車の個人売買契約書は、当事者間トラブルを予防し、名義変更を確実に進めるための必須書面で、「売主・買主の住所氏名」「車両情報(登録番号・車台番号・年式・走行距離)」「代金額と支払方法」「引渡時期と場所」「名義変更期限(15日以内)」「瑕疵担保特約」の6要素が必須項目です。民法の売買契約・契約不適合責任、道路運送車両法の移転登録規定、国民生活センターのトラブル統計を踏まえ、ひな形・記入例・福岡県内の運用までを整理しました。
結論:車の個人売買契約書は「車両情報の正確な転記」「代金と引渡の同時履行」「名義変更を15日以内に完了させる条項」「瑕疵担保特約(現状有姿または期間限定保証)」の4点が要。署名押印は売主・買主の双方が実印で行い、印鑑証明書(発行3ヶ月以内)を添付するのが安全です。ローン残債車は名義人(信販会社)の同意がなければ売買成立せず、契約書に「残債完済後の所有権移転」条項を明記する必要があります。国民生活センターに寄せられる個人売買トラブルの多くは「契約書未作成」「車両状態の事前説明不足」「名義変更未了で旧所有者に税金請求」の3パターンに集中しており、契約書作成はトラブル回避の最重要ステップです。
※ 本ページは2026年5月時点の関係法令・公的情報・業界一般動向に基づきます(最終確認: 2026-05-23)。編集元は運営者情報、法令は民法・道路運送車両法・古物営業法、登録手続きは国土交通省 自動車検査登録ポータル、トラブル動向は国民生活センター・消費者庁、印鑑関連は法務省を参照。
車個人売買契約書の重要性と法的位置づけ
車の個人売買契約書は、民法555条以下の売買契約に該当する書面で、車両の所有権移転・代金支払い・瑕疵担保責任の所在を当事者間で明確化する役割を担います。法律上は口頭合意でも売買契約は成立しますが、車両は高額かつ後日トラブルが発生しやすい資産のため、書面化が事実上必須です。国民生活センターには「契約書がないため言った言わないの水掛け論になった」という相談が継続的に寄せられており、契約書未作成は深刻なリスクです。また道路運送車両法13条は移転登録を「取得後15日以内」と定めており、この期限管理を契約書条項に組み込むことが当事者保護の要となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 自動車売買契約書(個人間用) |
| 根拠法 | 民法555条以下(売買契約)/道路運送車両法13条(移転登録) |
| 契約成立要件 | 当事者の合意(民法上は口頭でも可。書面化は推奨) |
| 当事者 | 売主(所有者)/買主 |
| 対象物 | 普通自動車・軽自動車・二輪車(バイク) |
| 関連手続き | 移転登録(普通車)/名義変更(軽)/自賠責の名義変更 |
| 主な紛争類型 | 瑕疵・故障・契約不適合/名義変更未了/代金未払い |
書面化の意義と業者買取との比較
口約束でも売買契約は成立しますが、瑕疵発覚時の責任所在・代金支払遅延・名義変更未了の税金請求などが起きると書面がなければ立証が困難で、契約書は紛争予防の最有力ツールです(個人売買トラブルに事例整理)。個人売買は中間マージンがない反面、瑕疵担保・名義変更・代金回収のリスクをすべて当事者が負います。業者買取は古物商許可業者として古物営業法の規制を受け、書面交付義務・帳簿管理義務などが課されるため、当事者保護の水準は高くなります(福岡の廃車業者の選び方)。
必須記載項目(6要素)の詳細
個人売買契約書の必須項目は6要素。第一に「売主・買主の住所氏名」、第二に「車両情報(登録番号・車台番号・型式・年式・走行距離)」、第三に「代金額と支払方法」、第四に「引渡時期と場所」、第五に「名義変更期限と費用負担」、第六に「瑕疵担保特約」です。このうち車両情報は車検証どおりに1字違いなく転記することが重要で、車台番号・登録番号の誤記は移転登録不可・契約効力の争いを招きます。代金額は税込み総額を漢数字または算用数字で明記し、領収書の発行も契約書条項に含めるのが標準的です。各項目には署名・押印欄を設け、売主買主の双方が同じ日付で署名押印します。
| 要素 | 記載内容 | 記載例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1. 当事者情報 | 売主・買主の住所氏名・連絡先 | 福岡市中央区○○1-2-3 山田太郎 | 住民票どおり記載 |
| 2. 車両情報 | 登録番号・車台番号・型式・年式・走行距離・色 | 福岡500あ1234/ZWR80W-1234567 | 車検証から1字違いなく転記 |
| 3. 代金 | 売買代金額・支払方法・支払期日 | 金50万円(税込)銀行振込 | 分割の場合は内訳明記 |
| 4. 引渡 | 引渡時期・引渡場所・付属品 | 2026年6月1日 福岡市内 | 同時履行が原則 |
| 5. 名義変更 | 名義変更期限・費用負担者 | 引渡後15日以内に買主負担で完了 | 道路運送車両法13条準拠 |
| 6. 瑕疵担保 | 現状有姿または期間限定保証 | 現状有姿(隠れた瑕疵を除く) | 民法562条以下と整合 |
付属事項(推奨記載)
付属品・装備品リスト(スペアキー・ETC・カーナビ等)、修復歴・事故歴の告知(売主が知り得る範囲)、自賠責・任意保険の名義変更、自動車税の月割精算(4月1日基準の納税義務者は売主)、違約金・解除条件(手付金の取扱い)、合意管轄裁判所(紛争時の管轄)を併記しておくとトラブル予防効果が高まります。
ひな形・テンプレートの構成
個人売買契約書のひな形は、表題「自動車売買契約書」から始まり、第1条(売買の目的)、第2条(売買代金)、第3条(引渡)、第4条(所有権移転・名義変更)、第5条(瑕疵担保・契約不適合責任)、第6条(解除・違約金)、第7条(合意管轄)の7条構成が標準的です。表題下に売主・買主の特定情報、本文に各条項、末尾に作成日と双方の署名押印欄を配置します。民法の条文と整合させ、特約事項(瑕疵担保の期間限定や現状有姿売買)を明記することで紛争予防効果が高まります。書式に厳格な決まりはなく、内容が網羅されていれば手書きでも有効です。
自動車売買契約書(ひな形・標準構成)
売主 _____(以下「甲」という)と、買主 _____(以下「乙」という)は、下記自動車(以下「本車両」という)の売買について、次のとおり契約を締結する。
第1条(売買の目的)
甲は本車両を乙に売り渡し、乙はこれを買い受ける。
登録番号_____/車台番号_____/型式_____/年式_____/走行距離_____km/車体色_____
第2条(売買代金)
売買代金は金_____円(税込)とし、乙は甲に対し、本車両の引渡しと引換えに、これを甲指定の銀行口座へ振込送金する。
第3条(引渡)
甲は乙に対し、2026年_月_日までに、_____(場所)において本車両を引き渡す。引渡の時点で所有権は乙に移転する。
第4条(名義変更)
乙は本車両の引渡を受けた日から15日以内に、自己の費用負担にて移転登録(軽自動車にあっては所有者変更)を完了する。甲は名義変更に必要な書類(譲渡証明書、印鑑証明書、委任状、車検証等)を乙に交付する。
第5条(瑕疵担保・契約不適合責任)
本車両は現状有姿にて引き渡すものとし、甲は乙に対し、本契約締結時点で甲が認識している不具合・修復歴を別紙のとおり告知する。引渡後に発見された故障については、甲の故意または重過失による隠匿があった場合を除き、甲は責任を負わない。
第6条(解除)
甲または乙が本契約に違反した場合、相手方は催告のうえ本契約を解除できる。乙が代金支払いを遅延した場合、甲は引渡を留保することができる。
第7条(合意管轄)
本契約に関する紛争は、福岡地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
2026年_月_日
甲(売主)住所_____ 氏名_____ 印
乙(買主)住所_____ 氏名_____ 印
ひな形は国土交通省 自動車検査登録ポータルのフォーマット集や、自動車販売店連合会の様式が無料公開されています。書式に厳格な指定はないため、上記の標準構成を満たしていれば自作PDF・手書きでも有効。関連書式は委任状の書き方や移転登録を参照。
売主・買主の義務(情報開示・代金・登録)
売主の主な義務は「車両の現況開示」「車両の引渡」「名義変更書類の交付」「自動車税の月割精算」の4つ、買主の主な義務は「代金支払い」「移転登録(15日以内)」「保険の名義変更」の3つです。民法562条は契約不適合責任を定め、売主が知り得る瑕疵を告知しないことを禁じています。中古車個人売買は新車と異なり「現状有姿」が原則ですが、隠れた瑕疵を意図的に隠した場合は売主の責任が問われます。道路運送車両法13条は買主の移転登録を「取得後15日以内」と義務付けており、買主が怠ると登録名義は旧所有者のままとなり、自動車税・違反通知が売主に届く深刻なトラブルを招きます。福岡県内の陸運局一覧で管轄窓口を確認し、書類交付を準備します。
| 当事者 | 義務 | 根拠/期限 | 怠った場合のリスク |
|---|---|---|---|
| 売主 | 情報開示(修復歴・故障歴) | 民法562条 | 契約不適合責任・代金減額 |
| 売主 | 車両引渡・書類交付 | 民法555条 | 契約解除・損害賠償 |
| 売主 | 所有権の完全移転 | 残債なし状態で | 所有権移転不能 |
| 買主 | 代金支払い | 契約書記載の期日 | 遅延損害金・契約解除 |
| 買主 | 移転登録(15日以内) | 道路運送車両法13条 | 売主に課税・違反通知 |
| 買主 | 自賠責・任意保険の名義変更 | 運行開始前 | 保険金請求のトラブル |
引渡時に交付する書類と修復歴の告知
売主は引渡時に譲渡証明書(実印押印)・印鑑証明書(発行3ヶ月以内)・委任状・車検証・自賠責保険証明書・自動車税納税証明書・リサイクル券を交付します。車検証を紛失している場合は車検証を紛失した場合の手順で再発行が必要。修復歴(骨格部位の修理・交換歴)は査定価値を大きく左右する重要事項で、知りながら告知しなかった場合は民法562条以下の契約不適合責任に基づき、代金減額・損害賠償・契約解除を請求されます。買主側は契約書に「買主は引渡後15日以内に名義変更を完了し、新車検証の写しを売主に送付する」と明記し、違反時の違約金条項を併設することが有効です。手続きの流れは移転登録と軽自動車の名義変更を参照。
瑕疵担保特約・契約不適合責任
中古車個人売買では「現状有姿」での売買が原則で、引渡時点の車両状態をそのまま受け入れる旨を契約書に明記します。民法562条以下の契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)は、契約書で特約による制限が可能ですが、売主が知りながら告知しなかった瑕疵については免責できません。実務では「現状有姿売買・引渡後30日以内に発見された主要機関の故障に限り売主が責任を負う」など、期間と範囲を限定した特約を設けるのが一般的です。国民生活センターのトラブル事例でも瑕疵担保関連の紛争は多く、特約を明記することで紛争予防効果が高まります。
| パターン | 内容 | 適用場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 完全現状有姿 | 引渡後一切免責 | 動かない車・部品取り車 | 故意の隠匿は免責不可 |
| 期間限定保証 | 引渡後30日/90日まで主要機関の故障を保証 | 走行可能な実用車 | 保証範囲を明確化 |
| 修復歴開示型 | 修復歴を別紙開示し以後免責 | 事故車・修復車 | 別紙の写しを2通作成 |
| 無保証(部品取り) | 「動かない」前提で売買 | 不動車・廃車前提 | 引渡方法を別途定める |
売主が知りながら告知しなかった瑕疵(例:エンジン不調を隠匿、修復歴を意図的に伏せた等)は、契約書に「現状有姿」と書いてあっても民法572条により免責されません。買主は代金減額・損害賠償・契約解除を請求でき、悪質な場合は詐欺として刑事責任を問われる可能性もあります(個人売買トラブル)。
代金支払い・引渡し時期の設計
代金支払いと車両引渡は「同時履行」が原則で、買主が代金を支払うと同時に売主が車両と書類を引き渡すのが最も安全です。民法533条の同時履行の抗弁権を背景に、契約書には「代金支払と引渡は同時に行う」旨を明記します。銀行振込の場合は「振込確認後の引渡」とし、当日に振込→着金確認→車両引渡の流れを設計します。手付金を受領する場合は、契約書に手付金額・解約条件を明記し、解約手付(民法557条)として残金支払前なら買主は手付放棄で、売主は手付倍返しで解除可能とするのが標準です。
代金支払い・引渡しの標準フロー(同時履行型)
- 契約書締結(売主・買主双方で署名押印、原本2通作成)
- 買主が代金を売主指定口座へ振込(または当日現金準備)
- 売主が振込・現金を確認
- 売主が車両と書類一式(譲渡証・印鑑証・委任状・車検証等)を引渡
- 領収書を売主が買主に発行
- 買主が15日以内に名義変更を完了
- 新車検証の写しを売主に送付(買主→売主)
高額車両を分割払いとする場合は「全額完済までは所有権を売主に留保する」所有権留保特約を明記し、買主の支払遅延時に売主が車両回収請求できる構造とします。手付金は5〜10%程度が相場で、解約手付として機能させる場合は契約書への明記が必須です。
名義変更期限と未了時のリスク
道路運送車両法13条は普通自動車の移転登録(軽自動車は所有者変更)を「取得後15日以内」と義務付けており、これを怠ると同法109条により50万円以下の罰金規定があります。実務上、罰金が直ちに科されるケースは稀ですが、より深刻な問題は「自動車税の納税義務者が旧所有者のまま」になることです。4月1日基準で車検証上の所有者に納税通知が届くため、買主が名義変更を怠ると売主に税金請求が来ます。違反通知や事故時の責任も同様で、契約書に「15日以内の名義変更完了」と「新車検証写しの送付」を明記することがリスク回避の核心です。
| リスク | 影響を受ける側 | 具体的内容 |
|---|---|---|
| 自動車税の請求 | 売主 | 4月1日基準で旧所有者に納税通知 |
| 違反通知の到達 | 売主 | 駐車違反・速度違反通知が旧所有者に |
| 事故時の責任所在 | 売主 | 運行供用者責任を問われる可能性 |
| 自賠責の保険金請求 | 買主 | 名義不一致で支払が遅延する場合 |
| 道路運送車両法違反 | 買主 | 50万円以下の罰金規定(109条) |
| 売主からの催告 | 買主 | 契約書条項による違約金請求 |
確実に進める3つの方法は、①契約書に違約金条項を明記(15日超過で日額○○円等)、②売主が代理で名義変更(買主から委任状を受領・手数料は買主負担)、③名義変更完了の写し送付を契約書条項に明記(送付なき場合は違約とする)。
ローン残債車の取扱い
ローン残債のある車両は所有権が信販会社(クレジット会社)に留保されているため、所有者本人の意思だけでは売買が成立しません。民法上は所有者の同意がなければ所有権移転ができず、車検証の所有者欄を確認すると信販会社名が記載されています。個人売買を進める方法は3つ:①売却前に売主がローンを完済して所有権解除を済ませる、②売却代金で残債を一括返済する、③信販会社の事前承諾を得て名義変更する。廃車とローン残債のページに残債車の手続き詳細をまとめていますが、個人売買では信販会社の承諾が現実的に得られにくく、完済または代金充当が一般的です。
| パターン | 手順 | 注意点 |
|---|---|---|
| 事前完済型 | 売主が完済→所有権解除→売買 | 最も安全 |
| 代金充当型 | 売却代金を残債に充当して完済 | 差額のみ売主受領 |
| 承諾型 | 信販会社の承諾を得て名義変更 | 承諾が得られにくい |
| 所有権留保継続 | 使用権のみ譲渡(非推奨) | 後日トラブル確実 |
ローン完済後、信販会社に所有権解除書類(譲渡証明書・印鑑証明書)を発行してもらいます。発行までに1〜2週間かかるため売買契約のスケジュールに余裕を持たせることが重要で、所有権解除完了後に車検証の所有者欄を本人名義へ変更してから売買を進めるのが最もシンプルです。
印鑑証明・委任状・福岡の運用
普通自動車の個人売買では売主・買主双方の実印と印鑑証明書(発行3ヶ月以内)が必要で、軽自動車は認印で可と運用が緩和されています。道路運送車両法に基づく移転登録申請で、譲渡証明書・委任状に実印押印と印鑑証明書添付が義務付けられているためです(法務省所管の印鑑登録制度に基づく)。買主が単独で運輸支局へ行く場合は売主からの委任状(所有者の実印押印)が必要で、書式・記入例は委任状の書き方を参照。福岡県内の名義変更は福岡運輸支局(東区蒲田)・北九州運輸支局(普通車)、軽は軽自動車検査協会の福岡主管・北九州・筑豊・久留米各事務所が窓口です。
| 区分 | 売主 | 買主 | 添付書類 | 福岡県内の窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 普通自動車 | 実印 | 実印 | 双方の印鑑証明書(3ヶ月以内) | 福岡運輸支局/北九州運輸支局 |
| 軽自動車 | 認印 | 認印 | 不要(住民票で可) | 軽自動車検査協会(福岡主管・北九州・筑豊・久留米) |
| 普通車(法人) | 代表者印 | 実印または法人印 | 登記事項証明書(3ヶ月以内) | 同上 |
| 普通車(委任時) | 実印 | 実印 | 委任状+印鑑証明書 | 同上 |
窓口は平日のみで、混雑は月末・年度末・3月の繁忙期に集中します。国土交通省 自動車検査登録ポータルの窓口検索や陸運局一覧で詳細確認可能。福岡市内では学生・転勤族の引越時期(3月・9月)に個人売買が活発化しますが、短時間での売買成立を急ぐあまり契約書未作成のまま代金授受されるケースが頻発しており、後日のトラブルが当社にも相談として持ち込まれます。福岡の廃車業者の選び方で業者買取と個人売買の比較情報を提供しています。
トラブル事例と予防策
国民生活センターに寄せられる車個人売買トラブルは3類型に集中します。第一が「契約書未作成」、第二が「瑕疵告知不足」、第三が「名義変更未了による税金・違反請求」で、消費者庁も同様の傾向を指摘しており、いずれも契約書整備で予防可能。フリマアプリ・ネットオークション経由は対面確認なしで瑕疵の発見が後日になりやすく、古物商の13品目分類に該当する自動車取引でも個人間では業者の帳簿管理・本人確認義務が免除されるため当事者の自衛が必要です。
| 類型 | 具体的事例 | 予防策 |
|---|---|---|
| 契約書未作成 | 口約束で取引、後日立証不能 | 標準ひな形で必ず書面化 |
| 瑕疵告知不足 | 修復歴・故障歴を伏せて売却 | 修復歴別紙+期間限定保証 |
| 名義変更未了 | 買主放置で売主に税金・違反通知 | 15日以内完了条項+違約金 |
| ローン残債隠し | 所有権が信販会社のまま売却 | 車検証所有者欄を事前確認 |
| クーリングオフ誤解 | 個人売買に同制度はない | 買取のクーリングオフ参照 |
フリマアプリ・SNS取引と自賠責の注意点
フリマアプリ・SNSでの個人売買は対面確認を経ずに進むことが多く、車両状態の事前確認が不十分になりがちです。必ず現車確認を行い、契約書を交わしたうえで取引することがリスク回避の第一歩で、具体的なケーススタディは個人売買トラブルを参照。あわせて自賠責保険の名義変更も必須で、これを怠ると保険金請求時に名義不一致が問題となり、保険金が支払われない事態を招きます。手順は自賠責の解約手順を参照。
取材ノート — 当社対応事例
古物商の実務として、福岡市中央区を中心に個人売買後の手続き相談や、契約書ドラフト確認のご依頼を受けています。ここでは実際に当社窓口で扱った4事例を、個人情報を匿名化して紹介します。なお当社は古物営業法に基づく帳簿管理を行っており、相談記録は適切に管理しています。事業者情報・許可情報の詳細は運営者情報を参照ください。
事例1:ひな形ベースの契約締結(友人間取引・福岡市南区)
福岡市南区在住のA氏(30代男性)から、友人B氏に軽自動車(年式2018年・走行距離4.5万km)を50万円で譲る予定との事前相談。当社の標準ひな形を提供し、車両情報の転記方法・引渡時期・名義変更期限(15日以内)の3点を重点指導。契約締結後、買主B氏が福岡軽自動車検査協会で名義変更を10日で完了し、新車検証の写しをA氏に送付。同時履行・期日明記・写し送付の3条項により、後日のトラブルなく完結。運営者情報に古物商として記載のある相談窓口で対応した事例で、契約書整備の効果を示す好例。
事例2:瑕疵担保特約のトラブル(個人売買後の故障)
福岡市西区のC氏(50代男性)が、フリマアプリ経由で年式2014年・走行距離9万kmのミニバンを30万円で購入。契約書には「現状有姿」とのみ記載、修復歴別紙は未作成。引渡後20日でATミッションの不調が発覚し、売主D氏に修理費請求を試みるも「現状有姿契約」を理由に応じてもらえず。当社で契約書を確認したところ、修復歴の事前告知が不十分で、故意の隠匿立証も困難。「現状有姿」と書いても、修復歴別紙開示・期間限定保証を併設しなければ買主リスクが過大になる典型例。以後、当社では期間限定保証(30日・主要機関)の併設をひな形に標準化。
事例3:ローン残債車の取扱い(信販会社所有権留保)
福岡市東区のE氏(40代女性)が、ローン残債約80万円の普通車(年式2020年・残債2年)を、知人F氏に120万円で個人売買予定との相談。車検証の所有者欄を確認すると信販会社名義のまま。当社からE氏に対し、①事前完済か、②売却代金120万円のうち80万円を信販会社へ充当し残40万円をE氏受領する代金充当型、の2案を提示。E氏は代金充当型を選択し、信販会社へ事前連絡のうえ完済手続き。所有権解除書類を取得後、E氏名義に書換え、F氏への譲渡を完了。残債車の個人売買は信販会社の関与が必須であることを示す事例。
事例4:古物商として帳簿管理 → 個人売買相談の整理
当社は運営者情報に記載のとおり古物商許可業者であり、古物営業法に基づく帳簿管理(取引相手の本人確認・取引内容記録)を義務付けられています。福岡市内・近郊で年間複数件の個人売買相談を受けており、契約書ドラフトの確認、必要書類の整理、名義変更の流れ説明、ローン残債の取扱い助言などを行っています。相談内容と対応記録は古物営業法準拠で適切に保管し、再相談時の継続性を確保。個人売買は法律上「業」に該当しないため当事者は古物営業法の対象外ですが、業者の関与する取引では同法の義務が課されるため、業者経由か個人間かで運用が大きく異なります。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 個人売買契約書は手書きでも有効ですか?
- はい、内容が網羅されていれば手書きでも法的に有効です。民法上、書式に厳格な決まりはありません。ただし当事者情報・車両情報・代金・引渡・名義変更期限・瑕疵担保特約の6要素を漏れなく記載することが必要です。読みやすさと改ざん防止の観点から、PDFテンプレートをプリントして記入する方法が推奨されます。
- Q2. 契約書は何通作成しますか?
- 原本を2通作成し、売主・買主が各1通ずつ保管します。双方が同じ日付で署名押印し、契約書末尾に「本書2通作成し、各自1通を保管する」と明記します。署名押印は実印(軽は認印可)で行い、印鑑証明書は別途添付します。
- Q3. 印紙は必要ですか?
- 個人間の自動車売買契約書は印紙税の課税文書には該当しません。営業に関するものではない不動産以外の動産売買契約書は印紙税法上、課税対象外です。ただし「領収書」を作成する場合は、5万円以上で印紙が必要となります(5万円〜100万円は200円)。
- Q4. 譲渡証明書と契約書は別ですか?
- はい、別の書類です。譲渡証明書は移転登録申請のために運輸支局に提出する公的書類で、所有者の実印押印が必要です。契約書は当事者間の権利義務を定める私的書類で、運輸支局には提出しません。両方を作成するのが標準です。
- Q5. 契約書に印紙を貼る必要は本当にないですか?
- 個人間の自動車売買契約書は印紙税法上の課税文書ではないため、印紙は不要です。法人が当事者となる場合や、領収書発行時は印紙が必要となるケースがあるため、国税庁の最新案内を確認してください。
- Q6. ひな形はどこで入手できますか?
- 無料のひな形は国土交通省 自動車検査登録ポータルのフォーマット集、自動車販売店連合会、行政書士会の公開サンプル等で入手可能です。本ページ「ひな形・テンプレートの構成」セクションの標準構成(7条構成)を満たしていれば自作PDFでも有効です。
- Q7. 修復歴を告知しなかったら詐欺になりますか?
- 知りながら意図的に告知しなかった場合、民法572条の契約不適合責任を免責できず、悪質な場合は刑法上の詐欺罪に問われる可能性もあります。少なくとも代金減額・損害賠償・契約解除の民事責任は免れません。修復歴は別紙で必ず開示することが安全です。
- Q8. クーリングオフは適用されますか?
- 個人売買にはクーリングオフ制度は適用されません。クーリングオフは特定商取引法・割賦販売法等で定められた制度で、業者と消費者間の特定取引が対象です。個人間取引は対象外のため、契約締結後は基本的に解除できません。詳細は買取のクーリングオフを参照。
- Q9. 名義変更を買主が怠った場合、売主は何ができますか?
- 契約書に違約金条項が明記されていれば、それを根拠に違約金請求が可能です。また道路運送車両法13条違反として行政指導を求めることもできます。実務的には売主自身が買主から委任状を取得し、代理で名義変更を行う対応がスムーズです(手数料は買主負担)。
- Q10. ローン残債車を信販会社の承諾なしで売れますか?
- 所有権が信販会社にあるため、承諾なしでの売買は所有権移転が不能です。法律上は無権利者の処分となり、信販会社から返還請求を受ける可能性があります。廃車とローン残債の手順を参照し、必ず完済または代金充当で所有権解除してから売買してください。
- Q11. バイクの個人売買契約書も同じ構成ですか?
- 基本構成は同じです。普通自動二輪・大型自動二輪は登録手続きが普通車と類似、原付・小型自動二輪は市区町村役場での手続きとなります。バイクの個人売買のページにバイク固有の注意点を整理しています。
- Q12. 法人が当事者の場合、契約書の作り方は違いますか?
- 法人当事者の場合、署名押印欄に法人名・代表者名・代表者印(社印)を記載し、登記事項証明書(発行3ヶ月以内)を添付します。法人印は法務局で印鑑登録された印を使用し、印鑑証明書(個人ではなく法人の)を添付します。本文構造は個人間と同じで構いません。
- Q13. 福岡県内で個人売買後の名義変更はどこで行いますか?
- 普通車は福岡運輸支局(東区蒲田)または北九州運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会の福岡主管・北九州・筑豊・久留米事務所が窓口です。陸運局一覧に詳細をまとめています。買主が手続きするのが原則ですが、売主から委任状を受領すれば代理可能です。
- Q14. 契約書ドラフトの確認は依頼できますか?
- 「廃車・買取のご相談窓口(準備中)」で承る予定です。当社は運営者情報に記載のとおり古物商として個人売買相談を継続的に受けており、ひな形提供・条項確認・残債対応の助言を行っています。法律的判断を要する案件は弁護士・行政書士へのご相談を案内しています。
まとめ — 契約書作成のチェックポイント
車の個人売買契約書は、「車両情報の正確な転記」「代金と引渡の同時履行」「15日以内の名義変更条項」「瑕疵担保特約の明記」「実印と印鑑証明書の準備」「ローン残債の事前確認」の6点を押さえれば、当事者間トラブルの大半は予防可能です。民法の売買契約・契約不適合責任、道路運送車両法13条の移転登録期限、国民生活センターのトラブル動向を踏まえ、書面化を徹底することが最重要です。国土交通省 自動車検査登録ポータル等の公的ひな形を活用し、特約条項で当事者の固有事情をカバーしましょう。
- 当事者情報:住所氏名が住民票どおりか/車両情報:車検証から1字違いなく転記
- 代金:金額・支払方法・期日明記/引渡:時期・場所・付属品
- 名義変更:15日以内完了・費用負担明記/瑕疵担保:現状有姿または期間限定保証
- 修復歴別紙:事故歴・修復歴の開示/ローン残債:車検証所有者欄の事前確認
- 印鑑:普通車は実印・軽は認印/印鑑証明:発行3ヶ月以内
- 合意管轄:福岡地裁等を明記/2通作成:売主買主各1通保管