古物商許可の13品目は「主として取り扱う品目を1つ+実際に売買する品目だけを複数」で選ぶのが正解です。初回申請でやみくもに全13品目を選ぶと、警察署(生活安全課)で「本当に全部扱うのか・知識や経験はあるか」を1品目ずつ確認され、審査が長引きやすくなります。足りなくても後から変更届(手数料なし)で追加できるため、迷ったら「いま実際に仕入れて売る物」に絞るのが最短ルートです。ここでは、どの品目を選ぶかを扱う商材から逆引きし、複数選ぶべきか・後から変えられるかまで、判断の順に整理します。各品目の定義や申請手続きそのものは、末尾の関連ページで詳しく確認できます。
「主として取り扱う品目」とは? 1つだけ選ぶ欄の意味
古物商許可の申請書には、品目に関する欄が実は2種類あります。ひとつは「主として取り扱おうとする古物の区分」=13品目から1つだけ選ぶ欄で、事業の売上の中心になる物を指します。もうひとつは「取り扱う古物の区分」=実際に扱う物を複数選べる欄です。「どれを選ぶか」で最初に迷うのは、この2つの違いを知らないためのことがほとんどです。主品目は1つに確定させ、残りは実際に売買する物だけにチェックを入れる——この考え方を押さえれば、選択はぐっと簡単になります。品目そのものの定義は関連ページで確認してください。
申請書の様式では、まず「主として取り扱おうとする古物の区分」を1区分だけ指定します。これは「あなたの事業で売上や取扱いの中心になるのは何か」を示すもので、複数を主品目にはできません。一方で「取り扱う古物の区分」は、実際に仕入れて売る物に合わせて複数選択できます。つまり選び方の骨格は、「主品目を1つ決める → 実際に扱う物を複数チェックする」という2段階です。
なお13品目それぞれが「何を含むのか(正式名称・取扱例)」の一覧は、区分の定義を扱う古物商の13品目とは(区分の一覧と定義)で確認できます。本ページは、その一覧を前提に「自分はどれを選ぶべきか」という判断に絞って解説します。申請書の様式や記入欄は改正されることがあるため、最終的な様式は申請先の警察署でご確認ください(出典:古物営業法・古物営業法施行規則)。
【商材別】あなたが選ぶべき品目 早見表
「自分の事業だと何を選べばいいのか」は、扱う商材から逆引きするのが一番早い方法です。下表は、代表的な事業ごとに「主として取り扱う品目(1つ)」と「あわせて選んでおくと安全な品目」を整理したものです。あくまで一般的な考え方の目安で、実際の区分の当てはめは物によって分かれることがあります。最終判断は申請先の警察署(生活安全課)で確認してください。まずは自分の商材に近い行を見つけ、主品目の当たりを付けることから始めましょう。
| あなたが扱う物・事業 | 主として取り扱う品目(1つ) | あわせて選ぶと安全な品目 |
|---|---|---|
| メルカリ・せどり(雑多な物販) | 10 道具類 | 12 書籍/2 衣類/8 事務機器類 |
| ブランド品・アクセサリー転売 | 3 時計・宝飾品類 | 2 衣類/11 皮革・ゴム製品類 |
| ブランドバッグ・財布中心 | 11 皮革・ゴム製品類 | 3 時計・宝飾品類 |
| 中古車の買取・販売 | 4 自動車 | 5 自動二輪車及び原付 |
| バイク・原付の買取・販売 | 5 自動二輪車及び原付 | 9 機械工具類(パーツ中心なら) |
| 金属・スクラップ・工具の買取 | 9 機械工具類 | 4 自動車/10 道具類 |
| 古着・アパレル | 2 衣類 | 11 皮革・ゴム製品類/3 時計・宝飾品類 |
| カメラ・レンズ・光学機器 | 7 写真機類 | 9 機械工具類/8 事務機器類 |
| パソコン・OA機器・家電 | 8 事務機器類 | 9 機械工具類/7 写真機類 |
| 骨董・美術品・掛軸 | 1 美術品類 | 10 道具類 |
| 本・雑誌・古書 | 12 書籍 | 10 道具類 |
| おもちゃ・トレカ・ゲームソフト | 10 道具類 | 9 機械工具類(ゲーム機本体を扱うなら) |
| 金券・チケット・切手 | 13 金券類 | ― |
「主として取り扱う品目」に迷ったら、いちばん仕入れ額・売上が大きくなりそうな物を基準に1つ選べば大丈夫です。せどりやメルカリ物販のように扱う物が雑多な場合は、日用品・雑貨を広く含む10 道具類を主品目に据える人が多い傾向です(せどりで古物商許可が必要なケース/メルカリ物販と古物商許可も参考に)。ただし当てはめが分かれやすい物(後述の「またぎ」)もあるため、主品目だけを厳密に悩みすぎず、実際に扱う物を「取り扱う区分」で確実にカバーする発想が実務的です。
迷わず決まる 選び方4ステップ
早見表で当たりが付いたら、次の4ステップで申請する品目を確定できます。ポイントは「将来やるかも」を混ぜないことと、主品目は必ず1つに絞ることです。①いま売買する物を全部書き出す → ②各品目に当てはめる → ③売上の中心を主品目(1つ)に決める → ④残りで実際に扱う物だけを複数チェック——この順に進めれば、申請内容は自然に完成します。「取っておけば安心」で使わない品目まで足す必要はありません。実際に扱わない品目は選ばない、が原則です。
- STEP1|いま実際に売買する物を全部書き出す:現時点で仕入れて売る物だけをリスト化します。「将来やるかもしれない物」は入れません。
- STEP2|書き出した物を13品目に当てはめる:区分の一覧(13品目の定義ページ)を見ながら、1つの物が2品目にまたがる場合(後述)に注意して印を付けます。
- STEP3|売上の中心になる物の品目を「主品目」に決める:もっとも取扱いが大きくなる物の品目を、13品目から1つだけ選びます。
- STEP4|残りで実際に扱う物だけを「取り扱う区分」に複数チェック:使う予定のない品目は入れません。これで申請する品目が確定します。
ここまで決まれば、あとは申請書類の作成と提出に進みます。必要書類や申請の流れは、手続きを扱う古物商許可申請の必要書類と流れで確認してください。品目の当てはめに確信が持てないときは、申請前に管轄警察署の生活安全課に相談すると、後戻りが減ります。
複数選ぶべき? 全部選ぶvs必要な分だけの判断
「どうせなら全13品目を取っておけば安心」と考えがちですが、初回申請では必要な分だけに絞るほうが有利なことが多いです。品目数を増やすと審査手数料が上がるわけではありませんが、警察署から「その品目を本当に扱うのか・知識や経験はあるか」を品目ごとに確認され、審査が長引く要因になります。取得後も、扱わない品目まで管理・記録の対象として意識する必要が生じます。足りなければ後から無料で足せるので、初回は実際に扱う物に絞るのが、審査も管理もスムーズです。
| 観点 | 必要な品目だけに絞る | 全13品目を選ぶ |
|---|---|---|
| 審査のスムーズさ | 確認事項が少なく進みやすい | 品目ごとの確認で長引きやすい |
| 警察の確認 | 少ない | 「本当に扱うのか・知識はあるか」を品目ごとに問われやすい |
| 取得後の管理 | 管理・記録の対象が明確 | 扱わない品目まで意識する必要が生じうる |
| 不足したとき | 変更届(手数料なし)で追加 | 追加は不要 |
| 向いている人 | これから始める人・初回申請 | 明確に多品目を本当に扱う事業者 |
審査手数料は品目をいくつ選んでも同じで、19,000円が基本です(2026年7月時点の目安。手数料や取扱いは変わることがあるため、金額は申請先で確認してください。出典:古物営業法関係の手数料規定)。「料金が同じなら全部取ったほうが得」ではなく、審査の通りやすさと取得後の管理負担で判断するのが実務的です。特に1 美術品類・4 自動車は専門知識を問われやすく、実際の取扱い実態が薄いままいきなり主品目にすると、確認に時間がかかる傾向があります。
品目のまたぎで選び漏らしやすいポイント
同じ「物」でも、本体と部品、機械とソフトで品目が分かれることがあります。ここを取り違えると、扱いたい物が許可の範囲から漏れてしまいます。たとえばゲーム機は本体とソフトで区分が分かれ、自動車の部品だけを扱う場合も「自動車」を選ぶ、といった当てはめのクセがあります。下表は問い合わせが多い代表例ですが、区分の当てはめは物の実態によって判断が分かれることがあるため、迷う物は管轄警察署で確認してください。定義の詳細は13品目の一覧ページで補えます。
| 扱いたい物 | 当てはまりやすい品目 | つまずきポイント |
|---|---|---|
| 家庭用ゲーム機(本体) | 9 機械工具類 | 本体とソフトで品目が分かれる |
| ゲームソフト | 10 道具類 | 本体も扱うなら両方が必要になりうる |
| 自動車の部品だけ | 4 自動車 | 本体を扱わなくても「自動車」を選ぶ |
| 建設機械・重機 | 登録車両か否かで 4 自動車 と 9 機械工具類 に分かれうる | 公道走行の登録の有無などで扱いが変わる |
| ブランドバッグ・財布 | 11 皮革・ゴム製品類 | 素材で判断。布製中心なら 2 衣類も検討 |
| PC・OA機器と工具・家電 | 8 事務機器類/9 機械工具類 | PCは事務機器類、電動工具・家電は機械工具類に寄る |
迷ったときの考え方はシンプルで、「実際に売買する物が、選んだ品目に確実に含まれているか」を1つずつ確認することです。本体だけでなく部品も扱うのか、機械だけでなくソフトも扱うのか——扱う実態に合わせて「取り扱う区分」に漏れなくチェックを入れておけば、選び漏らしは防げます。各品目に何が含まれるかは13品目の定義ページで確認し、判断が割れる物は管轄警察署に確認するのが確実です。
後から追加・変更できる? 変更届の考え方
結論として、品目は後から追加・変更できます。選び忘れた品目を扱いたくなっても、許可を取り直す必要はありません。変更届(届出自体に手数料はかかりません)を管轄警察署に提出すれば、品目を追加・削除できます。だからこそ「初回は絞る」を安心してすすめられます。届出には期限があり、原則として変更があった日から14日以内(法人の登記事項証明書を要する場合は20日以内)とされています。事業の拡大に合わせて足していく——これが審査・管理の両面でいちばん無理のない進め方です。
- 追加したい品目を特定する:新しく扱う物がどの品目に当たるかを確認します。
- 変更届出書を作成する:追加(または削除)する品目を記載した届出書を準備します。
- 管轄警察署へ提出する:原則、変更があった日から14日以内(登記事項証明書を要する場合は20日以内)に提出します。
変更届の提出そのものに手数料はかかりません(出典:古物営業法第7条ほか)。ただし届出の期限や必要書類は状況によって異なることがあるため、提出前に管轄警察署で確認してください。許可の名義や記載事項の変更手続き全般については、古物商許可の変更・書換申請もあわせて参考にできます。
そもそも許可・品目選択が不要なケース
品目を選ぶ前に、そもそも自分の取引が許可の対象かを確認しておきましょう。次のケースは古物営業に当たらず、許可も品目選択も不要です。①自分が使っていた物を売る(私物の処分・フリマ出品)、②新品を仕入れて新品のまま売る、③無償でもらった物だけを売る——これらは対象外です。一方、転売目的で中古品を仕入れて売るなら、副業や個人でも許可が必要になります。判断に迷う取引は、申請先の警察署(生活安全課)に確認するのが確実です。
- 自分が使っていた物を売る:生活用品の処分やフリマでの私物売却など。
- 新品を仕入れて新品のまま売る:中古ではないため古物に当たりません。
- 無償でもらった物だけを売る:買い取って転売するのでなければ対象外です。
逆に、転売目的で中古品を仕入れて売る場合は、たとえ副業・個人であっても許可と品目選択が必要です。無許可で古物営業を行うと罰則の対象になり得ます(古物商許可なしで営業した場合の罰則を参照)。自分の取引が対象かどうかは、最終的に管轄警察署で確認してください。福岡県内の申請窓口や手続き案内は、福岡県警察「古物商許可申請」でも確認できます。
よくある質問
- Q. 主として取り扱う品目は複数選べますか?
- A. いいえ。「主として取り扱おうとする古物の区分」は13品目から1つだけ選ぶ欄です。売上や取扱いの中心になる物の品目を選びます。実際に扱う物は「取り扱う区分」で複数選べます。
- Q. とりあえず全13品目を選んでおくのはダメですか?
- A. 禁止ではありませんが、初回はおすすめしにくいです。警察署で「本当に全部扱うのか・知識や経験はあるか」を品目ごとに確認され、審査が長引く要因になりやすいためです。後から無料で追加できるので、実際に扱う物に絞るのが実務的です。
- Q. 申請手数料は選ぶ品目数で変わりますか?
- A. 変わりません。1品目でも複数でも19,000円が基本です(2026年7月時点の目安。金額は変わることがあるため申請先で確認してください)。金額は同じでも、審査の通りやすさで判断するのがおすすめです。
- Q. 後から品目を追加・削除できますか?
- A. できます。変更届(届出自体に手数料なし)を管轄警察署に提出すれば追加・削除が可能です。原則、変更があった日から14日以内(登記事項証明書を要する場合は20日以内)に届け出ます。
- Q. 自分の私物をメルカリで売るだけでも許可は必要ですか?
- A. 不要です。自分が使っていた物を売るのは古物営業に当たりません。転売目的で中古品を仕入れて売る場合に、許可と品目選択が必要になります。
- Q. 主品目をどれにするか決めきれません。どう選べばよいですか?
- A. もっとも仕入れ額・売上が大きくなりそうな物の品目を1つ選べば大丈夫です。扱う物が雑多なせどり・物販では、日用品・雑貨を広く含む「10 道具類」を主品目に据える例が多い傾向です。迷う物の区分は管轄警察署で確認できます。
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