結論:金属の見分けは「磁石 → 色 → 重さ → 削り火花」の4ステップでほぼ判別できます。磁石に付けば鉄系、付かなければ色で銅・真鍮・アルミを切り分け、迷ったら「重さ(同じ大きさで重いほど価値が高い)」で確定します。下の判別フローを上から順にたどるだけで、専門機材なしで鉄・ステンレス・アルミ・真鍮・銅・砲金を見分けられます。
3秒でわかる:金属判別フロー
| STEP | やること | 結果でわかること |
|---|---|---|
| 1 | 磁石を当てる | 強く付く=鉄 / 付かない or わずか=次へ |
| 2 | 色を見る | 銀色=ステンレス or アルミ / 赤茶=銅 / 黄金=真鍮・砲金 |
| 3 | 同じ大きさで持ち比べる | 軽い=アルミ / ずっしり=ステンレス・銅・真鍮系 |
| 4 | 角を少し削る(グラインダー) | 火花が出る=鉄・ステンレス / 出ない=非鉄(銅・真鍮・アルミ) |
この順番が重要です。最初に磁石で「鉄かどうか」を切り、次に色で大きく分け、最後に重さと火花で確定する——上位サイトの多くは判別軸をバラバラに並べていますが、「上から順にたどれば必ず答えが出る」流れで並べているのがポイントです。
STEP1|磁石:まず「鉄かどうか」を切る
金属判別の8割は磁石で決まります。まずここから始めてください。
| 磁石の反応 | 考えられる金属 |
|---|---|
| 強く付く | 鉄(普通鋼)、ステンレスSUS430 |
| 付かない/ほぼ付かない | ステンレスSUS304、銅、真鍮、砲金、アルミ、鉛 |
注意したい例外:ステンレスには磁石に付く種類(SUS430)と付かない種類(SUS304)があります。銀色なのに磁石に強く付くなら鉄かSUS430、銀色で付かないならSUS304かアルミ。ここがプロでも一瞬迷うポイントなので、迷ったらSTEP3の「重さ」で確定します(SUS304はアルミの約3倍重い)。
STEP2|色:銀・赤茶・黄金の3グループに分ける
| 色 | 金属 | 見た目のコツ |
|---|---|---|
| 銀色・光沢あり | ステンレス | 鏡のように映り込み、錆びにくい |
| 銀白色・マット | アルミ | 白っぽく、つや控えめ。とにかく軽い |
| 赤茶色(10円玉色) | 銅 | 使い込むと緑青(青緑のサビ)が出る |
| 明るい黄金色 | 真鍮 | 金色に近い。ドアノブ・水栓金具に多い |
| くすんだ黄金〜赤金 | 砲金(青銅) | 真鍮よりやや暗く渋い金色。バルブ類に多い |
錆の色も決め手になります。鉄=赤茶のサビ、銅=青緑(緑青)のサビ、ステンレス=ほぼ錆びない。サビの色が見えれば、それだけで素材を絞り込めます。
STEP3|重さ:迷ったら「同じ大きさで持ち比べる」
色や磁石で迷ったとき、重さ(比重)が最後の決め手になります。同じ大きさなら、重いものほどスクラップ価値が高い傾向です。
| 金属 | 比重の目安 | 体感 |
|---|---|---|
| アルミ | 約2.7 | 明らかに軽い |
| 鉄 | 約7.9 | 標準的な重さ |
| ステンレス | 約7.9〜8.0 | 鉄とほぼ同じ重さ |
| 真鍮 | 約8.5 | ずっしり |
| 砲金(青銅) | 約8.7 | 真鍮よりわずかに重い |
| 銅 | 約8.9 | 最も重い部類 |
使いどころ:「銀色で磁石に付かない」がアルミかSUS304かで迷ったら、これで一発です。アルミは比重2.7、ステンレスは約8.0——手に持てば差は歴然です。
STEP4|削り火花:鉄系か非鉄かを最終確認
サンダー(グラインダー)で角を軽く削ると、鉄・ステンレスは火花が飛びます。銅・真鍮・アルミは火花が出ません。色だけで確信が持てないときの最終確認に使います。
- 火花が飛ぶ … 鉄、ステンレス(鉄は赤い火花が枝分かれ、ステンレスは火花が少なく直線的)
- 火花が出ない/削り粉が黄色 … 真鍮(削り口が黄色)
- 火花が出ない/削り粉が赤茶 … 銅
- 火花が出ない/削り粉が銀白で軽い … アルミ
※削るときは保護メガネと手袋を着用してください。火花が出る作業は周囲の可燃物にも注意。
プロも迷う「真鍮 vs 砲金 vs 銅」の見分け方
金属の見分けで最も間違えやすく、しかも価値の差が大きいのがこの3つ(すべて銅系で価格帯が異なる)。ここを正しく分けられるかで、買取額が変わります。
| 項目 | 銅 | 真鍮(黄銅) | 砲金(青銅) |
|---|---|---|---|
| 成分 | 銅100% | 銅+亜鉛 | 銅+錫・鉛など |
| 色 | 赤茶(10円玉) | 明るい黄金 | くすんだ黄金〜赤金 |
| 重さ(同サイズ) | 最も重い | やや軽い | 真鍮よりやや重い |
| 硬さ | 柔らかい | 柔らかめ | 硬い |
| よくある製品 | 電線・配管・端子 | 水栓・ドアノブ・楽器 | バルブ・船舶部品・軸受 |
| 価値の傾向 | 高い | 中 | 中(真鍮と砲金) |
判別のコツ:色が「赤寄りで明らかに重い」なら銅。「明るい黄金で柔らかい」なら真鍮。「黄金だが少し暗く・硬く・ずっしり」なら砲金。バルブや水道部品など厚みのある鋳物の金具は砲金のことが多い、と覚えておくと現場で役立ちます。
製品から逆引きする見分け方
「形」から素材を推測できると、判別がさらに速くなります。よくある製品の素材傾向です。
| こんな製品なら | 多い素材 |
|---|---|
| 電線・ケーブルの芯 | 銅(被覆を剥くと赤茶) |
| 水道の蛇口・水栓金具 | 真鍮・砲金 |
| サッシ・脚立・ホイール | アルミ |
| 流し台・調理器具・手すり | ステンレス |
| 鉄板・アングル材・古い工具 | 鉄 |
| バルブ・船舶金具・歯車 | 砲金 |
家庭でできる準備:必要な道具はこれだけ
専門の分析機がなくても、次の3つがあれば十分判別できます。
- 磁石(強めのネオジム磁石が望ましい)…STEP1で必須
- 手で持って比べる…STEP3の重さ比較は道具不要
- サンダー(任意)…STEP4の火花・削り粉確認。なければ色と重さだけでもほぼ判別可能
家庭の不用品レベルなら、磁石と目視(色)と手の感覚だけで9割以上は分けられます。厳密な合金種別(SUS304かSUS316かなど)まで必要になるのは業務用の高額取引のときだけです。
見分けた後の「価値の目安」
スクラップとしての価値は、おおまかに次の順です(※相場は毎日変動します)。
| 価値の傾向(高い→低い) | 金属 |
|---|---|
| 高い | 銅 |
| やや高い | 砲金・真鍮 |
| 中 | ステンレス |
| 中〜やや低 | アルミ |
| ベース | 鉄 |
銅・真鍮・砲金・アルミなどの非鉄金属はLME(ロンドン金属取引所)相場、鉄は国内鋼材相場に連動して動きます。具体的な買取単価は相場変動が大きいため、ここでは断定しません。正確な金額は、現地での計量と当日の相場で確定します。種別の見分けに自信が持てないものは、まとめて持ち込んでいただければこちらで判別・計量します。
よくある質問
磁石に付かないのに銀色です。アルミですか、ステンレスですか?
同じ大きさで持ち比べてください。明らかに軽ければアルミ(比重2.7)、ずっしり重ければステンレス(比重約8.0)です。重さの差が約3倍あるので、手に持てばほぼ区別できます。
ステンレスなのに磁石に付きます。なぜですか?
ステンレスにはSUS430のように磁石に付く種類があります。銀色で磁石に強く付く場合は、鉄かSUS430です。両者は火花の出方(鉄は赤い火花が多く枝分かれ)や錆びにくさで見分けます。
真鍮と金(ゴールド)を間違えることはありますか?
色は似ますが、金は非常に重く(比重19以上)柔らかく、変色しません。真鍮は使ううちにくすみ、緑がかったサビが出ることがあります。重さと変色の有無で区別できます。
道具が磁石しかなくても見分けられますか?
はい。磁石(鉄かどうか)+色(赤茶=銅/黄金=真鍮系/銀=ステンレス・アルミ)+手の感覚(軽い=アルミ)の3つで、家庭の不用品なら9割以上判別できます。
自分で見分けられないものはどうすればいいですか?
無理に削ったり分解したりせず、そのままお持ち込みいただくのが確実です。素材が混ざった製品(モーター、配線、複合部品など)は、こちらで分別・計量して適正に評価します。
まとめ
- 金属判別は「磁石 → 色 → 重さ → 火花」の順でたどれば、専門機材なしでほぼ分けられる。
- まず磁石で鉄を切り、色で銅・真鍮・アルミを分け、迷ったら同サイズの重さで確定する。
- 最も間違えやすく価値差が大きいのは真鍮・砲金・銅。色・重さ・硬さの3点で見分ける。
- 家庭レベルなら磁石・目視・手の感覚で9割判別可能。厳密な合金種別は業務取引のときだけ。
- 見分けに迷うもの・混合素材は、無理せずそのままご相談・お持ち込みを。現地計量と当日相場で正確に評価します。
素材の判別や買取価格について確認したい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。種類が分からない金属も、まとめてお持ちいただければこちらで判別・計量します。