鉄スクラップ買取ガイド|グレード別買取価格テーブル・相場推移・持ち込み方法まで完全解説【2026年最新】

鉄スクラップ買取とは

鉄スクラップ買取とは、不要になった鉄製品(鉄骨・鉄板・鉄パイプ・鉄筋・H鋼・農機具・鉄フェンスなど)をスクラップ業者に持ち込み、グレードと重量に応じた単価で現金化する取引です。鉄は世界で最も多く消費される金属であり、日本国内の鉄スクラップリサイクル率は約98%(日本鉄源協会統計)に達します。2026年4月時点の国内鉄スクラップ相場は、代表的なH2グレード(厚さ3mm以上の鋼板・鉄骨)で30〜55円/kg(3万〜5.5万円/トン)で、電炉メーカーの需要と輸出市況で価格が変動します。

鉄スクラップは「電炉(電気炉)」の原料として再利用されます。日本の粗鋼生産量の約25%は電炉によるもので、その原料のほぼ全てが鉄スクラップです。つまり、家庭や工事現場から出る鉄くずは、電炉メーカーに買われて新しい鉄製品の原料になります。

鉄スクラップの価格は非鉄金属(銅・アルミ)と比較するとkg単価は低いですが、鉄製品は重量があるため総額では大きな金額になることがあります。例えば、ビル解体で出る鉄骨は1本で数百kgから数トンになり、30円/kgでも数万〜数十万円になります。

鉄スクラップ買取の基本情報
項目 内容
取引の仕組み 鉄スクラップを業者が買い取り、電炉メーカーに原料として卸す
価格の決まり方 電炉メーカーの買取価格(落札価格) x グレード x 業者マージン
価格の指標 日刊産業新聞の「鉄スクラップ関東H2」が国内基準
最低買取量 業者によるが10kg程度から対応(車両持ち込みの場合)
リサイクル率 約98%(日本鉄源協会統計)
主な用途先 電炉メーカー(鉄筋・棒鋼・形鋼等の製造)

グレード別買取価格テーブル

鉄スクラップはグレード(品種)によって買取価格が異なり、主要グレードはH2(厚さ3mm以上の重量鋼板・鉄骨)、HS(厚さ1〜3mmの薄鋼板)、新断(工場でプレス加工された新品端材)、ギロ材(ギロチンで裁断された混合鋼)、鋳物(鋳鉄・マンホール蓋等)の5種類です。2026年4月時点の概算相場は、H2が30〜55円/kg、新断が35〜60円/kg、HSが25〜45円/kg、ギロ材が20〜40円/kg、鋳物が25〜50円/kgで、電炉メーカーの買入価格と輸出市況により月単位で10〜20%変動します。

鉄スクラップのグレード別買取価格(2026年4月時点の参考値)
グレード 特徴 買取単価(円/kg) 身近な由来
H2(ヘビー2) 厚さ3mm以上・面積0.5m2以上の重量鉄板・鉄骨・H鋼 30〜55 ビル解体の鉄骨・H鋼・厚い鉄板
新断(しんだん) 工場でプレス加工された新品の鉄端材 35〜60 自動車工場・家電工場の加工端材
HS(ヘビーS) 厚さ1〜3mmの薄鋼板 25〜45 薄い鉄板・ロッカー・机のフレーム
ギロ材 ギロチンで裁断された混合鉄スクラップ 20〜40 混合された鉄くず全般
鋳物(いもの) 鋳鉄・ダクタイル鋳鉄 25〜50 マンホール蓋・鋳鉄鍋・エンジンブロック
ダライ粉(切削くず) 旋盤加工で出る鉄の削りかす 10〜25 機械加工工場の切削屑
A級プレス(圧縮鉄) プレスで圧縮された自動車ボディ等 20〜40 解体済み自動車ボディ
注意

上記の単価は電炉メーカーの買入価格と国際市況により月単位で変動します。2026年4月時点の参考値であり、実際の買取価格は業者・地域・数量・品質により異なります。鉄スクラップ相場は鉄源協会のデータや日刊産業新聞等で確認できます。

鉄スクラップ相場の推移

鉄スクラップ相場は過去10年で大きな変動を経験しています。2016年頃の低迷期にはH2相場が1.5〜2万円/トン(15〜20円/kg)まで下落しましたが、2021年からの世界的なインフラ需要の拡大と中国の粗鋼減産政策により急騰し、2022年には一時5.5万円/トン(55円/kg)を超えました。2023〜2024年は調整局面で3〜4万円/トン台で推移し、2026年は世界的な脱炭素化(電炉シフト)によるスクラップ需要の構造的増加を背景に、3〜5.5万円/トンの範囲で推移しています。

鉄スクラップ(H2)相場の推移(概算)
時期 H2相場(円/トン) H2相場(円/kg) 主な背景
2016年 15,000〜20,000 15〜20 中国の過剰生産・世界的な需要低迷
2018年 25,000〜35,000 25〜35 米国の鉄鋼関税・輸出市場の回復
2021年 40,000〜55,000 40〜55 コロナ後の需要急回復・中国粗鋼減産
2022年 35,000〜55,000 35〜55 ウクライナ情勢・資源価格高騰
2023〜2024年 30,000〜45,000 30〜45 調整局面・世界景気減速懸念
2025〜2026年(現在) 30,000〜55,000 30〜55 脱炭素化(電炉シフト)による構造的需要増

今後の見通し — 脱炭素化が鉄スクラップの価値を押し上げる

世界的な脱炭素化の流れは、鉄スクラップの長期的な価値を押し上げる構造的な要因です。従来の高炉(石炭コークスを使って鉄鉱石から鉄を作る)は大量のCO2を排出するため、各国の製鉄メーカーが電炉(鉄スクラップを溶かして再利用)へのシフトを進めています。電炉の原料は鉄スクラップであるため、電炉化が進むほどスクラップの需要が増加し、中長期的に相場を下支えすると見られています。

日本国内でも日本製鉄・JFEスチールなどの大手高炉メーカーが電炉への転換計画を発表しており、今後5〜10年で電炉比率が大幅に上昇する見込みです。これは鉄スクラップの需要増加、ひいては買取価格の底上げにつながります。

豆知識

鉄スクラップは「都市鉱山」とも呼ばれ、鉄鉱石を採掘するよりもCO2排出量が約75%少ないリサイクル資源です。日本は年間約3,000万トンの鉄スクラップを消費しており(うち約800万トンを輸出)、世界有数の鉄スクラップ消費国です。鉄くずを売ることは、CO2削減と資源循環に直接貢献する行為でもあります。

持ち込み方法

鉄スクラップの持ち込み手順は、(1)鉄以外の金属(銅・アルミ等)と分別する、(2)業者に電話で事前確認、(3)身分証明書を持参して車でヤードに行く、(4)台貫(だいかん)で車ごと計量、(5)金額に同意すれば現金受取、の5ステップです。鉄スクラップはkg単価が低いため、ある程度の量(50kg以上)がないと手間に見合わないケースがあります。軽トラック1台分(200〜300kg)で6,000〜16,500円程度が目安です。少量の場合は非鉄金属(銅・アルミ)と合わせて持ち込むのが効率的です。

計量方法 — 台貫(だいかん)とは

スクラップヤードでの計量は「台貫(だいかん)」と呼ばれる大型の車両用秤(はかり)を使います。まず鉄スクラップを積んだ状態で車ごと台貫に乗り「総重量」を計測し、荷降ろし後に空車で再び台貫に乗り「空車重量(車両の自重)」を計測します。「総重量 – 空車重量 = 鉄スクラップの正味重量」という計算で重量を算出します。

少量(100kg以下)の場合は台秤(だいばかり)での手量りになることもあります。計量結果は明細書に「○kg x ○円/kg = ○円」の形で提示され、納得すればその場で現金が支払われます。

鉄スクラップの持ち込みに必要な持ち物
持ち物 必要度 備考
身分証明書 必須 運転免許証・マイナンバーカード等
鉄スクラップ 必須 銅・アルミなど非鉄金属は分けておく
車(軽トラック等) 推奨 鉄は重いため車での持ち込みが基本
手袋・軍手 推奨 鉄の切り口やバリで怪我をしないため
磁石 推奨 鉄と非鉄の判別用
現場の声

鉄スクラップの持ち込みで最も多いのが「リフォームで出た鉄フェンス」「倉庫の片付けで出た鉄パイプ」「農機具の鉄フレーム」です。これらは1つずつは軽くても、まとまると数十〜数百kgになります。鉄は単価が低いのでがっかりする方もいますが、「ゴミとして処分するとお金がかかるもの」を「売ってお金がもらえる」に変えるのが鉄スクラップ買取の本質です。処分費を節約しつつ現金も得られる一石二鳥です。

「鉄は安い」への反論

「鉄スクラップは安い(30〜55円/kg)から売る意味がない」という意見は、kg単価だけを見た表面的な判断です。鉄は重量があるため、量がまとまれば総額は大きくなります。軽トラック1台分(200〜300kg)で6,000〜16,500円、2トントラック1台分(1〜2トン)で3〜11万円になります。さらに、鉄くずを「ゴミ」として処分する場合は処分費用(粗大ごみ料金や産廃処理費)がかかるため、「売ってお金をもらう」のと「お金を払って捨てる」のでは経済的な差は倍以上です。

反論1: 総額で見れば十分な金額になる

鉄のkg単価は銅の30分の1以下ですが、鉄製品は銅製品の10〜100倍の重量があります。例えば鉄骨1本は50〜200kgあり、30円/kgでも1,500〜6,000円です。ビル解体で出る鉄骨が数十トンになれば数十万〜数百万円の金額になります。

反論2: 処分費の節約効果が大きい

鉄くずを粗大ごみとして自治体に処分を依頼すると1品数百〜数千円の手数料がかかります。産業廃棄物として処理する場合はさらに高額(1トンあたり数万円)です。スクラップ業者に売れば処分費がゼロになるだけでなく、さらに現金を受け取れます。この「処分費の節約 + 買取収入」の合計効果が鉄スクラップ買取の本当の価値です。

反論3: 脱炭素化で鉄スクラップの価値は上昇傾向

前述の通り、世界的な電炉シフトにより鉄スクラップの需要は構造的に増加しています。2016年の低迷期(15〜20円/kg)と比較すれば、2026年現在の相場(30〜55円/kg)は2〜3倍に上昇しています。中長期的にも相場が底堅く推移する可能性が高く、「鉄は安いから売らない」のではなく「今のうちに売る」のが合理的な判断です。

現場の声

建設会社の方が「鉄くずは安いから手間をかけて売るより、産廃で処分する」とおっしゃることがありますが、計算すると逆です。産廃で鉄くず1トンを処分すると2〜5万円の費用がかかります。スクラップとして売れば3〜5.5万円の収入になります。差額は5〜10万円です。年間10トンの鉄くずが出る現場なら、50〜100万円の差になります。鉄スクラップは「安い」のではなく「重量勝負」の品目です。

よくある質問

錆びた鉄でも買い取ってもらえますか?

はい、錆びた鉄でも買取可能です。鉄スクラップは電炉で溶かして再利用するため、表面の錆は品質にほとんど影響しません。ただし、錆がひどく鉄の重量が減っている場合(薄い鉄板が錆で穴だらけになっているなど)は、実質的な鉄の重量が少なくなるため、その分だけ金額は下がります。

鉄スクラップの最低買取量は何kgからですか?

業者によりますが、車で持ち込む場合は10〜50kg程度から対応するケースが多いです。ただし鉄のkg単価は30〜55円と低いため、10kgだと300〜550円にしかなりません。手間を考えると50kg以上(1,500〜2,750円)が現実的です。少量の場合は銅やアルミなど非鉄金属と合わせて持ち込むのが効率的です。

鉄とステンレスの見分け方は?

最も簡単な見分け方は磁石です。鉄は磁石に強くつきますが、ステンレス(SUS304)は磁石に反応しません(SUS430は弱く反応)。また、鉄は錆びやすい(赤錆が出る)のに対し、ステンレスは錆びにくい特性があります。ステンレスは鉄の3〜5倍の単価で買い取られるため、鉄と混ぜずに分けて持ち込むことが重要です。

H2、HS、新断などのグレードはどう判定されますか?

グレードは主に鉄板の厚さと形状で判定されます。H2(ヘビー2)は厚さ3mm以上・面積0.5m2以上の重量鉄板、HS(ヘビーS)は厚さ1〜3mmの薄鋼板、新断は工場の加工端材(きれいな切り口が特徴)です。業者がヤードで目視と経験で判定しますので、持ち込み時に自分でグレードを判別する必要はありません。ただし、厚い鉄と薄い鉄を分けておくと査定がスムーズになります。

鉄くずを出張回収してもらうことはできますか?

大量(1トン以上)の鉄スクラップであれば、多くのスクラップ業者が出張回収(引取)に対応しています。費用は業者によりますが、量が多ければ引取費用は買取額に含まれるケースが一般的です。少量(数十kg)の場合は持ち込みのほうが効率的です。出張回収を依頼する場合は「鉄くずが約○トンあるので引取をお願いしたい」と電話で相談してください。

鉄にペンキや塗装がついていても売れますか?

ペンキや塗装がついた鉄スクラップも買取可能です。電炉で溶解する際に塗装は焼却されるため、品質にはほぼ影響しません。ただし、コンクリートが大量に付着している(コンクリート片の重量が含まれてしまう)場合や、石綿(アスベスト)が付着している場合は対応できない業者もあるため、事前に確認してください。

鉄スクラップの相場はどこで確認できますか?

鉄スクラップの相場は、日刊産業新聞(有料)、日本鉄源協会のWebサイト、大畑商事(無料で日次相場を公開)などで確認できます。LME(ロンドン金属取引所)は非鉄金属の指標で、鉄スクラップには直接的にはLMEではなく電炉メーカーの買入価格(入札価格)が影響します。

鉄スクラップを売ったお金に税金はかかりますか?

個人が年に数回少量を売る程度であれば、譲渡所得の特別控除50万円の範囲内に収まるため申告不要のケースがほとんどです。事業として継続的に鉄スクラップを発生・売却している場合(建設業者等)は事業所得として処理し、確定申告が必要です。法人の場合は法人の売上として処理します。買取伝票は必ず保管してください。

まとめ

鉄スクラップの買取価格はグレードにより異なり、代表的なH2で30〜55円/kg(2026年4月時点)です。kg単価は非鉄金属より低いものの、鉄は重量があるため総額ではまとまった金額になります。世界的な脱炭素化(電炉シフト)により鉄スクラップの需要は構造的に増加しており、中長期的に相場が底堅く推移する見通しです。処分費の節約効果も大きく、「ゴミにお金を払う」のではなく「売ってお金をもらう」選択が合理的です。

鉄スクラップ買取 — 5つのポイント
  • 鉄スクラップは主要グレード(H2・新断・HS・ギロ材・鋳物)で価格が異なる
  • kg単価は低い(30〜55円/kg)が、重量があるため総額はまとまった金額になる
  • 脱炭素化(電炉シフト)による構造的需要増で、中長期的に相場は底堅い見通し
  • 処分費の節約+買取収入の合計効果が鉄スクラップ買取の本当の価値
  • 持ち込みは身分証+車(軽トラック等)で簡単に完了する

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