000円 約15,000円 約6,000円
2.0〜2.5L(43,500円) 約29,000円 約18,100円 約7,200円
3.0〜3.5L(57,000円) 約38,000円 約23,700円 約9,500円

還付額は100円未満切り捨て。登録から13年超の車は税額が約15%重くなる(重課)ぶん、還付の元になる年税額も上がります。上表はあくまで目安で、最終額は各都道府県の税事務所・現地査定で確定します(買取保証ではありません)。

2. 計算式は1つだけ ― 自分で出してみる

還付額の式は「年税額 ÷ 12 ×(抹消した月の翌月〜翌3月までの月数)」のひとつだけです。ポイントは「抹消した月は数えず、翌月から3月まで」を月数に取ること。年度分を前払いした税金のうち、使わなかった月数分が戻る、というシンプルな仕組みなので、車検証の排気量と抹消予定月さえ分かれば自分で概算できます。

年税額 ÷ 12 ×(抹消した月の翌月〜翌3月までの月数)

例)排気量1.7L・年税額39,500円の車を8月に永久抹消 → 9月〜3月の7か月分 → 39,500 ÷ 12 × 7 = 約23,000円が還付されます。

注意したいのは3月に抹消すると残月数が0になり、還付はゼロという点。逆に年度の早い時期(4〜5月)に抹消するほど、戻る月数が増えます。

3. 軽自動車は戻らない ― ここで一番勘違いが起きる

最大の落とし穴が「軽自動車も同じように戻る」という思い込みです。軽自動車税(種別割)には月割の還付制度そのものがありません。普通車の自動車税が都道府県税で月割精算できるのに対し、軽自動車税は市町村税で、4月1日時点の所有者に1年分を課す「年税」方式。年度途中で廃車・譲渡しても、その年度分は全額負担で1円も戻らないのが原則です(出典:総務省・各市区町村)。

普通車・小型車と軽自動車の課税・還付のちがい
普通車・小型車(自動車税) 軽自動車(軽自動車税)
税の種類 都道府県税 市町村税
課税のしくみ 月割で精算できる 年単位(4/1基準・月割なし)
年度途中で廃車 残月分が還付 還付なし(全額負担)
損しない手放し時期 いつでも残月分は戻る 翌年度の4/1より前に手放せば、翌年分の課税を回避できる

軽で損をしないコツは「還付を狙う」のではなく「翌年度ぶんの課税が始まる4月1日より前に廃車・名義変更を終わらせる」こと。これで翌年の軽自動車税そのものがかからなくなります。なお、自動車税は戻らなくても、自動車重量税や自賠責保険料は軽でも還付・解約返戻の対象になる場合があるため、軽だからと全部あきらめるのは早計です。

4. 「月をまたぐ」と1か月分が消える

自動車税の還付は月単位で計算します。同じ月内なら、1日に手続きしても末日に手続きしても還付額は同じ。だからこそたった1日のズレで還付が1か月分減ることがあります。しかも基準になるのは「業者に車を渡した日」ではなく、運輸支局で実際に抹消登録された日。書類不備で翌月にずれると、その分だけ確実に目減りします。

抹消完了日が月をまたぐと還付がどう変わるか(2.0L=年税額36,000円の例)
抹消が完了した日 還付の対象月 還付額の目安
8月31日までに完了 9〜3月=7か月 約21,000円
9月1日にずれ込む 10〜3月=6か月 約18,000円(▲3,000円)

「来月でいいか」と先延ばしにすると、その分だけ確実に減ります。基準日は引き渡し日でなく登録日なので、月末ギリギリより少し余裕を持って動くのが鉄則です。

5. 「下取り・買取」にすると還付がゼロ ― 金額計算より大きい損

還付が戻るのは抹消登録(永久抹消・一時抹消・輸出抹消)をしたときだけです。下取りや中古車買取で車を渡すと、書類上は名義変更(移転登録)。年度の残りの税金は新しい所有者(=業者)に紐づくため、あなたには還付が発生しません。「廃車にしておきます」と口頭で言われても、実際の書類が名義変更なら還付はゼロ。これが金額計算より大きい損です。

手続きの種類別・自動車税(種別割)の還付可否
手続きの中身 自動車税の還付は… 起きやすい場面
永久抹消登録(解体) 戻る(残月分) 解体して廃車にする
一時抹消登録 戻る(残月分) 一時的に登録を抜く
輸出抹消登録 戻る(残月分) 輸出目的で抹消する
下取り・買取(名義変更) あなたには戻らない ディーラー下取り・中古車買取

手放す前に「これは抹消登録か、名義変更か」を口頭でなく書類で確かめることが、唯一の防ぎ方です。名義変更で渡す場合でも、後述のとおり良い業者は還付相当額を買取価格に上乗せして精算するので、損得は提示額の内訳で判断できます。

6. 自分で申請する vs 廃車買取に任せる

「業者に任せると還付金を取られるのでは」という心配がありますが、見るべきは「取られるかどうか」ではなく「還付相当額が買取価格に反映されているか」です。自分で申請すれば全額が本人に戻る一方、平日の窓口・書類作成が必要。廃車買取に任せると、抹消手続きごと代行され、還付見込み額を買取価格に含めて一括で受け取れます。どちらが得かは、手間と取りこぼしリスクをどう見るかで決まります。

還付金の受け取り方3パターンの比較
やり方 還付金の扱い 向いている人
自分で税事務所・運輸支局へ申請 全額自分に戻る。ただし平日の窓口・書類作成が必要 時間が取れる・支局が近い人
廃車買取に依頼(還付相当額を買取額に上乗せ) 還付見込み額を買取価格に含めて一括で受け取れる 手間なく・取りこぼしなく終えたい人
下取り・名義変更(避けたい) 還付は業者へ。あなたには戻らない (おすすめしない)

良い業者は還付見込みを前提に金額を提示します。提示額の内訳に「還付分が入っているか」を一言聞くだけで、損得が一目で分かります。逆に還付の話が一切出ない・名義変更で済まそうとする場合は要注意です。

7. 申請から振込までの流れと期間

廃車にしただけでは自動では振り込まれません。抹消登録 → 還付通知書の到着 → 口座情報の返送 → 振込という流れで、全体でおおむね2か月半が目安です。指定口座は原則本人名義。住所変更をしていないと通知書が旧住所に届き、受け取り損ねる原因になるため、転居している人は先に住所変更を済ませておきましょう。

  1. 抹消登録(廃車手続き)を行う … 永久抹消・一時抹消・輸出抹消のいずれでも自動車税は還付対象。
  2. 還付通知書が届く … 抹消からおおむね1〜2か月で、都道府県の税事務所から到着。
  3. 口座情報を返送/窓口で受領 … 指定口座は原則本人名義
  4. 振込(または現金受取) … 返送・申請から2〜4週間。全体で約2か月半が目安。

還付請求権の時効は5年(地方税法第18条の3)。通知書の為替・受取期限は短いので、届いたら早めに手続きしてください。手続きの細部や受取方法は都道府県によって異なるため、最終的にはお住まいの都道府県税事務所の案内をご確認ください。

8. 福岡で廃車するときの実情(編集部メモ)

古物商許可業者として福岡で廃車・買取を扱う中で多いのが、「下取りに出したら還付金の話が一度も出なかった」というケースです。普通車は運輸支局、軽は軽自動車検査協会と窓口が分かれており、特に軽は「自動車税の還付がない」と思い込んだ結果、本来戻る重量税・自賠責まであきらめてしまう取りこぼしが起きやすい傾向があります。

月末ギリギリの持ち込みで書類不備により翌月にずれ、1か月分減ってしまった例も実際にありました。現場で一番お伝えしたいのは、金額計算より先に「いつ・どの手続き(抹消か名義変更か)で手放すか」を決めること。ここを押さえれば、還付の取りこぼしはほとんど防げます。

9. よくある質問

Q. 廃車にすれば自動で還付金は振り込まれますか?
いいえ。抹消登録のあと、税事務所から届く還付通知書に従って口座情報を返送する手続きが必要です。何もしないと振り込まれません。
Q. 軽自動車でも自動車税は戻りますか?
軽自動車税(種別割)には月割の還付制度がないため、廃車にしても戻りません。これは軽が市町村税の「年税(4/1基準)」だからです。ただし自動車重量税・自賠責保険料は普通車と同じく戻る場合があります。軽は「翌年度の4月1日より前に廃車・名義変更を終える」ことで翌年分の課税を避けるのが得策です。
Q. 売却(下取り)だと還付はどうなりますか?
下取り・買取は書類上「名義変更(移転登録)」になり、年度の残り税金は新所有者に紐づくため、あなたには還付されません。良い業者は還付相当額を買取価格に上乗せして精算するので、提示額の内訳に還付分が入っているか確認しましょう。
Q. すでに下取りに出してしまいました。還付金は取り戻せますか?
名義変更が成立していると、原則あなたには戻りません。契約前に「抹消登録か名義変更か」を書類で確認するのが唯一の防ぎ方です。これから手放す方は本記事の5章を必ずご確認ください。
Q. 月末と月初、どちらで手続きすると得ですか?
同じ月内なら還付額は変わりません。ただし手続きが翌月にずれ込むと1か月分減ります。基準になるのは引き渡し日でなく実際の抹消登録日なので、月末ギリギリより少し早めに動くほうが安全です。
Q. 3月に廃車したらどうなりますか?
抹消の翌月から3月までの月数が0になるため、自動車税の還付はありません。年度末に近いほど戻る月数は減るので、手放すと決めているなら早めの抹消が有利です。

出典(2026年6月時点・各公式で最新条件をご確認ください):
総務省(自動車税・軽自動車税)、
九州運輸局(普通車の抹消登録)
軽自動車検査協会
本記事は一般的な制度の解説です。金額・可否は車種・時期・車検残により異なり、最終的な金額は現地査定・各窓口で確定します(買取保証ではありません)。

還付を取りこぼさないための最終チェック

手放す前に確かめたいのは、(1)書類が抹消登録か名義変更か、(2)抹消の完了見込み日が月をまたがないか、(3)提示額に還付相当額が含まれているか、の3点です。廃車買取を扱う専門業者に任せる場合は、1社だけで決めず同じ条件で2〜3社から見積もりを取ると、還付分を織り込んだ金額なのか単に安いだけなのかを比べられます。制度の細部は都道府県で異なるため、最終確認は管轄の税事務所と運輸支局で行うのが確実です。

あわせて、廃車にともなう各種還付金の全体像は廃車の還付金まとめ、事故車・不動車の手放し方は事故車買取ガイド、福岡の地域別の情報は福岡エリア一覧もご参照ください。

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