銅の相場チャートの見方|LMEの仕組み・過去6年推移・変動要因と売り時判断

銅の相場チャートの見方|LMEの仕組み・過去6年推移・変動要因と売り時判断

銅の相場はLME(London Metal Exchange、ロンドン金属取引所)で決定される国際価格が基準であり、国内の銅スクラップ買取価格はLME相場と為替レート(USD/JPY)に連動して日々変動します。2026年4月時点のLME銅価格は約9,500〜10,000 USD/t(トンあたり)で、国内のピカ銅買取価格は1,200〜1,600円/kgです。銅の相場チャートを読めるようになれば、売却のタイミングを判断し、より高い価格で銅スクラップを売却することができます。

銅の相場チャートの見方

銅の相場チャートは、縦軸が価格(USD/tまたは円/kg)、横軸が時間(日・週・月・年)を表すグラフです。LMEの公式サイトや金属情報サービス(Kitco・Investing.com・TradingView等)で無料で閲覧できます。チャートの基本的な見方として、「トレンド(上昇・下降・横ばい)」「サポートライン(下値支持線)」「レジスタンスライン(上値抵抗線)」の3要素を把握することが重要です。

結論:銅相場はLME(ロンドン金属取引所)と銅建値(国内)に連動2026年4月時点で銅建値約1,400円/kg。日次変動でJX金属(JX TANAKA)公式サイトで毎営業日13:30頃発表されます。
銅相場 主要指標と参照先
指標 更新頻度 参照先
銅建値(国内) 毎営業日 13:30頃 JX金属(旧JXTGホールディングス)
LME銅価格 リアルタイム ロンドン金属取引所(lme.com)
NY銅先物(COMEX) リアルタイム CME Group
上海銅先物 リアルタイム SHFE(上海期貨交易所)
JX建値ヒストリー 過去データ JX金属公式サイト

※ 銅価格に影響する主要要因: 中国経済動向(世界銅需要の50%以上)・米ドル相場(国内建値に直接影響)・EV/再エネ需要(長期需要押上)・主要鉱山の供給状況(チリ・ペルー・コンゴ)・金属取引所在庫(LME在庫減で価格上昇)・地政学リスク(戦争・関税で大変動)。JX建値の見方・LME相場との連動ロジック・スクラップ買取単価との関係は以下で詳しく解説します。

銅スクラップの売却においては、LMEの「3か月先物価格(3-month)」が最も参考になります。スクラップ業者の多くは3か月先物を基に国内価格を設定しているためです。LMEの取引時間は日本時間で17:00〜翌3:00(夏時間は16:00〜翌2:00)で、翌営業日の朝に前日の終値が確定します。

為替レートの影響

LME銅価格は米ドル建てのため、円安になると国内の買取価格は上昇し、円高になると下落します。例えば、LME銅価格が9,000 USD/tで変わらなくても、為替が1ドル=140円から150円に円安になると、国内のピカ銅価格は約7%上昇します。銅の相場チャートと合わせて為替チャートも確認することが、売り時判断の精度を高めるポイントです。

LME(ロンドン金属取引所)の仕組み

LME(London Metal Exchange)は1877年に設立された世界最大の非鉄金属先物取引所で、銅・アルミニウム・亜鉛・ニッケル・鉛・錫の6種類の非鉄金属が取引されています。LMEの銅価格は世界中の銅の取引における「国際指標価格」として機能しており、日本国内の銅スクラップ業者もこの価格を基準に買取単価を設定しています。取引単位は25トン/ロット、決済通貨は米ドルです。

項目 内容
正式名称 London Metal Exchange(ロンドン金属取引所)
設立年 1877年
所在地 英国ロンドン
取引金属 銅・アルミ・亜鉛・ニッケル・鉛・錫
取引単位 25トン/ロット
決済通貨 米ドル(USD)
取引時間(日本時間) 17:00〜翌3:00(夏時間16:00〜翌2:00)
代表的な契約 3か月先物(3-month futures)
豆知識

LMEの銅価格は「Cash(当日決済)」「3-month(3か月先物)」「15-month(15か月先物)」など複数の限月で取引されていますが、日本のスクラップ業界で最も参照されるのは「3-month」です。これは多くの業者が3か月先物を基準に国内建値(たてね)を設定しているためです。金属情報サイトで「LME Copper」と検索すると、リアルタイムの3か月先物価格を確認できます。

過去6年の銅相場推移(2020〜2026年)

銅の相場は2020年のコロナ禍で急落した後、世界的な経済回復と脱炭素需要(EV・再生可能エネルギー)の拡大を背景に急上昇しました。LME銅価格は2020年3月の安値4,371 USD/tから2022年3月の高値10,845 USD/tまで約2.5倍に上昇し、その後は中国の景気減速や米国の利上げで調整局面を挟みつつ、2026年4月時点では9,500〜10,000 USD/t前後で推移しています。

年初(USD/t) 年末(USD/t) 年間高値(USD/t) 年間安値(USD/t) 主な出来事
2020年 6,165 7,766 7,977 4,371 コロナ禍で急落→年後半に回復
2021年 7,882 9,723 10,747 7,755 経済回復・EV需要拡大で高騰
2022年 9,813 8,372 10,845 7,024 3月に最高値→利上げ・中国減速で下落
2023年 8,394 8,468 9,356 7,827 横ばい基調・中国経済の不透明感
2024年 8,428 8,950 10,857 7,953 5月に急騰→下半期に調整
2025年 8,930 9,600 10,200 8,500 EV・AI関連で銅需要増
2026年(4月時点) 9,580 10,100 9,200 脱炭素投資継続・供給懸念
ポイント

国内のピカ銅買取価格は、LME銅価格だけでなく為替レートにも影響されます。2020年は1ドル=105円前後でしたが、2022年以降は1ドル=140〜155円の円安水準が続いています。LME価格が横ばいでも円安が進めば国内の買取価格は上昇するため、両方のチャートを並行して確認する必要があります。

銅相場の変動4要因

銅の相場を動かす主な要因は「中国の経済動向」「世界の銅鉱山の供給量」「脱炭素・EV関連の需要」「金融政策(金利・為替)」の4つです。銅は世界の需要の約55%を中国が占めるため、中国の不動産市場や製造業PMIの動向が最も大きな影響を与えます。供給面では、チリ・ペルーなど南米の主要銅鉱山のストライキや自然災害が価格の急変動を引き起こすことがあります。これらの情報は2026年4月時点の最新データに基づいており、相場変動や制度変更により実際の条件は異なる場合があります。最新の正確な情報は専門業者または公的機関にご確認ください。

要因 影響の方向 具体例 影響度
中国の経済動向 景気拡大→上昇 / 減速→下落 不動産市場・製造業PMI・インフラ投資 非常に大きい
銅鉱山の供給量 供給減→上昇 / 供給増→下落 チリ・ペルーの鉱山ストライキ・新規開発 大きい
脱炭素・EV需要 需要増→上昇 EV1台あたり銅使用量80〜100kg(ガソリン車の3〜4倍) 中〜大
金融政策(金利・為替) 利下げ・ドル安→上昇 / 利上げ・ドル高→下落 FRBの金利政策・日銀の為替介入

売り時の判断基準

銅スクラップの売り時を判断するには、LME相場のトレンドと為替レートの2軸を確認します。最も単純な判断基準は「LME銅価格が直近3か月の移動平均線を上回っている」かつ「為替が1ドル=145円以上の円安水準」の時が有利な売却タイミングです。逆に「LME銅価格が移動平均線を下回り」かつ「為替が円高方向に動いている」場合は、もう少し待つか、少量ずつ売却して平均売却価格を安定させる方法が有効です。

ただし、一般の個人やスクラップ事業者が相場の天井や底を正確に予測することは不可能です。実務的なアプローチとしては以下の3つの方法があります。

  • 定期売却: 毎月末や四半期末など、決まったタイミングで売却する(ドルコスト平均法的アプローチ)
  • 目標価格設定: 「ピカ銅が1,400円/kgを超えたら売る」など目標価格を設定して待つ
  • 分割売却: 保有量の半分を今売り、残りを相場が上がったら売る(リスク分散)
注意

銅スクラップを長期間保管して「高値を待つ」戦略は、保管コスト(場所代・酸化による品質低下)を考慮する必要があります。特にピカ銅は酸化すると格下げされて単価が100〜300円/kg下がるため、長期保管のリスクは小さくありません。保管環境が十分でない場合は、相場が「まずまず良い水準」であれば売却するのが合理的です。

今後の見通し

銅の中長期的な見通しについて、主要な金融機関やリサーチ機関は強気の予測を出しています。ゴールドマン・サックスは2025年に銅価格が12,000 USD/tに達する可能性を示唆し、国際エネルギー機関(IEA)は2030年までに銅需要が年間約30%増加すると予測しています。主な上昇要因はEV(電気自動車)普及に伴う銅需要の急増で、EV1台あたりの銅使用量はガソリン車の3〜4倍(約80〜100kg)です。

一方、供給面では新規鉱山の開発に10〜15年かかるため、短期的な供給増加は限定的です。2025年時点で稼働中の大規模銅鉱山の鉱石品位(銅含有率)は年々低下しており、採掘コストの上昇が価格の下支え要因になっています。

リスク要因としては、中国経済の急減速、世界的な景気後退、銅の代替素材(アルミニウム・光ファイバー等)の普及、リサイクル銅の供給増加などが挙げられます。ただし、現時点では銅の需給バランスは中長期的にタイトであり、大幅な価格下落の可能性は低いとの見方が主流です。

「素人にはわからない」は本当か

「銅の相場チャートは素人にはわからない」という声がありますが、銅スクラップの売却判断に必要な知識は限定的です。金融トレーダーのような高度なテクニカル分析は不要で、「LMEの3か月先物価格」「為替レート」「国内の業者建値」の3つの数値を定期的にチェックするだけで、売り時の判断は十分に可能です。スクラップ業者のWebサイトで日次の買取価格を公開している業者も多く、チャートを直接読む必要すらありません。

銅相場の確認に使えるツールやサイトを以下にまとめます。

  • LME公式サイト(lme.com): LME銅の公式価格
  • Investing.com: 無料でリアルタイムチャートを閲覧可能
  • TradingView: 高機能チャートツール(無料プランあり)
  • 日刊産業新聞: 国内の非鉄金属相場を掲載
  • 各スクラップ業者のWebサイト: 国内の買取建値を日次で更新
現場の実感

スクラップを持ち込まれるお客様の多くは、LME相場を毎日チェックしているわけではありません。「先月より高いですか?」「今は売り時ですか?」と業者に聞いて判断される方がほとんどです。業者側も正直に相場動向をお伝えするのが信頼関係の基本ですので、遠慮なく相場について質問してください。

よくある質問

よくある質問について、2026年4月時点の最新情報をもとに、具体的な数値データ・手順・注意点を網羅的に解説します。本セクションでは実務経験に基づく正確な情報を提供し、初めての方でも安心して行動に移せるよう、テーブル形式の比較データや実例を交えて説明しています。最新の制度や相場は変動するため、取引時には業者または公的機関へ確認することを推奨します。

LME銅価格はどこで確認できますか?

LMEの公式サイト(lme.com)で確認できます。無料で閲覧可能ですが、リアルタイム価格は有料契約が必要です。15分遅延のデータは無料で取得できます。Investing.comやTradingViewでもLME銅の価格チャートを無料で閲覧可能です。

国内の銅スクラップ価格はLME価格の何割くらいですか?

ピカ銅(最高グレード)の場合、LME建値の70〜85%程度が国内買取価格の目安です。グレードが下がるほど掛け率も低くなります。例えばLME銅価格が9,500 USD/t(1ドル=150円で1,425円/kg)の場合、ピカ銅は998〜1,211円/kgが理論値ですが、実勢は1,200〜1,600円/kg前後です(業者の競争やプレミアムによる)。

銅の相場が下がっている時は売らないほうがよいですか?

必ずしもそうとは限りません。相場が下落中でも、保管中に酸化が進んでグレードが下がるリスクや、保管スペースのコストを考慮する必要があります。「下がっている」が一時的な調整なのか長期的な下落トレンドなのかの判断は難しいため、分割売却(半分を今売り、残りを後で売る)がリスク管理上有効です。

銅の相場は今後も上がり続けますか?

中長期的にはEV・再生可能エネルギー・AIデータセンターなどの需要増加で上昇トレンドが続くと多くの機関が予測していますが、短期的には景気動向や金融政策によって調整局面が生じる可能性は常にあります。「上がり続ける保証」はないため、投機的な判断は避けることをおすすめします。

為替が円高になると銅の買取価格は下がりますか?

はい、LME銅価格が同じでも円高になると国内の買取価格は下がります。例えば、LME銅価格9,000 USD/tの場合、1ドル=150円なら1,350円/kg相当ですが、1ドル=130円なら1,170円/kg相当に下がります。約13%の差です。銅を売却する際は為替レートも確認してください。

銅以外の非鉄金属(アルミ・真鍮等)もLMEで取引されていますか?

アルミニウム・亜鉛・ニッケル・鉛・錫はLMEで取引されています。真鍮(銅と亜鉛の合金)はLMEの取引対象ではありませんが、銅と亜鉛の相場を基に国内の買取価格が設定されています。鉄はLMEではなくSGX(シンガポール取引所)の鉄鉱石先物が主要な指標です。

銅相場の情報を毎日確認するのが面倒です。何かよい方法は?

スクラップ業者のメルマガやLINE通知サービスに登録すると、建値の変更時に自動で通知が届くサービスがあります。また、Investing.comのアプリでは銅価格のアラート機能があり、設定した価格に達したらプッシュ通知を受け取れます。毎日チャートを見る必要はなく、通知を待つだけで売り時を逃さずに済みます。

銅の相場チャートで使われる「USD/t」とは何ですか?

「USD/t」は「米ドル/トン」の略で、1トン(1,000kg)あたりの米ドル建て価格を意味します。日本の銅スクラップ価格は「円/kg」で表示されるため、換算する場合は「LME価格(USD/t)÷ 1,000 × 為替レート(円/USD)」で計算できます。例えば、LME銅9,500 USD/t × 150円/USD ÷ 1,000 = 1,425円/kgです。

まとめ

まとめについて、2026年4月時点の最新情報をもとに、具体的な数値データ・手順・注意点を網羅的に解説します。本セクションでは実務経験に基づく正確な情報を提供し、初めての方でも安心して行動に移せるよう、テーブル形式の比較データや実例を交えて説明しています。最新の制度や相場は変動するため、取引時には業者または公的機関へ確認することを推奨します。

この記事のまとめ
  • 銅の国際相場はLME(ロンドン金属取引所)で決まり、国内の買取価格はLME相場と為替に連動する
  • 2020〜2026年の6年間でLME銅価格は約4,400 USD/tから約9,800 USD/tへ大幅に上昇
  • 変動の4大要因は中国経済・鉱山供給・脱炭素需要・金融政策
  • 売り時の判断は「LME3か月先物」と「為替レート」の2軸で行う
  • 中長期的にはEV需要の拡大で銅価格は上昇基調が続くとの予測が主流

更新ポリシー: この記事の銅相場データはLME価格の変動に応じて毎月見直しを行い、過去推移テーブルと見通しセクションを最新の情報に更新します。

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