結論:建設用の移動式クレーンの買取額は「どのタイプか(ラフテレーン/オールテレーン/トラッククレーン/クローラ)× 吊上荷重とブーム形式 × 年式とアワーメーター × 移動式クレーン検査証の有効性」の掛け合わせでほぼ決まります。同じ25t級でも、タイプと稼働時間で評価は大きく開きます。とくに国産機は東南アジア・アフリカ向けの中古輸出需要が強く、不動・旧年式でも素材・部品で値が付くことが多いため、処分費を払う前にまず査定が有利です。価格はすべて目安・参考(2026年6月時点・要見積もり)で、最終金額は現地査定で確定します(買取保証ではありません)。
そもそも「建設用クレーン」は4タイプ ― どれかで査定の土俵が変わる
結論:陸上で使う移動式クレーンは大きくトラッククレーン/ラフテレーン(ホイール)/オールテレーン/クローラの4タイプに分かれます。走行装置(タイヤかクローラか)・運転室の数・公道走行の可否・吊上荷重帯がそれぞれ違い、どのタイプかで中古市場の買い手も価格レンジも変わるため、まず自分の機械がどれかを押さえるのが査定の出発点です。
「上部旋回体(クレーン装置)+下部走行体」という基本構造は共通ですが、その走行体の作りと動力伝達方式で分類されます(出典:日本クレーン協会)。下表は、各タイプの見分け方と「査定で効くポイント」を整理したものです。
| タイプ | 走行装置/運転室 | 公道走行・速度 | 主な吊上荷重帯 | 査定で効くポイント |
|---|---|---|---|---|
| トラッククレーン | タイヤ/2室(走行用・操作用が別) | 可・高速 | 小型〜大型まで幅広い | 高速移動できる=運搬範囲が広く需要が読みやすい |
| ラフテレーン(ホイール) | 大型タイヤ・全輪駆動/1室 | 可・低速(〜50km/h目安) | 多くは100t未満 | 国内で最も流通量が多く需要が安定。25t級は引き合いが広い |
| オールテレーン | 多軸タイヤ/2室 | 可・高速(長距離向き) | 100t超が多い | 大型・高単価。輸出も含め買い手が限られ個別査定色が強い |
| クローラ | クローラ(履帯)/1室 | 不可(要トレーラー運搬) | 大荷重・ラチスブーム主体 | 自走不可ぶん搬出計画が価格に直結。安定性が高く重量物現場で需要 |
※「ラフタークレーン」は加藤製作所の商品名で、一般名称はラフテレーンクレーンです。タイプ判定で迷ったら運転室の数(1室か2室か)と足回り(タイヤかクローラか)を見ると早く、これだけで4タイプの大半は切り分けられます(出典:日本クレーン協会)。
査定額を決める4要素 ― タイプ・吊上荷重/ブーム・年式/アワー・検査証
結論:タイプを押さえたら、価格は(1) 吊上荷重とブーム形式、(2) 年式・アワーメーター、(3) 足回り・油圧などの状態、(4) 移動式クレーン検査証の有効性で上下します。とくにアワーメーター(使用時間)は中古建機にとって走行距離に相当する最重要指標で、「ローアワー」ほど高査定につながります。隠さず正確に伝えるのが結果的に有利です。
| 要素 | 上振れしやすい | 下振れしやすい |
|---|---|---|
| 吊上荷重・ブーム | 需要の広いトン数帯(ラフターの25t級など)・標準仕様 | 用途が限られる特殊仕様・特注ブーム |
| 年式・アワーメーター | 年式浅・低稼働(ローアワー) | 旧年式・長時間稼働 |
| 状態(足回り・油圧) | 整備記録あり・走行系/アウトリガ良好 | 足回り摩耗・油圧不調・各動作に難 |
| 検査証・記録 | 移動式クレーン検査証が有効・定期自主検査記録あり | 検査切れ・記録欠落・付属欠品 |
中古建機の査定で「同等機種でもメーカーで雲泥の差が出る」「標準機の方が特殊仕様より良い値が付きやすい(海外バイヤーが標準機を好むため)」「ただし特殊仕様でもローアワーなら値が付く」という傾向は、中古建機の輸出商社も指摘するところです。なお具体的なトン数クラス別の買取レンジ目安と「高く売る手順」は、姉妹ページのクレーン車の売り方ページで表にしています。
移動式クレーン検査証と性能検査が査定にどう効くか
結論:つり上げ荷重3t以上の移動式クレーンは、労働安全衛生法上の「特定機械等」で、製造許可・使用検査を経て移動式クレーン検査証が交付され、原則2年ごとの性能検査で有効期間を更新します。買い手にとって検査証が有効=すぐ稼働に乗せられるため評価が上がりやすく、逆に有効期間切れは再手続きの手間ぶん下振れ要因になります。
| 項目 | 内容 | 査定への影響 |
|---|---|---|
| 製造許可 | 製造前に都道府県労働局長の許可が必要(特定機械等) | 正規ルートで製造された機体であることの前提 |
| 使用検査・検査証交付 | 3t以上は検査に合格し移動式クレーン検査証が交付される | 検査証の現存・記載内容が確認材料になる |
| 性能検査(更新) | 登録性能検査機関が実施。原則2年ごとに更新 | 有効期間内なら上振れ。記録が揃うと信頼性が加点 |
| 有効期間切れ | 期間が過ぎた機体(休止報告を除く)は廃止扱い。再使用には使用検査の申請が必要 | 再手続きの手間ぶん下振れ。ただし買取自体は可 |
| 定期自主検査 | 使用者が行う日常・定期の点検記録 | 記録が揃うと整備状態の裏づけになり加点 |
クレーンには据付式ボイラーのような「製造検査」はなく、3t以上について製造許可→使用検査→検査証交付→性能検査という流れで管理されます(出典:厚生労働省 クレーン等安全規則関係/クレーン等安全規則(e-Gov))。査定では検査証の有効期限・記載のトン数・型式がそのまま機体の素性確認に使われるため、手元にある場合は写真で先に共有すると概算が早く正確になります。
なぜ国産クレーンは値崩れしにくいのか ― 中古輸出のしくみ
結論:タダノ・加藤製作所・コベルコ・住友重機など国産機は整備状態の良さで海外から高評価を受け、東南アジア・アフリカ・中東などの中古需要が値を支えています。だから国内で「もう使わない」機体でも、海外の現役需要に乗って想定より高く売れることがあります。これが旧年式・不動でも諦めずに査定する理由です。
世界の移動式クレーン市場はアジア太平洋の建設需要を中心に伸びており、近年は新車から中古へのシフトが顕著で、日本製中古機の引き合いが強まっています(建設機械の輸出市場動向より)。一方で査定額は輸出先の市況・為替に左右され、特定国向けの落ち込みが相場を冷やすこともあるため、確定額は査定時点で確認するのが安全です。輸出時は相手国の排ガス・安全基準や検査証明の要否、盗難機の照合(建設機械管理機構=MORIS)など実務上の確認もあり、こうした出口を持つ業者ほど不動機にも値を付けやすい構図です。
不動・旧年式・検査切れでも売れる理由
結論:エンジン不調・油圧不良・自走不可・検査証切れの機体でも買取対象になり得ます。国産機はエンジン・油圧ポンプ・旋回系・足回りの部品需要と海外再生需要が強く、再生不可でも鉄・非鉄の素材で評価されるからです。無理に動かさず、現状のまま査定が安全で、結果的に手間も少なく済みます。
「動かない=処分費がかかるだけ」と決めつけて解体・廃棄に回すと、本来付くはずの値を捨てることになります。とくにクローラクレーンや大型機は自走できず搬出にトレーラーや吊上げが要るため、搬出計画ごと相談できる業者に出すと、運搬コストの見通しが立ち概算がぶれません。動く・動かない、検査証の有無を正直に分けて伝えるほど、見積もりはスムーズです。
査定前にそろえる情報 ― タイプ別チェックリスト
結論:同じ機体でも、伝える情報の精度で査定スピードと正確さが変わります。やることは下の5つだけ。無理な修理は不要、現状を正確に伝えるのが結果的に有利です。タイプによって押さえどころが少し違うので、表で整理しました。
| 順 | そろえる情報 | タイプ別の着眼点 |
|---|---|---|
| 1 | メーカー・型式・吊上荷重・年式(銘板の写真) | 全タイプ共通。ラフター/トラックは型式末尾の仕様記号も |
| 2 | アワーメーター(使用時間) | 全タイプ最重要。ローアワーは大きな加点要因 |
| 3 | 移動式クレーン検査証・定期自主検査記録 | 有効期限とトン数を確認。3t以上は特に効く |
| 4 | 各動作の良否・足回りの状態 | ホイール系はタイヤ/アウトリガ、クローラは履帯の状態 |
| 5 | 設置場所と搬出経路(道幅・進入可否・吊上げ要否) | クローラ/大型ATは自走不可。運搬見積もりに直結 |
複数の買取先に同じ情報セット(タイプ・型式・吊上荷重・年式・アワーメーター・検査証の有無)で当てると、相見積もりの比較がぶれず、適正額の把握と交渉材料になります。情報をそろえて渡すこと自体が、結果的に査定の質を上げます。
名義・所有関係と必要書類
結論:買取はどのタイプも古物営業法にもとづく本人確認が共通で必要です。加えて、公道を走るトラッククレーン等は車両書類(名義確認)、移動式クレーンは検査証があると円滑。法人名義・リース残・所有権留保がある機体は、名義や残債の精算が前提になることがあります。
クローラクレーンのように公道を走らない機体は車両登録に関する書類が不要なことが多い一方、移動式クレーン検査証は機体の素性確認に役立ちます。書類の細部は機体・取引で変わるため、見積もり時に確認すれば十分です。古物商許可・本人確認・取引記録の作成保管といった買取の手続き面は運営者情報に集約しています。
よくある質問
- Q. ラフテレーンとオールテレーンの違いは、査定にどう影響しますか?
- ラフテレーン(ホイールクレーン)は国内流通量が多く需要が安定しており、とくに25t級は引き合いが広い帯です。オールテレーンは100t超の大型が多く高単価ですが、買い手が限られ個別査定色が強くなります。まず自分の機体がどちらかを押さえ、型式・吊上荷重・アワーメーターを伝えると概算が早く出ます。
- Q. 移動式クレーン検査証が切れていても売れますか?
- 売れます。有効期間が過ぎた機体は再使用に使用検査の申請が必要になるため、その手間ぶん下振れ要因にはなりますが、買取自体は可能です。国産機は部品・素材・海外再生の需要があり、検査切れや不動でも値が付くことがあります。無理に動かさず現状のまま、検査証の有無を正直に伝えてください。
- Q. クローラクレーンは自走できませんが、搬出はどうなりますか?
- クローラクレーンは公道を走れないため、トレーラーでの運搬や吊上げが前提になります。設置場所・搬出経路(道幅・進入可否・吊上げの要否)を先に共有すると運搬見積もりが正確になり、概算がぶれません。搬出計画ごと相談できる業者に出すのが安心です。
- Q. 古い国産クレーンでも値が付くのはなぜですか?
- タダノ・加藤製作所・コベルコ・住友重機などの国産機は整備状態の良さで海外から高評価を受け、東南アジア・アフリカ等の中古需要が値を支えているためです。近年は新車から中古へのシフトで日本製中古機の引き合いが強く、国内で役目を終えた機体が海外の現役需要に乗ることがあります。確定額は輸出先の市況・為替で動くため査定時点で確認してください。
- Q. ユニックやクレーン付きトラックも、このページの対象ですか?
- このページは建設用の移動式クレーン本体(ラフテレーン・オールテレーン・トラッククレーン・クローラ)が対象です。トラックに架装した搭載型クレーン(ユニック等)は別記事で扱っています。ユニック車の買取、クレーン付きトラックの買取をご覧ください。
- Q. アワーメーターはどのくらい査定に影響しますか?
- 中古建機にとってアワーメーター(使用時間)は走行距離に相当する最重要指標で、稼働時間が少ない「ローアワー」機ほど高査定につながりやすいです。同じ型式でも年式・アワーで評価は大きく開きます。数値は隠さず正確に伝えるのが結果的に有利で、概算もスムーズに出ます。